2月定例会の市議会報告を編集してきましたが、各議員の原稿の提出も受けて編集を完了し、印刷に回しました。
4月7日の福島民報、福島民友に折り込む予定です。
以下が、紙面と記事です。
市議会2月定例会
いわき市議会2月定例会は2月21日から3月14日まで開かれ、市長提案の議案118件を可決、人権擁護委員の推薦に関する諮問案1件に同意、また市議会提出の意見書6件、継続審議になっていた市民提出の災害公営住宅の家賃に関する請願を採択しました。
市議団は、消費税増税関連や下水道値上げに関連する議案など43件に反対しました。
代表質問には、渡辺博之、一般質問に溝口民子、坂本康一、質疑に溝口、渡辺、伊藤浩之、討論には伊藤の各議員が立ち、意見書のうち「妊婦が安心できる医療提供体制の充実と健康管理の推進を求める意見書(案)」の提案説明に、坂本議員が立ちました。
定例会の質問等について、お知らせします。
10月から消費税増税
2月定例会には、安倍政権が10月から消費税を10%に引き上げると決めていることを踏まえ、市の公共料金の消費税を引き上げる関連条例案64件と引き上げ分の歳入を含む関連予算案が提出されました。これらに賛成した会派は、「租税法定主義」すなわち国が決めたから仕方がないなどとしましたが、市議団は次のように指摘しました。
市議団は、消費税関連議案すべてに反対する姿勢はとらず、下記の基準で議案を個別に審査し、賛否を明確にすることにしました。
反対するにあたっては、①消費税には所得が低いほど負担が重くなる逆進性があり税制民主主義に反すること、②社会保障や年金のためと説明しながら、これらに予算が十分回らないため介護保険など新たに国民負担が求められてきたこと、③消費税導入から2018年度までの消費税の税収は累計で372兆円に対し法人税など法人3税で291兆円が減税され事実上の輸出大企業等の減税財源とされていることなど、そもそもの問題点を指摘しました。
その上で、市の一般財源に収納されるものは事実上の公共料金の引き上げとなり、1,260万円(納税が必要な分も含む)の新たな市民負担が増えることになることから、他会派議員に反対するよう呼びかけました。
法律で決まっていますが・・
■指定管理者等の委託事業者が利用料等を収納し、そこから消費税を納入する必要がある場合は、納税財源確保の観点から消費税引き上げもやむをえない。
■水道、病院、下水道等の企業会計及び卸売市場特別会計は消費税を納入する必要があるため、財源確保の観点から消費税引き上げもやむをえない。
■使用料等の消費税は、一般会計に収納され、納税する必要がなく、事実上の公共料金値上げとなるため、消費税の引き上げをするべきではない。
対策になるのでしょうか
キャッシュレス決裁ポイント還元
クレジットカードは年収が高ければ利用度が高いものの、低所得者は低く、消費を促す効果に疑問があります。また、民間団体の2017年版「日本のクレジット統計」によると、福島県のクレジット契約率は全都道府県の下から10番目。ポイント還元の本市の消費促進効果は小さいようです。
軽減税率は税率据置にすぎない
消費税を10%にするにあたってお酒等を除く食料品に軽減税率が導入されますが、現行税率に据え置くにすぎず、所得が少ない方々への暮らし支援にはなりません。一方、増税を前にしたこの3月から6月にかけ、乳製品等の値上げが予定されています。暮らしの負担が逆に増えていきます。
プレミアム付商品券――詳細はこれから
消費税増税に伴う景気対策として実施されるプレミアム付商品券は、最大25,000円分の券を2万円で購入することができ、今年10月から、取り扱う店舗やサービスに利用することができます。
購入できるのは次の方。
①来年度の市民税が非課税となる方のうち、市民税が課税されている方と生計を同じくする配偶者や扶養親族、または生活保護世帯を除く方。
②今年6月1日時点の住民のうち、2016(平成28)年4月2日から今年6月1日までに生まれた子がいる世帯の世帯主。
券の販売方法など詳細は今後検討されますので、市からのお知らせにご注意ください。
子ども子育て支援事業計画
