横浜のほほん・続

植物や生き物を見ながら歩いて感じたことなどを中心に日々を綴る。

東洋文庫

2017-08-01 05:55:03 | 日記



東京都駒込に公益財団法人・東洋文庫がある。
東洋文庫は東洋学の研究図書館で三菱の岩崎久彌氏により1942年に設立された

この中庭はシーボルト・ガルテンと呼ばれる。
東洋文庫所蔵のシーボルトの博物図鑑「日本植物誌」に掲載の木や花も植えられている。






中庭に隣接しオリエント・カフェに向かう通路は「知恵の小径」と呼ばれている。
横に並ぶ石板には、数多くのアジアの名言が言語で記されている。

ヒンディー語で記されているのは「暴力は弱者の武器であり、非暴力は強者の武器である」ガンディー。
ほかにペルシャ語で「知は力なり」、グルジア語で「勉学の基礎が辛いが、その結果は甘い」など多数。






本館二階に上がるとモリソン書庫がある。
オーストラリア人ジャーナリストG.E.モリソンは通信員として20年にわたり北京に滞在し、
主として欧文で書かれた東洋に関する質の高い書籍を蒐集した。
1917年には岩崎久彌がモリソンの2万4千点のコレクションを一括購入した。

さらに岩崎は蒐集の範囲を日本を含むアジア全域に拡大した。
1924年に財団法人組織となってからも図書、マイクロフィルムなどの研究資料などを毎年増加した。
今では70万点以上が所蔵されているそうだ。





所蔵資料の一部が展示されている。これはツンベルクの日本植物誌だ。
カール・ツンベルクはスウエーデンの植物学、博物学、医学者で、1775年に出島の商館付医師に赴任した。
1776年に江戸で徳川家治に謁見し、その道中に多くの植物標本を採集したらしい。





ダニエル・デフォー作「ロビンソン・クルーソー」も展示されていた。
これはロビンソン・クルーソーが漂流した場所を示す世界地図だ。
右の方に日本らしいものも描かれている。





右ページの上側の囲みの中はロビンソン・クルーソーの正式タイトルが書かれている。
「彼以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカ沿岸のオルノークという大河の
河口付近の無人島で28年間もただ一人で暮らし、ついには奇跡的に海賊に助けられた
ヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と奇しくも驚くべき冒険」 長いタイトルだ。

下の方には第4版で世界地図が追加されたことが記載されている。






国宝の文選集注も展示されていた。
文選は6世紀前半の中国王朝「梁」の皇太子が編纂した中国最古の詩文選集で、
梁以前の千年間に生まれた文学作品の中から約800編の優れた作品が収録されている。
前近代の「科挙」受験生の必読書となったことから、内容を深く理解するためのさまざまな注釈も加えられた。

日本には7世紀ごろ伝来し、知識人の教養書として広く読まれた。
文選集注は文選の代表的な注釈を集めて再編集したもので、全120巻あったそうだ。
東洋文庫には7巻が所蔵されているという。



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