紙漉きのためには、楮の白皮を極細い糸状の繊維とするための作業が必要となる。白皮は全シーズンのボランティア等の作業で作っているので、その先=水洗い→煮熟(炭酸ソーダを加えて皮を煮る作業)→塵取り→打解→ビーター(繊維をほぐす機械)にかけるという作業が必要となる。
今回の準備では、地域おこし協力隊が塵取りまでの作業をした皮があったので、30日に打解、31日にビーターにかけて繊維を準備していた。煮塾からの作業だと時間もかかるが、それほど時間をかけることがなかったのは幸いだ。
入小の紙漉き体験は、5年生、6年生の総合学習の「故郷を知る」(というテーマだったと思う)で依頼されたもの。最初、紙の歴史を10分程話した後、紙漉きの準備から体験に入った。
漉き舟代わりの桶に水を張り、楮とネリ(トロロアオイの根から抽出した粘性の液体)を入れ、攪拌して紙料を作った。児童には、楮の繊維やネリにも触って質感を確かめてもらった後、ハガキ大の紙漉き体験を始めた。
ハガキ大の簀桁に紙料をくみ取った後に多少縦横に揺すり、水が簀から垂れ落ち少なくなったら揺すりを止め、水が切れた紙料が残るのを待ち、また紙料をくみ上げて動揺の作業を繰り返し厚みを作る。ため漉き(もともとのため漉きはネリを使わず揺すりも入れないようで、今回のような漉き方を「半流し漉き」とも呼ぶよう)と呼ばれる漉き方だ。
学校の授業なので使える時間は限られている。今回は85分。こちらの目論見としては、5年生と6年生の計23人が2枚ずつの紙漉きが十分出来る時間とみていた。ところが現実はこの思惑を打ち砕いた。
5年、6年となると、漉き方実演の見よう見まねで漉くことができるのだが、援助は必要になる。そのため目論見以上に時間がかかり、1人1枚の紙を漉き上げる時間しかなかった。
1枚と2枚では、たぶん技能を身につける上での経験値では大きな違いがでる。1枚目で形をなぞり、2枚目でその形を咀嚼して記憶する。そんなことが起こるように思う。1人1枚しか出来なかったことは非常に残念だった。
それにしても児童達には助けられた。脱水作業や洗い物など、率先して手伝いをしてくれたのだ。手伝ってくれた子ども達に感謝するとともに、次の機会があるならば、今回の教訓を活かして紙漉き体験を実施したいと思う。
建築士の会のイベントは「ケンチクあそびの日」というもの。会場には構造力学を学んだり、木を切る、イスを組み立てる、ペイントをするなどのコーナーが設けられ、その一角に紙漉き体験コーナーを設置した。
会場を訪れた親子連れなど30人ほどのみなさんが、ハガキ大の紙漉きを体験した。
こちらは午前10時から午後3時までの5時間も時間がある。しかもスタッフは4人。昨日の授業と違って、余裕を持って取り組める。
2つの漉き舟を用意してお客さんを待ち、2回ずつ紙漉きをしてもらった。その多くは子ども達で、1回目に紙漉きの手順の説明をし、手を添えて紙料をくみ上げ紙を漉き上げていった。
失敗するケースは簀桁の裏面を水面に押しつける形になって紙にシワがよる。簀桁と紙の間に水が入り込んで簀の上の繊維が浮き上がるためにできる。うまく漉くためには、繊維を乗せる面に常に水の圧力がかかるようにすることが必要だ。失敗をした体験者にはそのことを伝えながら、いっしょに紙料をくみ上げた。
そうすると2回目にはだいたい紙料をうまくくみ上げることができた。
上手に漉き上げることが出来た紙は、掃除機を利用した脱水機にかけ、自宅で窓に貼り付けて乾燥するようにお願いし、持ち帰ってもらった。うまくできただろうか。
紙漉き体験をした2日間は、けっこう忙しい時間を過ごした。子ども達が喜んで紙漉きに取り組む姿に接する時間をともにすることが出来たことは、何よりも得がたい体験だった。この子ども達に、将来、何かの時に紙漉きの体験を思い出して興味を持ってもらえれば幸いだ。
