昨年3.11の午後の勤務中に目まいかな?と思うほどの強い揺れと衝撃があり、後刻それが東日本を襲った大地震であることが分かった。あれから早くも1年が過ぎた。マスコミは大震災に焦点を合わせ当時の模様や復興作業の進捗等を報道している。数日前のフジテレビで、自衛隊の特集を組み、隊員の災害派遣現場での生々しい様子などを報道していた。実態はそれ以上苛酷、残酷であっただろうと推察する。私も38年間自衛官として勤務したが幸か不幸かこのような大規模な災害派遣の経験はなかった。テレビを観ながら「果たして私が○○隊員の立場だったら、これほどの行動が躊躇なくできるだろうか」○○の中には実際に行方不明の捜索に当たる隊員、それを指揮する現場指揮官或いはもっと上位の連隊長、師団長レベルの高級幹部等々・・・。そんなことなどを自問自答しながらテレビを観た。一昨日の新聞で、国民の自衛隊に関するアンケート結果があったが回答者の9割以上が自衛隊の必要性を指示している。それは当然のことだろう。恥ずかしながら自衛官現役当時私は事故などでの死体も遺体も見たことがないのだが、今回被災現場は言葉には表せない惨状だったようだ。その中に自衛官たちは黙々と不明者の捜索、被災者の救助、支援・遺体の収容等を黙々と遂行してきたのだ。風呂にもまともに入らず(入れず)、冷たい缶詰飯を急いでほおばり、未経験の行動作業など、全てに自分を捨て、全ては被災者のためという崇高、素直な気持がそうさせたのだろう。私も今さらではあるが、何かできることがあればお手伝いしたいと思う気持ちでいっぱいだった。【写真:防衛省写真から拝借】