島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

ミサオノキ(諫早市)

2019-02-17 12:38:50 | 植物
時間を巻き戻します。
諫早市のオガタマノキや諌早駅を見に行った時です。
諌早公園(高城址)を散策している時に見つけました。
「本州の紀伊半島・四国・沖縄及び中国大陸南部から熱帯アジア、オーストラリアに分布するアカネ科の常緑低木『ミサオノキ』です。」
前回、諌早公園を訪れた時は見落としていたのか、それとも興味がなかったか。w
「5月頃、黄色い小さな花がたくさん咲きます。果実は7mmくらいで、秋には赤褐色、熟すと黒くなり、晩春まで枝についています。」
そして、今回ひっかかったポイントは「植物学者の牧野富太郎が名付けた」という事です。
事務所に牧野富太郎の植物図鑑があったので、引っ張り出してきました。
「操の木の意で、この木が岩の間に生えても、常に青々として色が変わらないので操の堅固なことにたとえ、かつて筆者(この場合、牧野富太郎氏)が命名したものである。」
おお〜本当だったんだ〜。
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小長井町のオガタマノキ

2019-02-09 14:04:12 | 植物
 昭和26年、国の天然記念物に指定されています。
 オガタマノキはモクレン科オガタマノキ属の常緑高木で、本州の房総半島(千葉県)以西から四国・九州及び沖縄地方の山地に自生している暖地性の樹木です。
 オガタマノキは大きなものは樹高15m、径80cmにも達すると言われていますが、小長井町のオガタマノキはそれよりはるかに大きく、樹高20m、幹周り9.1mを誇り、樹齢は1000年以上と考えられ、オガタマノキでは日本一の巨木と言われています。
 葉は互生して、長さ5〜12cm、幅2〜4cmの長楕円形で先端がやや細くなっています。厚い角質で、表面は濃い緑色で光沢があり、裏面は白色を帯び2cm程の葉柄をもっています。

 早春(2月下旬〜3月上旬ごろ)になると、直径3cmほどの黄白色で中央がやや赤みを帯びたガクと、花びらが6枚ずつの花を咲かせ、わずかに香りを放ちます。(とあったので臭いましたが、分かりませんでした。) 秋にはごつごつとした形の殻をもった果実が球果状に結実し、果実の裂けた部分からは赤い種子がのぞきます。この頃これを振るとシャラシャラと音がするので、神楽の舞いに使われる鈴の源は、この実ではないかという説もあります。
 「オガタマ」という名前は、招霊(おぎたま)が転訛したものといわれ、神前に供えて神を招くというので、神社などによく植栽されます。現在、神事にはツバキ科のサカキ(榊)またはヒサカキが使われますが、昔サカキとして用いられたのはこの木であったと言われます。

 また材質は緻密で美しい木肌であるため、建築材や家具材として重宝されてきました。この木も昔から何回も切られており、今はその切り口から伸びた枝が四方に広がって、今の親しみのある雄大な姿を見せています。更にエノキ、ムクノキなど6,7種ほどの樹が着生して、あたかも1本の木に色々な木の葉が混じっているように見えます。
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ヤブコウジ

2018-11-17 12:43:58 | 植物
九千部岳登山の下見の時に見つけた植物です。
勿論、観察会の時に紹介しました。
山地の樹林のなかなどに生えるヤブコウジ科の常緑低木「ヤブコウジ」です。
草叢の中に隠れる程小さな植物ですが、木本類(樹木)なのですね。
地下茎をのばして増えるので群生することが多いです。
花はまだ未確認ですが、7〜8月(夏)に白い花を下向きに咲かせるようです。
冬の寒い時期に赤い実をつける植物は希少価値があり、昔からお正月に“金運に恵まれる”縁起物として「千両、万両、有り通し」を飾り付けます。
千両とは、暖地の林に生えるセンリョウ科の常緑低木「センリョウ」。
万両とは、同じく暖地の林に生えるヤブコウジ科の常緑低木「マンリョウ」。
有り通しも暖地の山地に生えるアカネ科の常緑低木「アリドオシ(虎刺または蟻通し)」を指します。
アリドオシは一両の別名もあり、このヤブコウジは十両の別名があります。
ちなみに百両は、ヤブコウジ科のカラタチバナの事を言います。
お正月よりもずいぶん前ですが、来年は金運に恵まれるでしょうか?
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未知(の植物)との遭遇

2018-11-03 13:23:31 | 植物
それはある日突然現れました。
休み明けの出勤、隣の後輩の机の上には見知らぬ植物の実が転がっていました。
ぶつぶつと集まった実からはピンク色の種が弾け出したものもあります。
「なんじゃこりゃ?」
聞けば、私が休んでいた前日、お客様が白雲の池から拾ってきたそうで、何の植物か調べて欲しいとの事。
私も初めて見る物体で、心当たりがありません。
それから数日、いろんな人に聞いて回りました。
白雲の池へ実物を確認しに行った時は、野鳥の撮影に来ていた知り合いを通じて植物の先生に。
実の成りからモクレン科の植物ではないか、との類推もありましたが、白雲の池でモクレン科の特徴である大きな花を見た事がありません。
そんな決定打がないまま数日過ぎたある日、これまた私の休日明けに「オガタマノキ」ではないかとの結論が出されました。
なるほど、調べてみると似てるっちゃー似てる。
花期は2〜4月なので来春、咲いている花を探して根拠にしたいと思います。
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キッコウハグマ