今回の準備では、地域おこし協力隊が塵取りまでの作業をした皮があったので、30日に打解、31日にビーターにかけて繊維を準備していた。煮塾からの作業だと時間もかかるが、それほど時間をかけることがなかったのは幸いだ。
入小の紙漉き体験は、5年生、6年生の総合学習の「故郷を知る」(というテーマだったと思う)で依頼されたもの。最初、紙の歴史を10分程話した後、紙漉きの準備から体験に入った。
漉き舟代わりの桶に水を張り、楮とネリ(トロロアオイの根から抽出した粘性の液体)を入れ、攪拌して紙料を作った。児童には、楮の繊維やネリにも触って質感を確かめてもらった後、ハガキ大の紙漉き体験を始めた。
ハガキ大の簀桁に紙料をくみ取った後に多少縦横に揺すり、水が簀から垂れ落ち少なくなったら揺すりを止め、水が切れた紙料が残るのを待ち、また紙料をくみ上げて動揺の作業を繰り返し厚みを作る。ため漉き(もともとのため漉きはネリを使わず揺すりも入れないようで、今回のような漉き方を「半流し漉き」とも呼ぶよう)と呼ばれる漉き方だ。
学校の授業なので使える時間は限られている。今回は85分。こちらの目論見としては、5年生と6年生の計23人が2枚ずつの紙漉きが十分出来る時間とみていた。ところが現実はこの思惑を打ち砕いた。
5年、6年となると、漉き方実演の見よう見まねで漉くことができるのだが、援助は必要になる。そのため目論見以上に時間がかかり、1人1枚の紙を漉き上げる時間しかなかった。
1枚と2枚では、たぶん技能を身につける上での経験値では大きな違いがでる。1枚目で形をなぞり、2枚目でその形を咀嚼して記憶する。そんなことが起こるように思う。1人1枚しか出来なかったことは非常に残念だった。
それにしても児童達には助けられた。脱水作業や洗い物など、率先して手伝いをしてくれたのだ。手伝ってくれた子ども達に感謝するとともに、次の機会があるならば、今回の教訓を活かして紙漉き体験を実施したいと思う。
建築士の会のイベントは「ケンチクあそびの日」というもの。会場には構造力学を学んだり、木を切る、イスを組み立てる、ペイントをするなどのコーナーが設けられ、その一角に紙漉き体験コーナーを設置した。
会場を訪れた親子連れなど30人ほどのみなさんが、ハガキ大の紙漉きを体験した。
こちらは午前10時から午後3時までの5時間も時間がある。しかもスタッフは4人。昨日の授業と違って、余裕を持って取り組める。
2つの漉き舟を用意してお客さんを待ち、2回ずつ紙漉きをしてもらった。その多くは子ども達で、1回目に紙漉きの手順の説明をし、手を添えて紙料をくみ上げ紙を漉き上げていった。
失敗するケースは簀桁の裏面を水面に押しつける形になって紙にシワがよる。簀桁と紙の間に水が入り込んで簀の上の繊維が浮き上がるためにできる。うまく漉くためには、繊維を乗せる面に常に水の圧力がかかるようにすることが必要だ。失敗をした体験者にはそのことを伝えながら、いっしょに紙料をくみ上げた。
そうすると2回目にはだいたい紙料をうまくくみ上げることができた。
上手に漉き上げることが出来た紙は、掃除機を利用した脱水機にかけ、自宅で窓に貼り付けて乾燥するようにお願いし、持ち帰ってもらった。うまくできただろうか。
紙漉き体験をした2日間は、けっこう忙しい時間を過ごした。子ども達が喜んで紙漉きに取り組む姿に接する時間をともにすることが出来たことは、何よりも得がたい体験だった。この子ども達に、将来、何かの時に紙漉きの体験を思い出して興味を持ってもらえれば幸いだ。
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