最近自転車への風当たりが強い。これは実際死亡事故が起きているからだ。しかも自転車対歩行者でだ。
ただ実感としては、何を今更だと思っている。最近では毎日新聞がこれを多く取り上げているように思う。
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20111026ddm003040054000c.html
この特集にはちょっと疑問がある。まず自転車は軽車両だから歩道を走るのは原則的に出来ない。法的な問題だからだ。ただ例外的に幅の広い歩道では認めた。まずここが実際は違う。実際は歩道を自転車が走る事を推奨したのではなかったのか?認めてきたのは法的な問題で、実際は事故防止としてそうするべきだと言われてきた記憶がある。
少なくとも私の小学校時代の交通安全講習会ではそうだったと思う。
特にトラックなどで左折巻き込み事故が多かったので、そう推奨していたのだろう。
そして高校に入って自転車通学になると、当然飛ばす訳だ。しかし歩道は危険だ。歩行者がいるしなぜか自転車の対向車がいたりする。なので車道側の路側帯を走っていると高校に自動車からクレームが入る。車道を自転車が走るのは危険だ。
なお私の通学路は、1級国道だったので路側帯が1メートル確保されている立派なものだった。しかしここまで路側帯の広い道路はそうそうない。しかもそこにパンクの原因になる危険なゴミや、自動車のホイールカバーなどの大きなものが落ちているのが常だった。これは今も変わっていない。
まあどこを走っても自転車はある意味危険だ。例えば左折の際ウインカーを出さないドライバーや、路側帯を走っているのに幅寄せするドライバーもいる。実際自動車学校では、左折する予定の信号で停車する場合左側にギリギリ車を寄せるように指導している。巻き込み事故回避のためなのだが、ある意味自転車と車道を分かち合いたくない車の事情が反映されている。
車道は、クルマのものになって幾久しい。その意識は、対車いすでも感じられた。まあ車いすだと小さいから発見しにくいし、まさかここにいるとは思っても見ないのでしょうが、自動車のマナーも相当悪いと思っている。
だが実際自転車の交通マナーは極めて悪い。特に高校生が悪い。これをどうするのかが問題だ。ただ高校生には校則である程度の規制が出来るだろう。通学用の自転車のギアを軽くする事だ。
何を言っているのかと言えば、ペダル一回転をこいで車輪に伝わる力は、今売られているママチャリのほとんどが最大3回転分だ。これを2くらいに押さえると最大スピードが押さえられる。そういった対策もあるだろう。また停車してから動き出す時の苦労が少なくなる。自転車の最大の苦労は発進時の労力だ。これが軽ければ止まる事も苦にならなくなるのではないのか。電動アシスト自転車なんかはその意味でもいいシステムだろう。
ただどんな対策をしてもこれだけは考えなくては行けない。ようは高齢化社会なのだ。対自転車の死亡事故でも高齢者が目立つ。そしてお年寄りは予断ならない動き方をする。
さて自転車が悪者にされているが、道路行政の問題もある。要は路側帯の幅を広くしなかったことだ。それで現実的に無理だったので、交通法が妥協してきたのが現在だ。そして自転車保険というのもあるが、事故が多くて引き受け手が減っているのが現在だ。特にスポーツ保険で、自転車のは無くなっているといっても過言ではない。
でも私の視点からは、道路で何が起きているのか。見えているものは法規の無い世界だ。自動車も自転車も、歩行者も、守っている人が多数だが相当フリーダムな世界だ。その状況こそが問題だ。
もちろん道路行政の曖昧さを含めて。
PS
ピストというブレーキのない自転車が流行っているが、ピストを町乗りに使うのは本当は面白くない。競輪場などで走らせると本当に面白いのだが、はやりで乗っている人は、気がついていない。