さて25日にアマゾンから届いた「災害ユートピア」レベッカ・ソルニット著・亜紀書房、440Pのソフトカバーだ。
要約は、以前紹介したダイヤモンドオンラインのインタビュー記事がとても優秀なので、私が話す事は無いと思う。ただ、災害時の相互扶助のユートピアが出現する例がいっぱい出てくるだろうと思ってたが、そうでもない。むしろ力点は相互扶助の精神が立ち上がりコミュニティを形成するのに、それを行政が邪魔をする例がいっぱい出てくる。また住民は冷静なのに、その指導者がパニックになる理由をホッブスまで使って説明して行く。
そして災害学という学問領域が存在し、研究が進んでいるがなぜかそれらが反映せず、災害時に大衆が暴徒化するという従来の考えが蔓延しているかを考えている。前半の3割はその意味で哲学や社会学だ。
なおここで大衆を愚弄したと思われているマキャヴェリは出てこない。これは簡単だ。マキャヴェリのほうが大衆を人と考えていたからだ。その辺は本書を読んでください。
また作者の考えでは、食料も水も服も無い時点での商店を荒らす事を必要悪と考え、略奪とは一線を引いている。これも日本人にはちょっと解りにくいかもしれないが、彼女が災害時には略奪は起きないとしているポイントだ。
この本を読むときに頭に入れておいた方がいいのは、彼女はカルフォルニアのリバタリアンの可能性がある。
リバタリアンというのは極端な自由主義者なのだが、政府には外交と軍事以外は求めない。政治的なことは個人の自由が最大限に保障されたコミュニティが行うべきだという考え方を持っている。そういったコミュニティがいっぱいあり、そのコミュニティの選択も自由な社会を目指している。ところが不思議な事にそれを突き詰めるとユートピア社会主義みたいになってくるのも特徴だ。社会主義何だけど自由主義?という社会だ。政府を限定付きで認めている点で、アナーキストとも違うので、厄介だ。もちろんアメリカ・共和党の小さな政府とは完全に違う。
なので原題の「A PARADISE BUILT IN HELL」直訳は地獄から立ち上がる天国であろうか、これを「災害ユートピア」とした邦題はかなり優れている。
とはいえこの考えはアメリカの中でも主流ではない。そこでちょっと回りくどくなっている。ここが解りにくい。
だけど、東北の復興に際して考えさせられるポイントはいくらでもある。一時的なコミュニティから社会を変える運動になったメキシコ・シティや革命の起きたニカラグアなど、またリバタニアンの立場からの政府批判は地方自治のあり方を考える材料になるだろう。
実はまだ全部読み切れていない。全体の3分の1がハリケーン・カトリーナだからだ。絶句する地獄がかかれている。そのうちここを出来るだけ紹介しよう。
要約は、以前紹介したダイヤモンドオンラインのインタビュー記事がとても優秀なので、私が話す事は無いと思う。ただ、災害時の相互扶助のユートピアが出現する例がいっぱい出てくるだろうと思ってたが、そうでもない。むしろ力点は相互扶助の精神が立ち上がりコミュニティを形成するのに、それを行政が邪魔をする例がいっぱい出てくる。また住民は冷静なのに、その指導者がパニックになる理由をホッブスまで使って説明して行く。
そして災害学という学問領域が存在し、研究が進んでいるがなぜかそれらが反映せず、災害時に大衆が暴徒化するという従来の考えが蔓延しているかを考えている。前半の3割はその意味で哲学や社会学だ。
なおここで大衆を愚弄したと思われているマキャヴェリは出てこない。これは簡単だ。マキャヴェリのほうが大衆を人と考えていたからだ。その辺は本書を読んでください。
また作者の考えでは、食料も水も服も無い時点での商店を荒らす事を必要悪と考え、略奪とは一線を引いている。これも日本人にはちょっと解りにくいかもしれないが、彼女が災害時には略奪は起きないとしているポイントだ。
この本を読むときに頭に入れておいた方がいいのは、彼女はカルフォルニアのリバタリアンの可能性がある。
リバタリアンというのは極端な自由主義者なのだが、政府には外交と軍事以外は求めない。政治的なことは個人の自由が最大限に保障されたコミュニティが行うべきだという考え方を持っている。そういったコミュニティがいっぱいあり、そのコミュニティの選択も自由な社会を目指している。ところが不思議な事にそれを突き詰めるとユートピア社会主義みたいになってくるのも特徴だ。社会主義何だけど自由主義?という社会だ。政府を限定付きで認めている点で、アナーキストとも違うので、厄介だ。もちろんアメリカ・共和党の小さな政府とは完全に違う。
なので原題の「A PARADISE BUILT IN HELL」直訳は地獄から立ち上がる天国であろうか、これを「災害ユートピア」とした邦題はかなり優れている。
とはいえこの考えはアメリカの中でも主流ではない。そこでちょっと回りくどくなっている。ここが解りにくい。
だけど、東北の復興に際して考えさせられるポイントはいくらでもある。一時的なコミュニティから社会を変える運動になったメキシコ・シティや革命の起きたニカラグアなど、またリバタニアンの立場からの政府批判は地方自治のあり方を考える材料になるだろう。
実はまだ全部読み切れていない。全体の3分の1がハリケーン・カトリーナだからだ。絶句する地獄がかかれている。そのうちここを出来るだけ紹介しよう。