貧困含む状況つかみ策定を
問 秋田市は、「秋田市子どもの未来応援計画~子どもの貧困対策~」の2016年の策定にあたりにアンケート調査を実施した。その結果、国が示す貧困線122万円を下回る所得水準の世帯の子どもの割合は6.4%であり、ひとり親世帯は3人に1人が貧困で厳しい状況が判明し、全庁で共有し取り組みを強めた。市の担当者は「実態把握無くして計画なし」と語った。本市も「子どもの貧困をなくそう」の本気度が問われる。実態把握に力を入れるべき。
答 貧困対策は経済的のみならず、家庭環境などの幅広い視点を持ち、庁内連絡会議を通して貧困対策に取り組みます。
介護人材確保
市独自のさらなる支援を
問 介護人材は全国的に不足が続き、2015年の「介護人材確保に関わるアンケート」では、人材不足と感じている事業者は62%、また、将来的に人材不足になると感じている事業者は70%にもなっている。働いている方は「仕事内容の割に賃金が低い」との声が多い。国・県の支援は不十分であり本市独自のさらなる支援をすべき。
答 全国的な問題であり、東北市長会などを介して国へ要望しており、県及び事業者と連携を図りながら介護人材確保に努めます。
人口減少対策ーー子育て支援を強め、生活守れ
問 地域社会の維持が困難になるほど、少子・高齢化・人口減少が急速に進むとされている。市は「教育にあまりお金がかからないようにする」などの若い世代の希望を実現して出生率を上昇させる計画をしている。国が実施する幼児教育無償化制度では、住民税課税世帯は3歳児未満で無償にならない。市独自に安くすべきでは。
答 国の方針で行います。
問 学校給食費を無償化しては。
答 無償化は困難と考えます。
問 施設の維持経費を小さくするために市街地をコンパクトにすることが計画されている。しかし、周辺地域から商業、医療、福祉等がなくなれば住みにくくなる。残すべきでは。
答 周辺地域の要望を踏まえ持続可能なまちづくりにあらゆる施策を考えていきます。
善意に反する入隊者激励会
一般会計の当初予算に、自衛隊の新入隊者の激励会経費が含まれています。
憲法違反とされる集団的自衛権に基づく安保法制で、海外での軍事作戦を前提にするようになった自衛隊入隊の激励会は、「市民や国の役に立ちたい」という入隊者の善意と使命感に反するので問題です。
代表質問ーー渡辺博之
災害公営住宅家賃のさらなる引きさげを
問 市復興ビジョンには「被災した市民一人ひとりに寄り添い、住まいと暮らしの再建や安定に向けた総合的な取り組みを進めます」と書いてある。
収入が基準を超える世帯での家賃の値上げは、制度の変更により1月にある程度抑制されることになったが、それでも割増家賃となり3LDKでは月10万円程になっていく。ある方は、「値上げが抑制されても、これほど高くなれば住み続けることはできない。いわき市は物価も高いので出ていこうと思う」と話している。一方、相馬市では割増家賃にしないという。収入が基準を超えている被災者の家賃をさらに減額すべきでは。
答 一般の市営住宅の入居者との公平性を確保する必要があることから、さらに減免制度を拡充することは困難と考えます。
外国人労働者も住みやすいまちづくりを
問 外国人労働者に対して、人権や労働法制が守られていないことなどがあるが、現状を正さないまま、昨年の臨時国会で出入国管理法が改定された。
一方、市内の製造業などは人手不足で外国人労働者に頼らざるを得ない状況もあり、本市では2018年10月の人数は1,255人と3年間で1.8倍に増えており、今後は急増が予想される。外国人労働者の人権を守り、市民のよき隣人として付き合っていくことが必要。外国人労働者が抱える課題への取り組みは。
答 事業所への支援や外国人労働者の生活面への支援のあり方について、庁内関係部署と共に検討したいと考えます。
一般質問ーー溝口民子
特養ホーム整備に本市独自の支援を
