家の前の道は市道なんですが、私が生まれてから巣立つまでリヤカーしか通らなくてよかったので、舗装もされずとても狭かったのです。
それでも、近所の人が自動車に乗るようになってからは少しは広げられましたが、今でも普通車がぎりぎりやっと通れるぐらいです。
私の友人は、ほとんどこの路地を車で入りません。
7年前にここに引っ越してきた時にはCR-Vに乗っていましたが、出入りするのにストレスがたまるので、私はすぐに軽自動車にしました。
それはマツダのAZワゴンといってスズキのワゴンRと同じです。
母を乗せて出たり入ったりするには安心して通れるし、買い物など荷物も乗るので重宝していました。
つい一ヶ月ほど前のこと、AZワゴンの定期点検日でマツダの販売所に向かっていたら、対向車線に随分と目立つ赤い軽自動車が走ってきました。見るとマツダのマークではありませんか?
「あれ? 可愛い~っ! なに? なに?」
思っているうちに通り過ぎてしまいました。
マツダでの点検の説明もそこそこに「マツダに軽自動車のアウトドア系の可愛いい車ありますよね?」と聞いてしまっていました。
最初は、その営業さんもピンとこなかったようでしたが、おもむろにパンフレットを出してこられました。
「買うわけでは、ないんですよ」などと言いながら、パンフレットをパラパラめくってみて点検時間を待っていました。
AZワゴンの点検が終わって点検内容の説明を聞いていたら、「タイヤの交換、バッテリーの交換、今年10月に車検…」と続き「いま買い換えたら、高く下取りが出来るので、買い替えのチャンスですよ」と続く。
いままで、そのように言われて買い替えを勧められることは数回かあったのですが、これは営業トークだと思っていたし、また車に全く興味のない私はいつも無視してきました。
その目に止まった車は、スズキのハスラーでマツダではクロスオーバーという名前で販売されていました。
「見積もり出さしてください」と言われ、「買いませんよ!」と念をおして見積もりを出してもらいました。
「高い! これだったら普通車買える値段や」とそのときの感想でした。
「でも、家の前の路地はやっぱり軽でないと…」
などと、そのときはいろいろ考えていましたが、そのまま帰りました。
その後、試乗したりネットで検索したりでかなり調べたら、4輪駆動でターボにしたら山道でもいけそうな車で、雪道山道を走っている投稿がYouTubeにも出ていました。「なかなかいいやん」と、気持ちが傾いてきました。
それは母の一周忌を迎え、自由になったこれから私がやりたいことが再び山に登りたいということでした。
この車のライトと目が合ってから、次第にこの車しかないと思ってしまいました。
けっきょく、一目惚れだったんですね。
あっという間に結論が出て、買い換えてしまいました。
衝動買いかもしれません。
それにしても、盛んに山に行っていた時期からはもう十年近く経っています。
おまけに歳も取りました。
これからいつまで山に行けるかわかりません。
それでも、これから残された人生の良い相棒になってくれるでしょう。
そして、この車が最後の車になることでしょう。
おかげで山も運転も無理せずゆっくりともう少し楽しみたいと思うようになりました。
車の納車日(3月28日)記念撮影です。