ブルーグラスの師匠であるかねよ旅館から心太を頂戴した。「心太」と書いて「ところてん」と読む。その心は?
それが分からんので困っている。ネットで調べることはしてみたが、納得できない。こうあって欲しいと思うところに落ちてくれないのだ。
昔から安乗のトコロテンが美味しいというのは評判で、波切もそうだが海女さんが盛んなところはやはりうまいのなんの。
かねよの祖母ちゃんがこしらえるものは、キンコにしろ、トコロテンにしろ、とにかく絶品。
思わず「掌(たなごころ)」という言葉を思い出す。「手の心」を意味する。手でものを拵えるのであるが、そこに心がこめられている。優しい温もりに包まれる。地域にはおばあちゃんのような人がたくさんいて欲しい。
昔は物売りのひとつとして「トコロテン売り」もあったようだ。それがいつの間にかパックに詰められてスーパーの店頭に並ぶようになった。食品工場の生産品という画一的な商品に、ハンド・メイドの手売りといった形態が押しのけられた。これでいいのかなぁ。
効率とか生産性といったろくでもない営利主義が、偽装挽肉やらどっかの肉まんやらを生み出して、なんて構造はもうウンザリである。
かねよのお祖母ちゃんの作ってくれたところてんが清涼な風となって身体のなかに沁みてゆく。今度は黄粉で食べてみたい。
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