「第8次いわき市高齢者保健福祉計画」によれば、2017年の高齢者数は47,653人で、高齢化率は29.2%です。介護認定者数は19,828人となっており、2018年には2万人を超えると推計されています。特別養護老人ホームは介護認定が要介護3以上の方が入所可能で定員は30名以上です。「終の棲家(すみか)」として過ごされる方が多く数ヶ月以上入所をまっている状況です。同じく、定員が29名以下で地域の住民を対象にした地域密着型の施設も整備されています。
問 第8次市高齢者保健福祉計画策定時点の施設入所希望者数は。
答 794人ですが、1年以内に入所が必要であると施設が判断した方は231人となっております。
問 同じく特別養護老人ホームの整備目標は。
答 入所定員30人以上の広域型特養ホームが60床、入所定員29人以下の地域密着型特養ホームが58床となっています。
問 施設整備の公募に対する申し込み状況は。
答 広域型特別養護老人ホームが6事業者から計45床分、地域密着型が2事業者から計58床分となっています。
問 特養ホームの新規整備希望者が少ない原因の一つとして建設費用等の高騰があると考える。本市独自の建設補助をすべき。
答 平成31年度から建設工事の労務費等の高騰を踏まえ補助単価が引き上げられます。また併設するショートステイ床が新たに補助対象として含まれることから、高騰する建設費用の対応は一定程度図られるものと考えます。
一般質問ーー坂本康一
無料低額診療の認知度を高める周知を
問 生計困難な方が、必要な医療を安心して受ける機会が制限されることのないよう、無料低額診療事業を十分周知することが大切だが、市民への周知は。
答 市ホームページへの掲載と、地区保健福祉センターや生活・就労支援センターなどの市民相談窓口に情報提供したほか、実施医療機関自らも周知を行うよう指導しています。
問 必要となる方に広報を行うべきでは。
答 実施法人によって、無料低額等の基準が様々ですので、誰に案内して良いかという課題があり、個別の周知は慎重に考えたいと思います。
■調剤費も無料低額に
問 無料低額診療の薬代は補助対象外だが、補助をすべきでは。
答 本市では、実施医療機関が院内処方で、事業開始から間もないため、今後の利用実績や需要を見極めていく考えです。
問 薬代の補助の必要性についての認識は。
答 薬代を負担できない方については、医療ソーシャルワーカー等から公的支援につなげる相談を充実させることで、支援できる方々を増やしていきたいと考えます。
免許証を返納した高齢者の支援充実を
市は、免許証の自主返納事業は「申請者の約6割が満足している一方『移動手段がなくなることへの不安』などの声」があると答弁します。交通不安を払拭し、安心して暮らすことができるよう検討を求めました。
2月定例会主な議案と予算
2018年度2月補正予算
■小・中学校空調設備設置事業費
11月定例会で設計費等が可決されており、今回は工事費等として約62億2,000万円が計上されました。全額2019年度に繰り越され、実際の工事は同年度から始まります。
■小・中学校ブロック塀対策事業費
小・中学校敷地内のブロック塀の撤去やフェンスの設置により、児童等の安全確保をはかります。
2019年度一般会計予算・補正予算
定例会には、2019年度一般会計の当初予算約1,363億円2,116万円に加え、約3億3,527万円の第1次補正予算案が提案され、予算規模は総額約1,366億円となりました。主な事業は次の通り。
■子育て短期支援事業
保護者の疾病等で、家庭での養育が一時的に困難となった児童を、夜間や一定期間の宿泊をともない預かる事業。予算額約128万円。
■スポーツを軸とした地域創生推 進事業
スポーツの大会や合宿誘致や将来的なスタジアムを中心としたまちづくりに向けた調査・研究を進める等の事業。予算額約7,754万円。
■海水浴安全対策事業
海水浴場の開設と安全対策等を行う。勿来、薄磯、四倉に続き、本年度新たに久之浜・波立で開設する。予算額約4,871万円。
■動物愛護センター整備事業
保護管理部門と愛護啓発部門の一体的整備を求める請願が前議会に採択されたことを受け、施設の検討を行うために整備検討市民委員会を設置し検討するためなどの費用。予算額約230万円。
残業100時間まで認めて働き方改革になるのか
