台風が通り過ぎて、見上げるとすっかり秋の空である。高い空に届く訳もないが、大きく伸びをする。今、あくびをすれば、口からお尻へとまったくニコチンとタールに汚染されていない空気が通り抜ける…はずである。さらにまだ完璧とは言えぬだろうが、煤がこびりついていた内臓だって浄化されていると信じたい。
今日で禁煙、まるっと一年を迎えた。
一日一日が過ぎて行くことをこんなに強く意識し、自己記録の更新に努めた日々は第三者から見れば意味のないことに思えるだろうが、本人はいたってマジ。律儀に、まじめに刻んできたものがある。
まだ、トランジットだから安心はできないが…何故って
今一番欲しいものは?
と訊かれたなら躊躇うことなく、
「ショートホープ、1っ本!」
と答えてしまう自分がいるのだから…、それでも継続こそ力であると確信めいたものが生まれている。
我が子らにのせられ、支えられ、励まされて来た。心底から感謝するのは、この自分が続けられていることが奇跡に思えるからである。
産まれてこの方、思えば、両親を筆頭に多くの人の期待や信頼を裏切ってきた。こういうのを取り柄とは呼ばぬし、寧ろ隠さねばならない事柄だが、ちょっとした反撃をしたつもりになっている。さらに続けようと思う。