伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

4日間の決算委員会を終了しました

2016年11月12日 | 市議会
 一般会計の決算委員会が今日で終了しました。

 この決算には個人番号制度の準備とカード発行に関する支出や、特定疾患の患者さんに対する見舞金を削減した結果としての決算が含まれていました。

 決算は、支出の適法性やその成果にもとづいて判断するとされますが、政策として問題があると考えられる個人番号制度は、たとえそれが国の法定委託事務だとしても認定できる支出ではありません。情報漏洩のリスクに加え、ポイントカードの関連付けが検討されるなど個人のプライバシーが国家の前に丸裸にされかねない問題など、政策の効果そのもの、ひいて言えば政策目的に問題があります。また、法定受託事務と言っても、その準備は全部国の負担になるものではなく、市の一般財源からも持ち出されており、この面からも問題があります。

 見舞金も該当する患者さんたちの理解が十分得られないままに実行されています。

 こうしたことからこの決算には問題があると考え、不認定とする立場をとりました。

 採決の結果、認定とする委員が多数となりましたが、予定される12月定例会に委員長報告がされた上で採決することになります。準備をしっかりしておかなければなりません。

 その決算委員会で気になった点の初日分は、一度まとめましたが、その後の分を幾つかまとめておきます。

 1つは商工費のららミューのライブいわきミュウじあむの委託費の関連で、ミューじあむが震災の記録を展示していたけれど、自衛隊の展示が充実しすぎていて、いわき市民が感謝している震災時の活動の範囲を飛び越えて、自衛隊は魅力的だと伝えて入隊希望を喚起するような内容になっていたと感じたことを思い出したので、質疑をしました。

 展示内容は委託先が発案して市と協議の上で決めているそうですが、自衛隊の展示がどのようになっているかは確認していないといいます。適正な展示に努めるよう求めました。

 2つ目に商工費のプレミアム付商品券発行事業。1万円で1万2千円分の商品券を19億2千万円発行。うち7割は食料品や衣料など日常使いで使用されたといいます。そのうち4割はスーパーマーケット等、17%は衣料で使われており、チェーン店などで手中心の消費に回ったという印象。飲食は18%だったといいます。
 また全体の3割は、商品券に現金を上乗せして、日常品ではない新規購買を呼び起こしたといいますが、全体としてみれば地域の商店街などへの経済効果には疑問が残る内容です。

 執行部は「お金の流れを止めないで、市場で流れを作ったという意味でも効果があった」といいましたが・・。

 3つ目は、農林水産業費の福島県の漁獲物を「常磐もの」でブランド化し、消費拡大につなげたいとしてすすめられる事業について。「常磐もの」を知っているのは、首都圏で15%程度で一般の知名度はまだまだ低いといいます。原発事故の風評被害を克服していく上でも、知名度アップが大きな課題です。

 4つ目同じくイノシシの駆除の問題。捕獲目標は市が年間3千頭で県が1千頭。これによって5年間で適正な生息数まで減らすといいます。しかし、計画通りに捕獲されず、2015年度は県市合計で3千頭程度。今年度は11月9日で合計2,010頭程度で捕獲頭数が増えており、取り放題という印象だとか。これって増えているということじゃないのかな。

 5年間の計画となっているけれども、実態を見極めながら捕獲計画を適宜見直すよう求めました。合わせて捕獲を担う狩猟者の育成も課題になってくるでしょう。

 5つ目に同じく農道の舗装について聞きました。10年程前一般質問で取り上げたことがあります。

 答弁では、農道は105,000mあり、舗装済は76,900mで73%の舗装率だといいます。しかし、年間1%程度の伸び率ということで、これから終了するまでまだまだかかるし、圃場整備がすすめば延長がさらに伸びることになって、イタチごっこになってしまい、終了するめどが立ちません。

 圃場整備の負担金を支払い終わったのに、まだ農道が舗装がされないと嘆く声をかつて聞きましたが、TPPで対応で競争力をつけるなんて言いながら、肝心の農業設備の整備はまだまだ。

 6つ目に同じく鬼ヶ城の風力発電機の管理運営する費用。発電した電気はいわきの里鬼ヶ城で使われますが、その節電効果は35万円程度。一方保守点検に85万円程かかっています。補助金を導入して建設したため耐用年数は運用するといいます。10年前から稼働しとり、耐用年数は残り7年間。赤字額は350万円程度ということになりますか・・。補助金を返還するよりその方が財政的には有利ということになるのだろう。

 確かにこの風力発電機は、発電による経済効果よりも、再生可能エネルギーの普及に向けた宣伝と学習効果に重きを置いたものだったように記憶しているけれども、学習効果ならもっと規模が小さく、運用にお金がかからない設備にしても良かったはず。その時の判断に問題があったということか。

 議会にとっても学習すべきケースの一つでしょう。

 7つ目に労働費にあるIWAKIターン促進業務委託について。首都圏などに出ていく若者の集まり場を提供して交流を図りながら、将来的にいわき市に戻ってくることを期待した事業です。100名程度で3回実施して交流を図ったという。効果は今後を待たなければわかりませんが、効果を期待したいと思います。

 8つ目に衛生費に歯ピカリ教室というのがあります。月1~2回、親子で10組み程度に歯磨き教室を行ってきました。歯磨き指導は検診時にも行われますが、こうした教室を増やすことは良いことだと思います。正しくはを磨くことができる子どもを増やして、フッ化物に頼らなくても済むようにしたいものです。


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