国に合わせ、2019年度から市の超過勤務命令の上限を定める条例改正案が出されました。条例には具体的な上限時間はありません。しかし、国は、国会や国際関係等相手の関係で業務時間が左右される部署は、1カ月100時間、年間720時間を上限とする等としており、市はこれを参考に上限時間を改正するとしました。
1か月間におおむね100時間の残業は過労死の判定基準とされており、国上限はあまりに高すぎます。政策総務常任委員会では、上限を低くするよう求めました。
議会としても東電賠償を要求すべきの意見
震災直後に清掃センターで焼却した灰は放射線量が高いため当面フレコンバックで保管していますが、劣化するフレコンバックを交換する経費が2月補正予算に計上されました。
8,000ベクレル以上の物は国の指定廃棄物となっており経費は国庫負担ですが、それ以下は東電が賠償に応じないために市費になっています。
市民福祉常任委員会の審査の中で、議会としても東電に賠償を求めるべきという議論がありました。
※前回保留分のうち、公明党提出の「商業捕鯨再開を求める意見書(案)」について
市議団は、意見書案文に「IWC締約国としての立場の根本的な見直し」「あらゆるオプションを精査」などの政府のコメントの引用がありつつも、政府への要望項目としては「IWC締約国としての我が国の立場を示すこと」とされていることから、あくまでIWC加盟国の立場からこの問題に取り組むことを求める内容と判断し、先の11月定例会では○としましたが、1会派の△で継続審査となっていました。
去る12月26日、政府はIWCからの脱退を閣議決定し、日本の領海と排他的経済水域(EEZ)内に限定した商業捕鯨を今年7月から開始することを明らかにしています。
市議団としては、IWC内で捕鯨に反対する国々を十分説得をしながら、その枠組みの中での捕鯨をめざすべきとの立場から対応を再検討し、状況の変化により政府の脱退の閣議決定を後押しすことになってしまった意見書案には✕とすることにしました。
4月7日の福島民報、福島民友に折り込む予定です。
以下が、紙面と記事です。
市議会2月定例会
いわき市議会2月定例会は2月21日から3月14日まで開かれ、市長提案の議案118件を可決、人権擁護委員の推薦に関する諮問案1件に同意、また市議会提出の意見書6件、継続審議になっていた市民提出の災害公営住宅の家賃に関する請願を採択しました。
市議団は、消費税増税関連や下水道値上げに関連する議案など43件に反対しました。
代表質問には、渡辺博之、一般質問に溝口民子、坂本康一、質疑に溝口、渡辺、伊藤浩之、討論には伊藤の各議員が立ち、意見書のうち「妊婦が安心できる医療提供体制の充実と健康管理の推進を求める意見書(案)」の提案説明に、坂本議員が立ちました。
定例会の質問等について、お知らせします。
10月から消費税増税
納税の必要がない使用料の消費税引き上げで事実上の公共料金値上げ
市議団は値上げするべきでないと主張しました
市議団は値上げするべきでないと主張しました
2月定例会には、安倍政権が10月から消費税を10%に引き上げると決めていることを踏まえ、市の公共料金の消費税を引き上げる関連条例案64件と引き上げ分の歳入を含む関連予算案が提出されました。これらに賛成した会派は、「租税法定主義」すなわち国が決めたから仕方がないなどとしましたが、市議団は次のように指摘しました。
市議団は、消費税関連議案すべてに反対する姿勢はとらず、下記の基準で議案を個別に審査し、賛否を明確にすることにしました。
反対するにあたっては、①消費税には所得が低いほど負担が重くなる逆進性があり税制民主主義に反すること、②社会保障や年金のためと説明しながら、これらに予算が十分回らないため介護保険など新たに国民負担が求められてきたこと、③消費税導入から2018年度までの消費税の税収は累計で372兆円に対し法人税など法人3税で291兆円が減税され事実上の輸出大企業等の減税財源とされていることなど、そもそもの問題点を指摘しました。
その上で、市の一般財源に収納されるものは事実上の公共料金の引き上げとなり、1,260万円(納税が必要な分も含む)の新たな市民負担が増えることになることから、他会派議員に反対するよう呼びかけました。
