BELOVED

好きな漫画やBL小説の二次小説を書いています。
作者様・出版社様とは一切関係ありません。

鬼嫁物語 第1話

2024年10月11日 | 薄桜鬼 腐向け二次創作小説「鬼嫁物語」

「薄桜鬼」の二次創作小説です。

制作会社様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。

土方さんが両性具有設定です、苦手な方は閲覧なさらないでください。

「土方さん、何処ですか~?」
「どうした総司、またトシを探しているのか?」
「はい。土方さんは、いつも隠れるのが得意なんだから、参っちゃうなぁ。」
いつものように神社の境内で勇と総司、歳三が隠れ鬼をやっていると、二人はいつの間にか歳三が居なくなったことに気づいた。
「ねぇ近藤さん、どうします?もしかして、土方さん、人攫(さら)いに・・」
「トシに限って、そんな事はない。とりあえず、トシが行きそうな場所へ行ってみよう。」
「はい!」
二人が歳三を捜し回っている頃、当の本人は女郎屋の中にある部屋に監禁されていた。

(どこだ、ここ・・)

勇達と神社で遊んでいた時、歳三は突然背後から忍び寄って来た謎の男に気絶させられ、目が覚めるとこの部屋に監禁されたのだ。
物音も人の話す声も全く聞こえない中、歳三が部屋の窓から逃げ出そうとした時、一人の女が部屋に入って来た。
女は煙管を咥えながら歳三を見ると、開口一番こう言った。

「あたしゃ今までここに売られてきた子を見て来たが、こんなに綺麗な子は見た事がないねぇ。さ、良く顔を見せておくれ。」
「俺に触るな!」
「ふん、強情な子だね。あんたはここに売られて来たんだ、もっとしおらしくしな。」
「おい婆、ここから出せ!」
「それは出来ないね。あんたはここで死ぬまで働くんだ、いいね?」
「うるせぇ、婆!」

歳三はそう叫ぶと、女に強烈な頭突きを喰らわせ、女が怯んだ隙に女郎屋から飛び出していった。

「誰か、その子を捕まえとくれ!」
背後から女の叫び声が聞こえたが、歳三は只管家まで走った。
一方、日野では村人総出で歳三を捜していた。
「トシ、どこだ~!」
「居るんだったら返事しろ~!」
すっかり日も暮れ、村人達は松明を掲げながら歳三の姿を捜していた。
「トシ、トシ~!」
「近藤さん、今日は諦めましょうよ。もう日が暮れましたし、このままだと僕達も人攫いにかどかわされちゃいますよ。」
「あぁ、そうだな・・」
勇がそう言って歳三の捜索を打ち切ろうとした時、遠くから歳三の声が聞こえて来たような気がした。
「どうしたんですか、近藤さん?」
「今、トシの声が・・」
「気の所為なんじゃないんですか?」
「いや、さっき・・」
勇が、声が聞こえた方へと松明を向けると、闇の中から歳三の姿が浮かび上がった。
「勝っちゃん!」
「トシ、一体何処へ行っていたんだ!?」
「わからねぇ・・気が付いたら女郎屋に居た。そこから何とか逃げて、吉原からここまで走って来た。」
「そうか。トシ、お前が無事に帰って来てくれて良かった。」
「心配かけて済まなかったな、勝っちゃん。」
歳三と勇が抱き合っていると、そこへ歳三の父・隼人がやって来た。
「歳三、無事で良かった。さぁ、家へ帰ろう。」
「はい、父上。」
歳三が父と手を繋ぎながら土方家へと戻ると、そこには歳三の帰りを待っていた兄姉達の姿があった。
「トシ、何処に行っていたのよ、心配したんだから!」
「迷惑かけて、ごめんなさい。」

そんな歳三達の様子を、一人の女中が恨めしそうな表情を浮かべながら見ていた。

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