2018-10-31 13:35:14 | 植物
久しぶりに初登場の植物を紹介します。
先日、白雲の池に行った際に撮影してきました。
名前を「キッコウハグマ」と言います。
山地のやや乾いた木陰などに生える小形のキク科多年草です。
写真を撮影した時は「つる性の植物か?」とも思ったのですが、ちゃんとした草本類でした。
印象的な名前で覚えていたのですが、こんなに小さなものだとは思っていませんでした。
カギ状に先端が曲がった花弁が特徴的です。
名前の由来は、葉の形が亀の甲羅のようになっている事からですが、ハート形や卵形など実際は色々な形の葉っぱがあるらしい。w
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自然情報(白雲の池)

2018-09-17 14:59:10 | 植物
昨日、行けなかった白雲の池へ自然情報収集に行ってきました。
特筆するような動植物は見つかりませんでした。

ヤマホトトギスがたくさん咲いていました。
他にたくさん咲いていた植物としては、ゲンノショウコ、ミズヒキ、キンミズヒキなどが上げられます。

数は少ないながらも見られたものとしては、ツルボ、ママコノシリヌグイ、ヒヨドリバナ、ヌスビトハギくらいかな。

あとはサザンカが咲き始めていました。
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雲仙岳夏の植物

2018-07-24 13:10:39 | 植物
今回の観察会で観察出来た植物を紹介しておきましょう。
まず表紙の写真は「ノリウツギ」です。
アジサイ科の落葉低木です。
樹皮からとった粘液を紙漉の時の糊料にしたので、この名前がつきました。
アジサイの仲間なので、装飾花があります。
写真は、ちょっと格好つけて背景に風景を入れてみました。w
雲仙岳一帯に今白く見えている花は「ノリウツギ」のようでした。
他に妙見岳の登山道には、「ウツボグサ」「ホタルブクロ」が咲いています。

こちらはユリ科の多年草「ヤマホトトギス」です。
数は少ないですが、咲き始めていました。
紅葉茶屋周辺では「ヤクシマホツツジ」も見られました。

全盛なのは「ヤマアジサイ」でした。
見て下さい、この鮮やかなブルーを!
アジサイ科の落葉低木です。
面白い事に花期が過ぎるとまわりの装飾花は下を向くのですね。
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モミジカラスウリ

2018-07-21 13:09:16 | 植物
夏休みが始まりました。
とは言え子供たちだけの話で、我々大人には関係なく、いつもの土曜日です。
さてネタバレになりますが、もう明日の話なので解禁してもよいでしょう。
表紙の写真は、つる性植物ウリ科の「モミジカラスウリ」です。
ちょっと前に来館されたお客様よりお問い合わせ頂きました。
花を見て、ウリ科の植物である事は分かったのですが、種まで分からず、植物の先生に画像を送って確認して頂きました。
花は見ての通りカラスウリにそっくりですが、大きさが小さく、また昼間でも咲いています。
葉はモミジのように深く切れ込んでいます。
明日はいよいよ夏休み最初の登山会です。
熱中症や事故が起きないよう注意して登ります。
ですが、暑さが緩んでくれると一番助かります。
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オオヤマレンゲ

2018-06-10 12:00:11 | 植物
1週間前に「希少種だからブログには掲載しません。」と書いていた「オオヤマレンゲ」です。
ネタがなく、背に腹はかえられなくなった事や調べてみると、それほど希少でもない事が分かったからです。
長崎県のレッドデータブックにNT(準絶滅危惧種)で記載されていますが、NTだったら「シマバライチゴ」もNTです。
シマバライチゴは、このブログでは何度も登場しています。
普賢岳新ルートで見られるオオヤマレンゲですが、昨日作業をしていてほとんどの方が知っていた(ある人によると昨日の登山客の約8割がオオヤマレンゲ目当てだとか)ので、隠す必要性を感じなくなりました。w
深い山に生えるモクレン科の落葉小高木です。
5〜7月、枝先に芳香のある白い花を下向きに咲かせます。
本州から九州まで見られますが、長崎県では唯一普賢岳でのみ見られます。
平成2年からの噴火災害で絶滅したものと思われていましたが、残った種から生長したものが現在花を咲かせています。
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ワチガイソウ

2018-05-13 12:31:27 | 植物
ちょっと前に普賢岳に登った時の報告で、「ワチガイソウが咲いていました。」と書いたのですが、「ワチガイソウ」の紹介を、このブログではまだ行っていませんでした。(申し訳ありません。)
なので、紹介します「ワチガイソウ」!
山地の木陰に生えるナデシコ科の多年草です。
普賢岳の登山道でも日陰が増える新ルートに入ってからがよく見られます。
花期は4〜6月、上部の葉の付け根から細長い花柄をのばし、白い花を1個ずつつけます。
花弁の先はやや尖り、おしべの葯は紫色をしています。
白い花弁にうっすらと筋が見えるのも特徴かな?
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