法律で決まっていますが・・
■指定管理者等の委託事業者が利用料等を収納し、そこから消費税を納入する必要がある場合は、納税財源確保の観点から消費税引き上げもやむをえない。
■水道、病院、下水道等の企業会計及び卸売市場特別会計は消費税を納入する必要があるため、財源確保の観点から消費税引き上げもやむをえない。
■使用料等の消費税は、一般会計に収納され、納税する必要がなく、事実上の公共料金値上げとなるため、消費税の引き上げをするべきではない。
対策になるのでしょうか
キャッシュレス決裁ポイント還元
クレジットカードは年収が高ければ利用度が高いものの、低所得者は低く、消費を促す効果に疑問があります。また、民間団体の2017年版「日本のクレジット統計」によると、福島県のクレジット契約率は全都道府県の下から10番目。ポイント還元の本市の消費促進効果は小さいようです。
軽減税率は税率据置にすぎない
消費税を10%にするにあたってお酒等を除く食料品に軽減税率が導入されますが、現行税率に据え置くにすぎず、所得が少ない方々への暮らし支援にはなりません。一方、増税を前にしたこの3月から6月にかけ、乳製品等の値上げが予定されています。暮らしの負担が逆に増えていきます。
プレミアム付商品券――詳細はこれから
消費税増税に伴う景気対策として実施されるプレミアム付商品券は、最大25,000円分の券を2万円で購入することができ、今年10月から、取り扱う店舗やサービスに利用することができます。
購入できるのは次の方。
①来年度の市民税が非課税となる方のうち、市民税が課税されている方と生計を同じくする配偶者や扶養親族、または生活保護世帯を除く方。
②今年6月1日時点の住民のうち、2016(平成28)年4月2日から今年6月1日までに生まれた子がいる世帯の世帯主。
券の販売方法など詳細は今後検討されますので、市からのお知らせにご注意ください。
子ども子育て支援事業計画
貧困含む状況つかみ策定を
問 秋田市は、「秋田市子どもの未来応援計画~子どもの貧困対策~」の2016年の策定にあたりにアンケート調査を実施した。その結果、国が示す貧困線122万円を下回る所得水準の世帯の子どもの割合は6.4%であり、ひとり親世帯は3人に1人が貧困で厳しい状況が判明し、全庁で共有し取り組みを強めた。市の担当者は「実態把握無くして計画なし」と語った。本市も「子どもの貧困をなくそう」の本気度が問われる。実態把握に力を入れるべき。
答 貧困対策は経済的のみならず、家庭環境などの幅広い視点を持ち、庁内連絡会議を通して貧困対策に取り組みます。
介護人材確保
市独自のさらなる支援を
問 介護人材は全国的に不足が続き、2015年の「介護人材確保に関わるアンケート」では、人材不足と感じている事業者は62%、また、将来的に人材不足になると感じている事業者は70%にもなっている。働いている方は「仕事内容の割に賃金が低い」との声が多い。国・県の支援は不十分であり本市独自のさらなる支援をすべき。
答 全国的な問題であり、東北市長会などを介して国へ要望しており、県及び事業者と連携を図りながら介護人材確保に努めます。
人口減少対策ーー子育て支援を強め、生活守れ
問 地域社会の維持が困難になるほど、少子・高齢化・人口減少が急速に進むとされている。市は「教育にあまりお金がかからないようにする」などの若い世代の希望を実現して出生率を上昇させる計画をしている。国が実施する幼児教育無償化制度では、住民税課税世帯は3歳児未満で無償にならない。市独自に安くすべきでは。
答 国の方針で行います。
問 学校給食費を無償化しては。
答 無償化は困難と考えます。
問 施設の維持経費を小さくするために市街地をコンパクトにすることが計画されている。しかし、周辺地域から商業、医療、福祉等がなくなれば住みにくくなる。残すべきでは。
答 周辺地域の要望を踏まえ持続可能なまちづくりにあらゆる施策を考えていきます。
善意に反する入隊者激励会
一般会計の当初予算に、自衛隊の新入隊者の激励会経費が含まれています。
