昨日は、修学院離宮に行って来ました。修学院離宮は、1~3ヶ月前に申し込めば参観することができます・・・。
修学院離宮は、言わずと知れた後水尾上皇によって造営された広大な離宮です。上・中・下の3つの離宮(御茶屋)によって構成され、東に比叡山の山裾がせまり、段々畑が縞模様をえがきながら離宮を抱きかかえるようにとりまいています・・。
数々の名所のなかでも、上御茶屋にある離宮内で最高の地点を占める隣雲亭(りんうんてい)から浴龍池を見下ろす眺望は圧巻です。[上の画像]
隣雲亭の深い軒下のたたきには、大小さまざまな大きさの鴨川石(あずき色の石と青みかかった黒い石)が、一つ、二つ、三つとちりばめるように埋め込まれていて、俗に「一二三石(ひふみいし)」と呼ばれています・・。[左の画像]
今回、私が修学院離宮を訪れた最大の理由は、この隣雲亭の開放的な広々とした土間に埋め込まれた「一二三石(ひふみいし)」を今一度よく見ることにありました・・。というのも、先日お話した「SAINENJI-プロジェクト」では庫裏へのアプローチや玄関土間に、念願だった「一二三石」を採用しているからです。
私はこれまでに、ガラスカレット(ガラスを砕いたリサイクル品)をモルタルに混ぜた塗り床や陶片(茶碗などの陶器の破片)をランダムに埋め込んだ外壁などを設計に取り入れてきましたが、いつも発想の原点にあったのが「一二三石」でした・・。いつか機会があればアレンジすることなく、原点の「一二三石」を実現してみたいと思っていた事もあり、「SAINENJI-プロジェクト」で採用することにしました。
実際に、どのような素材や工法で造られているのか詳細は不明なので、できるだけ実物を見ておいて(写真も多く撮ってきたので・・)、あとは職人さんたちと相談しながら実物に近づける手法を探っていこうと思っています。
上手くできるかどうか不安もありますが、楽しみでもあります・・。(一二三石の施工までは、まだ十分時間があるので、おそらく職人さんたちを連れてあと1~2回は見に行く必要があるでしょうね・・・。)