伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

共同の展望

2013年05月28日 | 活動報告
 昨日は入遠野で、今日は植田公民館で、議会報告会をかねた「つどい」が開かれました。

 きのうのつどいで心残りは、「金融緩和なのに、なぜ住宅ローンの金利が上がるのですか」という質問に答えられなかったこと。あらためて調べました。やっと理由が分かりました。

 住宅ローンの金利は国債に連動しているのだそうで、その国債の金利が上がったことが原因だというのです。国債の金利が上がった理由は、株高がすすんでいるもとではより有利な株に投機資金が集まってしまうので、国債の取引を増やすために利子を上げて国債に資金を誘導しようとすることにあるのだというのです。

 もっとちゃんと勉強していれば答えられたのに。不勉強に恥じ入るばかりです。

 きょうの植田公民館では、改憲問題で発言してくれた方がありました。事前の報告で、改憲の発議要件を変える憲法96条の改憲を自民党・安倍政権が狙っており、その先に「国防軍」を持つ憲法に変え、徴兵制や有事の際の人権の抑制などを実施でき改憲を実施しようというのが自民党の狙い――おおまかこういう説明をしていました。

 これに対し、「自分の力で国を守るのは当たり前。何かあったらアメリカが守ってくれるはずがない。その点では考えが違うな」と発言してくださる方がいました。

 なるほどです。私は、「現在の憲法のもとでも自衛隊が存在しています。自衛隊に対しては様々議論があるわけですが、自民党は攻められたときの自衛の手段が必要、専守防衛だと言って、自衛隊を増強してきました。自民党自身の考えでは、自衛という意味では現在の憲法でも武装した自衛隊を持てるのです。それなのに改憲をして『国防軍』を憲法に明記しようするのは、攻め込まれたら守るということにとどめず、攻め込まれる前に外国に出て行って相手をたたくことができるようにしたい、という願望をもっているからです。こうしたことを許すのかどうかということが問われていると思います」と答えました。

 答えながら改めて思いました。安倍内閣が狙う改憲は、自衛隊に賛成の方でも、反対の方でも、海外で戦争をする日本を再び作らせないという一点で共同できるんだな、ということを。改憲を許さないという世論を広げなければと、あらためて思います。

 また昨日、福島県漁業組合連合会を日本共産党福島県委員会委員長や県議といっしょに訪ね、お話を聞いてきたことも報告しておきます。

 東電福島第一原子力発電所の汚染水増加の原因になっている地下水を、事故原子炉の手前で汲み出すために井戸が掘られていますが、この井戸から汲み出した地下水をどうするかが問題になっています。

 東京電力はこれまで関係省庁をはじめ地元漁業者のみなさんの了解なしに、海洋放流することはないと言っていました。しかし東京電力の判断で良いのかが問われます。この間でも、地下貯水槽からの汚染水漏れ、停電事故など、収束作業の中で様々な事故が発生してきました。こうしたことを踏まえるならば原発事故の収束作業そのものを東京電力任せにするのではなく、国が責任をもってすすめることが求められています。

 懇談の中では、事故収束作業も、地下水の問題も、国が責任をもってすすめる必要があるという点で意見は一致しました。実際、この地下水問題で漁協に対する説明会が開かれるそうですが、この場には規制庁も参加することになっていると県漁連から説明がありました。「初めてのこと」だということで、国に責任を果たさせる方向で現実の動きがあることも報告されました。

 鮫川村の仮設焼却炉の問題でも、国の対応の問題がありましたが、全体として国が責任を果たすという点が不十分な点に、原発事故収束作業の遅れが作り出されている状況です。もっと国は前面に出てこい。この声を大きくしなければ…。

          ◆

 ツイッターで画像を流したら、このキノコは「マツオウジ」という名前であることを教えてくださる返信がありました。はじめに気づいてから3日、傘が開いていたので改めて写真を撮りました。このキノコは食べられるそうですが、繊維質が強くてお腹を下すことがあるとか。その心配の前に松の切り株に生えていますから、セシウムの移行が気にかかります。山の実りを素直に喜べない原因を作った原発事故。この事故は偶然ではなく、問題を指摘しながら対策をとらなかった東電や国による人災。その反省が見いだせないことに苛立ちますね。

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