「いくさんのお部屋」つぶやきNo.3

日頃の何気ない日常をつぶやいています。

第11回視覚障害者全国交流登山

2008-10-28 00:31:55 | 登山
山口県で第11回視覚障害者全国交流登山が行われた。2年に1回開催されていて,私は所属の京都の会からの参加だった。莇ヶ岳という、あまり聞かない山に25日に登って来た。
目の見えない人が山に登っている事を知っている人はどのくらいいるのだろうか。実は朗読をやっていて目の見えない人との接触はあったが、目の見えない人の山の会がある事は全く知らなかった。
2001年に白山に全く見えないTさんと登った。その少し後に岳人に,障害のある人の全国の山岳会がたくさん紹介されていた。これからもずっと山に登りたいというTさんに紹介して一緒に入会したのが,現在所属している京都の山岳会である。
今回の交流登山には,健常者も合わせて300人近い参加者が全国から集まって来ていた。正直、こんなにたくさんの人が集まり盛大に催されているとは驚いてしまった。Tさんは膝を痛めてしまい,今は辞めてしまっているが、私と白山に一緒に行ったNさんとは、そのまま残っている。Nさんは朗読の会の先輩でもある。そして時々例会に参加しながら、かれこれ6年になる。
交流登山では、いろんなコース(莇ヶ岳、白石山,日暮岳等)に別れて一日だけ登山をした。私は山口の山を全く知らない。莇ヶ岳も検索してみたが全くと言っていい程、報告など出ていない。しかし、鎖が場3カ所出て来る難コースという事だ。私はこの莇ヶ岳に登ることになった。
岩場には,地元山岳連盟の人たちが大勢サポートに来られて、ザイルを出して下さっていた。偶然トップに登られたのは京都のMさんだった。岩場の終了から頂上までのサポートをしていた私は、Mさんの満身の喜びが伝わって来た。本当に感激されたようだった。
最近の私は、クライミングに対してこのような感動は味わっていないような気がする。マンネリかな? 
しかし、この日のMさんを見ていてかつて私も達成感や感動をクライミングで味わった事を思い出させてくれた。
この日のことは,朝日新聞の山口版に出ていた。
http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000810270001
こんなにも人を幸せな気持ちにさせてくれる山は、やっぱりいいなぁ~と改めて思った。

  

久しぶりの蝙蝠谷でボロボロ

2008-10-20 14:47:31 | クライミング
土曜日は5月以来の蝙蝠谷だった。5月にいったときは、ちょうど首から肩にかけて調子が悪かったのでそのときにもあまり登っていなかった。というよりは,岩場に長い間ご無沙汰している。
言い訳はいろいろあるのだが、今回のひどさはどんな言い訳も通用しないと思う。簡単なルートしか登っていないのだが、どのルートも落ちまくり。おまけに,擦り傷だらけ。悲しいよ~。
何で…??? 自分に問うと,答えは帰って来る。「クライミングをなめたらあかんで~」と神の声。ほんとうに、その通り。嘗めていました。
ちょっとさぼっただけなのに,大きく後退。クライミングは怖いものだ。そんな事は充分承知の上なのに…。
しかし、久しぶりの岩場は最初は物怖じする程怖かったが、次第に慣れて来て楽しくなって来た。それは、いつもの仲間のお陰でもある。
蝙蝠は、S労山と私たちの貸し切り状態だった。意外に空いていて,びっくりした。


黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳へ

2008-10-13 23:37:32 | 登山
この連休は黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳へ登って来た。
エアリアマップのコースタイムで往復15時間、標高差は約2200メートルのルートである。刀利天狗をすぎた辺りで200メートル程下り登り返すから2400メートルの登りである。
ネットでいろいろ調べていたら,日帰りというのがけっこうある。早いと10時間位で往復している記録がある。山を突っ走っているのだろう。私の体力ではとても日帰りは無理。七丈小屋で1泊での計画を立てたが、結果としてはよかった。
山に行く目的は人によって違うのでとやかくは言えないのだが、この紅葉の美しい時期に行くのは「山の自然の色彩を楽しむ」という目的もある。黒戸尾根の日帰りピストンは、山を楽しむというのからはほど遠い気がする。私には縦走でのんびりと稜線を歩くのが、一番性に合っているように思う。
それでも、一度は行ってもいいなあと思っていた黒戸尾根は、やはり長かった。しかし、その苦労をした分、頂上での360度の大パノラマは,一段と素晴らしかった。鳳凰三山の向こうに見える富士山は、どこから見るよりも大きく思えた。北岳から間ノ岳、農鳥岳の稜線を見ながら、大門沢小屋から奈良田温泉まで遠かった事や、吊り橋の怖かった事など、20年近く前に歩いた時の事を思い出していた。
一番近く見えた千丈岳は,甲斐駒ヶ岳から見たらとても優しい山容に見える。しかし、山岳会で正月にいったときには吹雪の中の過酷な行進だったせいか、この優しい感じに意外な気がした。
遠くには,今年も夏に登った御嶽山の見覚えのある姿も見える。御嶽山は遠くで見ても近くで見ても同じ形に見えわかりやすい。
いろんな事を思いながら眺めていると、時間はあっという間もなく過ぎる。なかなかその場から離れがたい気持ちが湧いて来る。
まだ真っ暗な時間帯に七丈小屋を頂上を目指して出発。八合目御来迎所でピッタリ御来光を見て,頂上では清涼な朝の空気と大パノラマを味わう。そして、下山時には朝見えなかった紅葉を楽しむという、贅沢な山行だった。
それでもやはり、七丈小屋からの下山はとても長く感じた。冬の黒戸尾根は雪も少なく,入山しやすいと小屋番と常連のお客さんから聞いたが、この長さを思うともう冬に来る事は無いだろうと思った。
しかし,雪景色も見たいなぁと一瞬頭をかすめた。



白山の紅葉

2008-10-10 13:53:57 | 登山
岐阜県の白水湖から白山の室堂まで続いている平瀬道から、紅葉を楽しみに登って来た。今まで四回白山には登っていたが,いずれも砂防新道からで、平瀬道は初めてだった。
最初は一人でも運転出来るからと計画したのだが、クライミング仲間のKさんが同行してくれたお陰で、運転中も眠くならず、また道中も楽しく過ごせて良かった。
今年の白山は、昨年の涸沢にも引けを取らない綺麗さだった。「綺麗ね!」行きも帰りも連発し続けた山行となった。「百回位は綺麗ね、ゆうたんちゃう?」と私が言ったら、「二百回位はゆうてるよ!」とKさん。「こんなときに,綺麗しか言えない私たちって悲しいね」、「そんなことゆうても、他になんて言えるんやぁ~」…。
こんな事を言いながら,行きも帰りもやっぱり「綺麗やなぁ~」の連発だった。
大倉山近くで出会った地元の方だと言う人が,「昨年のこの時期よりもずっと綺麗だ」と話されていた。その後の大倉山から室堂までの大倉尾根から見下ろした、左右の大白水谷とソロ谷は本当に言葉で言い尽くせない程の美しさだった。
大白水谷はナナカマドなのだろうか,赤が引き立った派手な紅葉で、ソロ谷はブナの黄色が中心の落ちついた紅葉だった。
登り続けた5時間弱はかなり大変なルートだが、この景色に救われた思いがする。おまけに帰りも眼下一面に広がる色彩に目がくらみそうになりながらの下山は,全く疲れ知らずだった。本当に堪能する位の紅葉を味わって来た。
途中で出会った青年に「綺麗ですね~」と話しかけたら、「食べちゃいたいくらいですよ!」と言葉が帰って来た。「面白い事をゆ~ね」とKさんが笑う。
この風景に出会えたのは、私たちも含めてほんとうに幸せな人たちだと思う。今週末体育の日の連休もまだ綺麗だろうが,人もいっぱいだろう。平日の静かな中で歩けたのは、もっと幸せだと思った二日間であった。

大白水谷側の紅葉



ソロ谷側の紅葉