憲法違反とされる集団的自衛権に基づく安保法制で、海外での軍事作戦を前提にするようになった自衛隊入隊の激励会は、「市民や国の役に立ちたい」という入隊者の善意と使命感に反するので問題です。
代表質問ーー渡辺博之
災害公営住宅家賃のさらなる引きさげを
問 市復興ビジョンには「被災した市民一人ひとりに寄り添い、住まいと暮らしの再建や安定に向けた総合的な取り組みを進めます」と書いてある。
収入が基準を超える世帯での家賃の値上げは、制度の変更により1月にある程度抑制されることになったが、それでも割増家賃となり3LDKでは月10万円程になっていく。ある方は、「値上げが抑制されても、これほど高くなれば住み続けることはできない。いわき市は物価も高いので出ていこうと思う」と話している。一方、相馬市では割増家賃にしないという。収入が基準を超えている被災者の家賃をさらに減額すべきでは。
答 一般の市営住宅の入居者との公平性を確保する必要があることから、さらに減免制度を拡充することは困難と考えます。
外国人労働者も住みやすいまちづくりを
問 外国人労働者に対して、人権や労働法制が守られていないことなどがあるが、現状を正さないまま、昨年の臨時国会で出入国管理法が改定された。
一方、市内の製造業などは人手不足で外国人労働者に頼らざるを得ない状況もあり、本市では2018年10月の人数は1,255人と3年間で1.8倍に増えており、今後は急増が予想される。外国人労働者の人権を守り、市民のよき隣人として付き合っていくことが必要。外国人労働者が抱える課題への取り組みは。
答 事業所への支援や外国人労働者の生活面への支援のあり方について、庁内関係部署と共に検討したいと考えます。
一般質問ーー溝口民子
特養ホーム整備に本市独自の支援を
「第8次いわき市高齢者保健福祉計画」によれば、2017年の高齢者数は47,653人で、高齢化率は29.2%です。介護認定者数は19,828人となっており、2018年には2万人を超えると推計されています。特別養護老人ホームは介護認定が要介護3以上の方が入所可能で定員は30名以上です。「終の棲家(すみか)」として過ごされる方が多く数ヶ月以上入所をまっている状況です。同じく、定員が29名以下で地域の住民を対象にした地域密着型の施設も整備されています。
問 第8次市高齢者保健福祉計画策定時点の施設入所希望者数は。
答 794人ですが、1年以内に入所が必要であると施設が判断した方は231人となっております。
問 同じく特別養護老人ホームの整備目標は。
答 入所定員30人以上の広域型特養ホームが60床、入所定員29人以下の地域密着型特養ホームが58床となっています。
問 施設整備の公募に対する申し込み状況は。
答 広域型特別養護老人ホームが6事業者から計45床分、地域密着型が2事業者から計58床分となっています。
問 特養ホームの新規整備希望者が少ない原因の一つとして建設費用等の高騰があると考える。本市独自の建設補助をすべき。
答 平成31年度から建設工事の労務費等の高騰を踏まえ補助単価が引き上げられます。また併設するショートステイ床が新たに補助対象として含まれることから、高騰する建設費用の対応は一定程度図られるものと考えます。
一般質問ーー坂本康一
無料低額診療の認知度を高める周知を
問 生計困難な方が、必要な医療を安心して受ける機会が制限されることのないよう、無料低額診療事業を十分周知することが大切だが、市民への周知は。
答 市ホームページへの掲載と、地区保健福祉センターや生活・就労支援センターなどの市民相談窓口に情報提供したほか、実施医療機関自らも周知を行うよう指導しています。
問 必要となる方に広報を行うべきでは。
答 実施法人によって、無料低額等の基準が様々ですので、誰に案内して良いかという課題があり、個別の周知は慎重に考えたいと思います。
■調剤費も無料低額に
問 無料低額診療の薬代は補助対象外だが、補助をすべきでは。
答 本市では、実施医療機関が院内処方で、事業開始から間もないため、今後の利用実績や需要を見極めていく考えです。
問 薬代の補助の必要性についての認識は。
