寒冷前線が通過したのは18日の午前中だと思っていたのだが、実際に冷え始めたのは今日だった。南に居たつよい低気圧が北上して、北西の風を吹きこませたようだ。最高気温は十九日の0時5分の3・8度。そこから徐々に下がり続けて、最低気温は22時22分の-2.5度になった。ン?2が5つで-2.5度?駄洒落だろうか。
昔かわぐちかいじの「沈黙の艦隊」という潜水艦マンガがあった。アメリカが、対ロシアと中国の為に極秘裏に日本に原子力潜水艦を供与する事になる。だが憲法9条があり、超攻撃型の兵器である原子力潜水艦の日本の所有はゆるされない。なので日本の所有なのだがアメリカ船籍と言う形で、しかも乗組員はもと日本人、事故で全員死亡したはずの潜水艦員が乗り込む。初公開の日にアメリカの原潜が集まるなかの初公開で、つまり原潜「やまと」の音波データーを採取する前に、「やまと」はビーコンの音波を最大出力で出して周りの原潜の耳を奪って、深海に消える。
原潜が国家を名乗ったり、アメリカ船籍の原潜に核弾頭のミサイルが搭載されて居ない筈がないと言う考えを、徹底的にはぐらかして疑心暗技をあおったりとなかなかサスペンスにあふれた漫画であった。
日経BPに田原総一郎の政財界「ここだけの話」と言うコラムがある。結構面白いのだが、今日纏め読みをして居たら恐ろしい文章にであった。「東アジアの緊張続く、中国の策にはまった日米韓〜トランプ氏は大統領ではなくやっぱり経営者だ」。マジかと思った。田原総一郎の程だから何処かに根拠があるのだろう。だが今のところこんな重大問題をどこも書いていないのだ。
「日本、韓国、中国では、ディールはうまくいった。日本には米国製の武器を買うことを了承させ、韓国には米国製の原子力潜水艦を買わせた。中国にも、28兆円もの米国製品を輸入するよう約束させた。
特に、韓国は原子力潜水艦などを買ってどうするのか。原子力潜水艦とは、海上に上がる必要がなく広い範囲を動くためのものである。しかし、脅威の相手は隣国の北朝鮮だ。原子力潜水艦では、全く圧力をかけられない。」
田原総一郎ともあろう者が、この意味がわからない筈が無いだろう。なぜこうやってあっさりと書いたのだろう。
同じ日経BPには鈴置高史氏と言うマトモな韓国ウォッチャーがいる。その彼がまだ書いていないのだ。その彼に『「南の核」の矛先が向くのは北か、「戦術核の再配備」が開けるパンドラの箱』と言う記事がある。
その前に、韓国駐留の米軍は戦術核を持ち込んでいた。だが1991年12月、南北非核化共同宣言の合意以降、米軍も核兵器を撤収した。しかし韓国は70年代に核開発をしようとした時期があった。だがアメリカの圧力で頓挫させられていた。それでも80年代と2000年にもウラン濃縮実験を行なっており、現在もIAEA監視国家だ。
北朝鮮問題でアメリカ軍に戦術核を再配備してもらおうというのはまだ気持ちとして分かる。だがNATO並の「アメリカの同意を得たうえでの韓国軍の選出核の保持と使用権」を考えている。
さて鈴置氏の初めの「ミナミの核」、打ち間違ったのだが、何かこのミナミという語感が結構いい。そこから引用しよう。
「文在寅政権は核武装に不可欠な原子力潜水艦の保有に動いています。これを見ても大統領が反核派でないことが分かります。
原子力潜水艦がないと、核武装は完成しません。敵の先制攻撃で核ミサイル施設を打撃されたらお終いだからです。原潜は長期間、水中に隠れることができるため、先制攻撃を受けた後にも反撃できる貴重な「第2撃能力」を有します。
8月7日の電話協議で、文在寅大統領はトランプ大統領に原潜保有を打診しました(「ついに『中立』を宣言した文在寅」参照)。
9月17日の米韓首脳の電話協議に関連、朝鮮日報は「今週(国連総会の場で)開かれる米韓首脳会談で、韓国の原潜計画推進に向け、両国が協力するとの原則で合意される模様」と報じました。」
韓国がなぜこんな考えを持つのかと言えば、北と南は同じ民族なのだから一致団結できると考えているからだ。ものすごくナイーブな考え方で普通の韓国人はこんな事を考えてはいないと思うとあまい。韓国人の30%は同一民族の北朝鮮が韓国を核攻撃する事はないと考えている。
つまり韓国は原潜を持つことで北朝鮮と核技術のシェアをしようとしている。そこから南北の話し合いをしようとしてる。最悪でも北朝鮮とおなじく戦略核を限定的だが持ち、原潜を持つ事で圧倒的な比較優位に立とうとしている。その無謀さを、韓国人は俺らエライとばかりにいうだけで、こんなに悲惨な全く意味のないと言い出す韓国人がいない。
原潜というのは、繰り返し言うが攻撃型の兵器だ。核弾頭ミサイルをもった場合は、超攻撃型としか言いようがない。空をとぶミサイルや飛行機はどんなにステルスであったとしても見えるのだ。ミサイル防衛網の関与出来ない程の距離で、いきなり浮上してミサイルを打つことが出来る、ごく長時間海底地形に紛れて進むことの出来る原潜ならではの攻撃方法だ。全く防衛的な兵器では無い。
その前に韓国も核開発しようとしていたのだ。ミサイル技術もある韓国になぜ原潜を売るのか。しかも朴政権以降の二股外交が続く韓国に。中国にその原潜データーを渡してしまう可能性が極めて高い国になぜ売るのか。たとえ時代遅れのものだったとしても、危険なのは間違いが無い。
たまたまそこに封じ込められた民族なのだが、圧倒的な中国の前に翻弄されたコンプレックスは如何ともし難い。そして北朝鮮が崩壊して欲しくないと言う裏のことばを封じ込めながら、来たるべき軍事大国を目指す韓国と言うのは、日本の左翼よりナーバス過ぎても、いや希望的観測、いや本人らの実現不可能なSFの世界として支持しているのかも知れないが、楽観的過ぎる。たぶん悲観的なのを通り過ぎた世界なのかも知れない。
もしも韓国が原潜をもったなら、日本は原潜封じ込めのドローン開発に邁進しなければいけないだろう。こちらの方が日本にとっては合理性がある。日本は他国を侵略してはいけないのだから。
もしも田原総一郎の言うような合意が、今回の会談であったとすれば、トランプさんはビジネスマンでもない。不動産王でもない。何も分かっていない。いやイランに対する言動でよくわかっていたのだが、アメリカの地位を下げるのは不動産王としてはどうなのか?
原潜を持つと言うのは、世界制覇を狙うという意味なのだ。戦略無しに打ってはいけない商品をホイホイと。まあ中国が止めにかかるけどね。
アメリカは韓国の忠誠を図ったのかもしれないけど、かなり間違っている。韓国は簡単に裏切る。
そして南北の朝鮮は実は同じだと言うのを考えなければいけない。
雪は降り続け、1センチほど路面に積もった。