リカルド・サントス。本名をウェルナー・ミューラーと言い、ドイツの有名なオーケストラ指揮者であり、また、アレンジャーとして知られる。コンチネンタル・タンゴ、ラテン・ナンバーはもとより、スィング・ジャズ、果てはムード・ミュージックまでその卓抜した演奏と編曲は一世を風靡した。
わけても世界各国の曲を網羅した「Holiday」シリーズは有名で、日本でも「ホリデー イン ジャパン」は大ヒットした。
その昔、と言っても東京オリンピックの頃だろうか、まだ中学生だったぼくは間奏でいきなりツイストのリズムに切り替わる「夕やけ小やけ」には思わずのけぞってしまった。
外国人から見える日本人観には時に珍妙と言えるほど正鵠を外し、中国と間違えてないかと憤慨したくなることが多いが、このアルバムもまさにその通りで、
「これはいくらなんでもチャイニーズやろぉ!」
と思わず突っ込みを入れたくなるほどだ。しかし、聴き入ってみると日本人の編曲ではありえないほど日本らしさが透けてくる、不思議な味わいをもつ作品である。樺色、桔梗色、納戸色、萌黄色、ときいろ、いっこん染め…など、和の色が頭を過ぎる色彩豊かな演奏、派手である。
今日は北の窓からも夕焼けが分かるほど印象的な雲だった。とりとめもなくて、本来書こうと思っていたことを外してしまった。そんな日もあるさ。
ホリデイ・イン・ジャパン・デラックス 価格:¥ 1,835(税込) 発売日:2001-07-25 |