伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

ビートルズで好きな曲・・

2016年02月15日 | いわき市
 先だってからこのお題が気にかかっていました。

 ビートルズに関係はないけど、自分の音楽の始まりって何だったろうと振り返って見ると、実体験の記憶ではないのですが、後に誰かに聞いたエピソードとして記憶にあるのは有線放送です。

 小学校に上がる前のことです。

 岩手県宮古市に生まれ、小学校に上る前まで住んでいたのは、津軽石払川のお寺さんの隠居屋敷だったらしい、寺の山門の脇にある民家でした。

 生い茂る笹やぶを背負い、杉の皮ぶきで、囲炉裏を切ってある典型的な和風の家屋。トイレ――そんなハイカラなものじゃないか――便所も、お風呂も戸外。風呂桶は五右衛門ならぬドラム缶風呂だったような、そんな記憶が残っている民家でした。

 近くに有線放送のラッパがあり、昼の時間帯には音楽が流れていた――おそらくラジオ放送を流していたのだと思います。

 その時間帯になって音楽がなると近くに行って踊っていたと、誰かに聞いたのですね。いったいどんな子どもだったのか・・。全く記憶にはないのですが、そんなこともあったのでしょうかね。

 いずれにせよ、これが音楽にかかわる記憶の第一歩です。

 その後、小学生から中学生の時代に学校の授業で音楽を習ったのでしょうけど、そこらの記憶はあまりなく、次に明確な記憶に残っているのが、先だって「初めて購入した音楽は」のお題で書いた、中学3年生の時の「なごり雪」。

 ああ、そういえば、どこまでも主題から離れていくけれど、中学2年の時だったのかな・・。音楽の先生が出産休暇だったと思うのだけれど、長期休暇に入ったことがありました。その代替として講師の若い女性の先生が来てくれました。

 中学2年生頃の男子たちからみればあこがれの先生だったんでしょうね。それが悪い方向に出てしまったと思うのです。授業態度が悪くてとても困らせてしまって、先生が、もちろん生徒の前ではないのですが、泣いてしまっていたこともあるとどこかで聞いた記憶が残っています。

 先生にはとても申し訳なく思います。あれから40年余も経ちますが、あの後、先生はどうしていたんだろう。

 私にとっては忘れることができない先生です。中学校の時の記憶で、もっとも鮮明に残っているいくつかの一つが、実はこの先生に習った音楽なんです。

 先生は、教科書を離れて、板書しながらいくつかの歌を教えてくれました。

 「♪雪の下の故郷の夜・・」と歌い出す「たんぽぽ」(カドクラ サトシ作詞・堀越浄作曲)、「♪さみしそうなあなたのために・・」と歌う「嵐」(この曲もだったと思うが少し自信なし)などだったのですが、何よりも印象に残っているのが「シャローム」という歌でした。

こんな歌詞です。

 どこかでまたいつか会えるさ また会おう また会おう どこかで

 きれいな想い出抱きしめ また会おう また会おう どこかで

 緑の星ふたつ寄り添う 離れても 離れても 寄り添う

 どこかでまたいつか会えるさ 泣かないで 泣かないで さようなら

 シャロムチャペリン シャロムチャペリン シャロム シャーロム レシュトラオ レシュトラオ シャロム シャーロム


 どこか淋しげで陰りがある曲調の歌ですが、あの頃の心情にピタリと寄り添う曲だったのでしょう。心にいつまでもささっていました。

こんな素敵な歌との出会いを作ってくれた先生だったのに・・。今はもう還暦を過ぎていると思います。お元気でいらっしゃるのだろうか。

 これらの曲は、後に労働組合運動にかかわった時に出会った歌声運動の中で再開することになったわけですが、こうした音楽との出会いが後の音楽の好みを定めることになったのだと思います。

 中学3年の「なごり雪」の出会いは、NHKのFMで当時放送されていた三宅アナの「リクエストアワー」でした。たしかこの放送から岩手県出身で故天野滋さんら3人のフォークグループNSPがメジャー化していったと記憶しています。今に続く音楽の出発点がここにあったのですね。

 この番組で「なごり雪」を聞き、そこからイルカさんの曲を聞き、「なごり雪」が伊勢正三さんの曲と知って「かぐや姫」の曲を聞き、やがてフォークソングやニューミュージック全般へと幅が広がる中で、ビートルズの曲につながっていったように思います。

 後に知るのが、歌い手が詞も曲も創作するスタイルはビートルズが草分けだったということでした。日本のニューミュージックにつながるシーンの出発点がビートルズにあったということなのでしょうね。

 そのビートルズで最も好きな曲は「イエスタディー」でしょうか。

 なぜ彼女が離れていったのか分からない、どこかに隠れてしまいたい、という失恋の心の痛みを歌った曲。アコスティックギターに重なるバイオリンがのシンプルなサウンドが歌を飾り付けます。歌詞の意味が良く分かっていなかったと思うのですが、サウンドから切ない心の痛みを伝わるようで、当時の心情にぴったり来たのでしょうね。

 そのほかに「Let It Be」、「Norwegian Wood」など好きな曲はいろいろありますが、書きながら聞いてみたくなってきました。明日から車上ではビートルズの人になってみようと思います。

 そのビートルズで唯一購入したLPレコードは「Let It Be」でした。



 このLPがビートルズ最後と知ったのは後のこと。しかもこれに納められた曲は、ビートルズメンバーの意に反して、全体として回転を落としてスローテンポに編集されたと何かで読みました。

 このうちの一曲「The Long And Winding Road」を後にポール・マッカトニーの曲で聞いたことがありますが、とてもアップテンポで明るい感じの曲に仕上がっていました。

 LPの曲の感じも悪くないし、これはこれで好きなのですが、オリジナルの曲調のLPではどんなことを伝えたかったのか、聞いてみたいような
気がしてなりません。

 今はもう夢にすぎないのかもしれませんけれど・・。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