油照りとは、薄曇りで風がなくじりじりと蒸し暑い夏の天候のこと。でも、今日の感じは少し違っていて風を感じるから嬉しい。重い雲が低く覆うけど風に流されて行く。それが重なるように流れては次々現われて。まるでぼくにパラソルをさしだすかのようだ。雲の隙間からは突き抜けるような青空がしっかり覗いて真夏をアピールしているのかも。
自転車乗りにとって磯部は興味深い地域である。今日は的矢大橋から山田道(的矢-山田)をたどって比較的新しい「ふるさと林道」を越えてきた。山田から直角に左に折れて飯浜に向かう、林道というより山道である。
デジャヴというか、初めての道のような気がしないのは、迫子道(穴川-迫子)にそっくりだからだろうか。この道路の仕様は写真の通りである。
山頭火の、
「分け入っても分け入っても青い山」
を思い出す。この林道、ほとんど自動車らしきものと遭遇しない。マイ・プライベート・ロードのような観がある。気の遠くなるような長い上りにうんざりしながら、それでも独りである。鳥の鳴き音に励まされて、
「あの峠越えたらどんな景色がひろがってるのだろう」
なんて余裕はない。道路として距離は短いが勾配はたっぷりある。
もひとつ思い出して、記憶の総ざらえだ。
「鴉啼(からすな)いてわたしも一人」
飯浜から対岸の坂崎を望む。伊雑浦を渡り、山を越えたら自分の帰る町なのに遠く感じる。まだ3時半。今日の甲子園、第三試合、山商の試合がある。早く帰らねば…。本日の走行距離32.89km。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます