滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

第67回正倉院展

2015年11月08日 | アート・文化

 先日、第67回正倉院展に行って来ました・・・。今年も古の文化と職人技(そのセンス)に敬意を表しに奈良に行って来ました。毎年、正倉院展に行くのが恒例行事になっていることは、これまでの記事でもお話していますよね。

今年もすばらしい宝物が多く出品されていた正倉院展ですが、その中から宝物を1つ紹介します。下の画像は、彫石尺八(ちょうせきのしゃくはち)という蛇紋岩で作られた尺八です。尺八は本来竹製ですから、この品は石を用いながら三節の竹管を模しています。指孔は楕円形を呈し、前面の指孔には複弁の八弁花を彫り出しています。さらに外面全体には草花・飛雲・山岳・花喰鳥・蝶などを左右対称に構成し、薄肉に刻んでいます。

石で尺八を作ったうえ、このような複雑な模様を外面全体に刻んでいるのですから、古の職人技には本当に驚かせられますよね。この品のような円筒形の石製品は、固定した原石に孔の径と同じ大きさの鉄板を回転させながら彫り下げて筒を作り、さらに金剛砂などの研磨剤や砥石を用いて加工したと考えられているそうです。ちなみに、今回の正倉院展では、彫石横笛(ちょうせきのおうてき)という蛇紋岩を用いて作られた横笛も出品されていました。

 

せっかく奈良に行くのだから、今年も正倉院展に行く前に他の社寺を訪れて来ました。今年は、浄瑠璃寺と岩船寺と東大寺法華堂(三月堂)・二月堂に行って来ました・・。

 

上の画像は、浄瑠璃寺の西方九体阿弥陀堂です。浄瑠璃寺では、今では唯一のものとなった九体阿弥陀如来像(国宝)にお会いしてきました。ちなみに、浄瑠璃寺は近鉄奈良駅からバスで25分ぐらいの場所にありますが、奈良ではなく京都府です。

 

上の画像は、東大寺二月堂です。「お水取り」が行われるところです。実は、二月堂には行ったことがなかったので今回はじめて行って来ました。でも今回、私が行って良かったと思ったのは、法華堂(三月堂)です。(画像はありませんが・・) 法華堂は東大寺に残っている最古の建物で、堂内には御本尊の不空羂索観音立像を中心に合計10体の仏像が立ち並び、そのすべてが国宝に指定されています。堂内に入った瞬間、その仏像群の迫力に圧倒されます。そして、しばらくすると仏像群の雰囲気に心が洗われるような気持ちになります。法華堂内に居ると、仏さまは本当に私たちを救ってくださるような気持ちになりました・・。

 

という事で、今年も秋の恒例行事が終了しました。来年は、正倉院展に行く前に・・どこの社寺に行こうかな・・・。

 

 

 

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