滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

台杉探し

2010年04月18日 | 季節の花
今日は台杉のお話です・・・。先日、昨年の9月に竣工した西念寺-庫裏の庭に植える台杉を探すため、植木屋さんといっしょに植木の問屋さんに行って来ました。
庫裏の設計中にお施主さんといろいろなお話をしているときに、お施主さんが「台杉が好きなんです。」と言っておられたので、それなら新しい庫裏ができたときには、庭に台杉を植えましょう。(西念寺の庭には台杉がなかったので・・)、私が建物と調和のとれるような容姿の台杉を探して来てあげますよ・・と約束していたのです。

庫裏が竣工してからは、お施主さんも引越しやお寺の行事などと慌しく過されていたのですが、今月になってようやく落着かれたのか、そろそろ台杉を植えたいと思うので探して来てもらえますか・・という事になって、先日台杉探しに行って来た次第です・・。

Photo

台杉は、その優美な姿がどことなく品があって私も好きな樹木の一つです。和風の建物とよく調和のとれる樹木で、特に縦のラインを強調したいときに用いると効果的なので、以前設計させて頂いた「膳所焼の家」にも建物のファサードに奥行きを持たせるためにシンボルツリーとして用いています。そう言えば・・膳所焼の家の台杉も、植木さんと植木の問屋さんに行って私が選んで来ました。[右の画像]

台杉は、もともと「取り木」と呼ばれる台をつくり、そこから枝を垂直に伸ばして「立ち木」に仕立て、床柱や垂木として適寸になったものから伐採し、その後次代の「立ち木」を仕立てるという繰り返しで、恒常的に磨丸太を生産する方法として考えられたものです。
近年は、高級建材の床柱や垂木の需要が減り、現在では台杉のしなやかで優美な姿が観賞用に適していることから、茶庭、日本庭園から一般家庭の庭まで、幅広く庭園観賞用として使われている事の方が多くなっています。

100414

それで、今回は3本の台杉を植える場所や建物の軒の高さなどを考慮して背丈や形を選んで来ました・・。とにかく私の感性で、これとこれとこれ・・!って3本選んだワケですが、あとで植木さんに聞くと植木屋さんが思っていた予算より安くついたそうです。(植木屋さんは、私が樹齢何百年もする台杉を選ぶとでも思っていたのでしょうか・・。)、とりあえず、私の感性は安くつくようですね・・。

選んできた台杉は、今月中には植えてくれるそうなので、また機会をみて紹介します。
最後に、杉と言えば花粉が気になりますよね。(私も花粉症ですから・・)、観賞用の台杉は「シロスギ」という品種が用いられています。シロスギは実がなりにくいため花粉の心配が少ないという観賞用に適した特性を持っています。(この事は、とても重要なポイントですよね・・・。)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする