『日本奥地紀行』イザベラ・バード著/高梨健吉訳(平凡社)を読み終えた。
明治十一年、47歳のイギリス人女性が、日本人の青年伊藤を伴って東北から北海道へ三ヶ月にわたって旅行したときの紀行文である。まさに、日本が近代文明へと突き進もうとしている時代でのこと、イザベラの旅した東北の農村の姿は、美しい田園風景の影に人々の貧困があった。そんな中でも、都市の近代化は進んでいたりと、農村との格差が驚く程あり、その様子がリアルに描かれている。それは、私の遠い記憶のなかでの農家の姿と生々しく繋がり、よりいっそうリアル感が増した。私の子ども頃は、ほんとうに貧しかった。シラミ、ノミ、ネズミは日常的にいたような記憶もある。読んでいるうちに、オーバーラップして来ることが多い。
なかでも北海道のアイヌの描写は克明で、私のアイヌに対する知識の無さを暴露した。この本から、いろんなことを初めて知った。
見せ物的な好奇心の目に遭いながらも、イザベラ・バードから見た日本人はとても好意的に描いている。貧乏でも、人々は思いやりがあり礼儀正しい。現在の日本人には欠けていってるように思う。文明が人々から、奪って行ったものだろう。反面、このころの農村の人々が、いかに閉塞した中で生きていたかよくわかる。
イザベラ・バードのスケッチもどこかで見たことがあるような記憶を呼び起こす。この本を読んでいるとこの時代にタイムスリップして、あたかも自分が旅行をしているような錯覚すら覚えた。
もっと興味津々だったのが、この本にしょっちゅう出て来る伊藤という通訳の青年。この人物は、いったいその後はどうしたのだろうという疑問からネット検索をしたら、中島京子著『イトウの恋』という本が出ているということだ。この本は、この日本奥地紀行を題材にして、イトウが母親程も年齢の違うイザベラ・バードに恋をしていたという設定の恋愛小説らしい。面白そう!
話しはそれたが、『日本奥地紀行』は久しぶりに面白い本だった。
明治十一年、47歳のイギリス人女性が、日本人の青年伊藤を伴って東北から北海道へ三ヶ月にわたって旅行したときの紀行文である。まさに、日本が近代文明へと突き進もうとしている時代でのこと、イザベラの旅した東北の農村の姿は、美しい田園風景の影に人々の貧困があった。そんな中でも、都市の近代化は進んでいたりと、農村との格差が驚く程あり、その様子がリアルに描かれている。それは、私の遠い記憶のなかでの農家の姿と生々しく繋がり、よりいっそうリアル感が増した。私の子ども頃は、ほんとうに貧しかった。シラミ、ノミ、ネズミは日常的にいたような記憶もある。読んでいるうちに、オーバーラップして来ることが多い。
なかでも北海道のアイヌの描写は克明で、私のアイヌに対する知識の無さを暴露した。この本から、いろんなことを初めて知った。
見せ物的な好奇心の目に遭いながらも、イザベラ・バードから見た日本人はとても好意的に描いている。貧乏でも、人々は思いやりがあり礼儀正しい。現在の日本人には欠けていってるように思う。文明が人々から、奪って行ったものだろう。反面、このころの農村の人々が、いかに閉塞した中で生きていたかよくわかる。
イザベラ・バードのスケッチもどこかで見たことがあるような記憶を呼び起こす。この本を読んでいるとこの時代にタイムスリップして、あたかも自分が旅行をしているような錯覚すら覚えた。
もっと興味津々だったのが、この本にしょっちゅう出て来る伊藤という通訳の青年。この人物は、いったいその後はどうしたのだろうという疑問からネット検索をしたら、中島京子著『イトウの恋』という本が出ているということだ。この本は、この日本奥地紀行を題材にして、イトウが母親程も年齢の違うイザベラ・バードに恋をしていたという設定の恋愛小説らしい。面白そう!
話しはそれたが、『日本奥地紀行』は久しぶりに面白い本だった。