
藤澤宿の街道からほんの少し横道に入ったところに義経首塚があった。
傍には首洗井戸と伝えられているものもある。
首実検の後に海岸に晒し放置されたものが潮に乗って境川遡り、
白旗神社近くにたどり着いたのを里人が掬い上げて井戸で首を清めたのだとか。

宿場の入り口だった今の「ふじさわ宿交流館」のすぐ近くに遊行寺の山門がある。
遊行寺は一遍上人開祖の時宗総本山で正式の山号寺号は藤沢山無量光院清浄光寺だ。

遊行寺は1325年に創建された。
開山は第4代遊行上人呑海で開基は呑海の兄の俣野五郎景平だ。
昭和12年落成の本堂は登録有形文化財になっている。

境内に藤沢市指定天然記念物の大イチョウがある。
かって樹高は31mあったが昭和57年の台風で幹が折れて今は21mだ。
幹回りは710cmもあり、樹齢は不明だが700年とも伝えられている。

サンシュユやコブシが咲いていた。

戸塚に向かう旧東海道は遊行寺にすぐ隣接している。
その斜面にはタンポポ(多分カントウタンポポ)などの草花が咲いていた。

遊行寺坂上を少し進むと土塁と松の木が見えた。
このあたりは東海道松並木があったところだが、昭和30年代の松喰虫により大半が枯れた。
安藤広重の「東海道五十三次」には松並木と往来の人々が見事に描かれていたのに残念だ。