答 薬代を負担できない方については、医療ソーシャルワーカー等から公的支援につなげる相談を充実させることで、支援できる方々を増やしていきたいと考えます。
免許証を返納した高齢者の支援充実を
市は、免許証の自主返納事業は「申請者の約6割が満足している一方『移動手段がなくなることへの不安』などの声」があると答弁します。交通不安を払拭し、安心して暮らすことができるよう検討を求めました。
2月定例会主な議案と予算
2018年度2月補正予算
■小・中学校空調設備設置事業費
11月定例会で設計費等が可決されており、今回は工事費等として約62億2,000万円が計上されました。全額2019年度に繰り越され、実際の工事は同年度から始まります。
■小・中学校ブロック塀対策事業費
小・中学校敷地内のブロック塀の撤去やフェンスの設置により、児童等の安全確保をはかります。
2019年度一般会計予算・補正予算
定例会には、2019年度一般会計の当初予算約1,363億円2,116万円に加え、約3億3,527万円の第1次補正予算案が提案され、予算規模は総額約1,366億円となりました。主な事業は次の通り。
■子育て短期支援事業
保護者の疾病等で、家庭での養育が一時的に困難となった児童を、夜間や一定期間の宿泊をともない預かる事業。予算額約128万円。
■スポーツを軸とした地域創生推 進事業
スポーツの大会や合宿誘致や将来的なスタジアムを中心としたまちづくりに向けた調査・研究を進める等の事業。予算額約7,754万円。
■海水浴安全対策事業
海水浴場の開設と安全対策等を行う。勿来、薄磯、四倉に続き、本年度新たに久之浜・波立で開設する。予算額約4,871万円。
■動物愛護センター整備事業
保護管理部門と愛護啓発部門の一体的整備を求める請願が前議会に採択されたことを受け、施設の検討を行うために整備検討市民委員会を設置し検討するためなどの費用。予算額約230万円。
残業100時間まで認めて働き方改革になるのか
国に合わせ、2019年度から市の超過勤務命令の上限を定める条例改正案が出されました。条例には具体的な上限時間はありません。しかし、国は、国会や国際関係等相手の関係で業務時間が左右される部署は、1カ月100時間、年間720時間を上限とする等としており、市はこれを参考に上限時間を改正するとしました。
1か月間におおむね100時間の残業は過労死の判定基準とされており、国上限はあまりに高すぎます。政策総務常任委員会では、上限を低くするよう求めました。
議会としても東電賠償を要求すべきの意見
震災直後に清掃センターで焼却した灰は放射線量が高いため当面フレコンバックで保管していますが、劣化するフレコンバックを交換する経費が2月補正予算に計上されました。
8,000ベクレル以上の物は国の指定廃棄物となっており経費は国庫負担ですが、それ以下は東電が賠償に応じないために市費になっています。
市民福祉常任委員会の審査の中で、議会としても東電に賠償を求めるべきという議論がありました。
※前回保留分のうち、公明党提出の「商業捕鯨再開を求める意見書(案)」について
市議団は、意見書案文に「IWC締約国としての立場の根本的な見直し」「あらゆるオプションを精査」などの政府のコメントの引用がありつつも、政府への要望項目としては「IWC締約国としての我が国の立場を示すこと」とされていることから、あくまでIWC加盟国の立場からこの問題に取り組むことを求める内容と判断し、先の11月定例会では○としましたが、1会派の△で継続審査となっていました。
去る12月26日、政府はIWCからの脱退を閣議決定し、日本の領海と排他的経済水域(EEZ)内に限定した商業捕鯨を今年7月から開始することを明らかにしています。
市議団としては、IWC内で捕鯨に反対する国々を十分説得をしながら、その枠組みの中での捕鯨をめざすべきとの立場から対応を再検討し、状況の変化により政府の脱退の閣議決定を後押しすことになってしまった意見書案には✕とすることにしました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます