一昨日16日の午前9時頃韓国の珍島(チンド)付近で、修学旅行生などを乗せた韓国客船セウオル号(約7,000t)が左舷に大きく傾斜し沈没する海難事故が発生した。原因などは種々報道されているが、最新の報道では経験の浅い当直士官(船長の指揮下の直接操船に当たる士官)の極端な右転指示と、改装による船体構造上の欠陥(復元性能の低下)が原因だと報じられている。現場海域は潮流も速く、悪天候のため救助活動は遅々としてはかどっていない。今夕船体はほぼ全没状態であり、付近海面には韓国官民の船舶が右往左往している。まだ左舷に横転していた時点での様子をみると、救命いかだは殆ど作動しておらず、報道でもいかだは殆ど作動していなかった。いかだは突発的な海難事故のため、手動で作動させなくても、水面下2m程度いかだが沈むと水圧で自動的に離脱、膨張、いかだとなるよう作られており、定期的な検査を義務づけられている。日本は自動車は故障しなくても定期的な車検を義務付けられているし、その他の建築、消防等々あらゆる面で厳しい規制があり、減災に功を奏している。はたして韓国はどうであろうか? 船舶の改造での復元性能の基準や船舶設備の基準及び定期的な検査などは日本と同じく実施されているのだろうかと感じた。安全よりも営利を優先し800t(約120名の乗客の増員)を船上に行えば、復元力は相当弱くなってしまう。軍艦(自衛艦)と民間船は基準には極端に差があるだろうが、軍艦は分かりやすく表現すると、航行中に風波浪などで左、右90度(真横)に傾いてもダルマの起き上がりこぼしのように元の状態に復元する(動的復元力)。また、航海前には必ず《移動物の固縛》を励行している。転覆している客船の周りにコンテナがプカプカ浮いていたのがとても気になった。【写真はyahoo画像から拝借】