素体は「ガンダムAGEタイタス」とにかく関節がよく動き、特に肩周りに力を込めたポーズが上手く再現できる理由で決定。ただし、そのままでは多少塗装したくらいでは消えないガンダム臭さがあるので、手を加えてパーツ印象を変える必要があります。
その前に、ホロブンの意匠の取捨選択をします。今回巨大ロボ化するにあたり、そのまま縮尺率変更したような姿にはしません。一応ゲームシナリオという物語の登場人物であり、周囲の他プレイヤーも一緒に行動するので、動機の整合性は取りたいところ。ホロブンはなぜ巨大化を望み、どこから巨大化していき、どこの機能を省くのか、をキャラクター内面を鑑みて決めていきました。巨大ボディに移植するにあたって、ホロブンが成立する条件と、その境界線を探します。
・緑色の服と、右のレッドショルダー
・一本角兜(ドワーフ兜は二本角が多い)
・鼻筋の通った彫りの深い顔
・2丁の戦斧
・揃いに束ねられたヒゲ
外見的特徴はこのくらい。ここから個人を特定しやすい要素を引きます。顔や服は戦闘能力に無関係なので削除。するとただの斧ガンダムになったので、角とヒゲを足します。角はドワーフ少数派の一本角記号。ヒゲは逆に、それさえあればなんでもドワーフに見えるくらいの一般記号。
これで「ホロブン個人由来要素は無いけど、能力装備要素は再現された」シルエットの似た別物になりました。
なぜ、敢えて基本デザインを変えるのかというと、ホロブンの内面的特徴が「火力追求以外はどうでもいい」だからです。強くなるために自分の省ける部分を躊躇なく削れる人なのです。生命・財産・感情など個人に帰属するものは真っ先に捨てました。ならば巨大ロボ化で強さに影響ない色と顔は不要です。
二週間という僅かな時間で、ぼんやりと4倍サイズに拡大するなら、手っ取り早く身体構造はそのままに、質量を増していく形になるだろうと考えました。これが二千年とかの長期間かけて自己進化などの話なら、武器と動力が直結した単純な形状になってるでしょう。モーター(動力)とプロペラ(刃物)だけ付いた子供の夏休み工作みたいな奴。
そもそもホロブン自身のオリジナルはシナリオ本編途中で消滅しており、今動いてるのは複製品です。何を持ってしてホロブンと呼ぶかは攻撃性能に依ります。
・ヴォーパルドワーブンウォーアクス2丁
・旧式フォローアップブロウ
・フルパワー攻撃負荷を1回立て直すリカバリ
これら条件を満たしたキャラクターシートの数値を、私はホロブンと呼びます。
では、これら条件を巨大サイズに再構成します。
ガンダムタイタスを素体に若干パーツを切り貼りし、可動範囲を広げたり、ガンダム意匠を消したりします。
両手にデカイ斧を装備。戦う以外の行動しないのでがっちり接着します。死んでも武器は外れません。むしろこれが本体。
意外と重要なのがヒゲ。下顎と胸にかけてギザギザしたものが並んでいますが、これはノコギリの刃です。ホロブン無意識下でボディを再構成したら、獰猛な本性がそのまま反映されて、以前と似て異なる姿に変わった象徴部分にしました。もはやドワーフなど辞めました。額と顎の増加装甲で顔の表情が見えないのも、他者とコミュニケーションをとる必要が無いためです。
そのまま取ってつけた一角を頭に装備。これで、斧、角、ヒゲが揃ったので生前ホロブンの60%は再現できました。これだけ意匠あれば十分でしょう。
足首周りの装甲をノコで切り離して、可動域確保して付け直し。これで深く腰を落とした踏ん張り姿勢が取りやすくなりました。背中にはデカイ背負い物着けたいのですが、ガンダムの背中は平坦面が小さいうえ、斜め形状でどうにも活用しにくい。元々ホロブンは瞬間的に80%程の体力回復が可能で、その能力も見た目に反映したいと考えていました。具体的にはドラム缶2本背中に背負って、回復後にガランガランと切り離して廃棄する感じ。その体力タンクがどうしても2本並べて背中に付けられない、ガンダムの背中では小さいのです。横に並べないなら、縦に並べようと強引にアームで接続しました。タンクからチューブを胸部装甲内に伸ばして、外付け補修材らしき外見も整いました。
次は塗装。私は元来塗料使いが下手糞で塗装は敬遠するのですが、最終決戦用キャラくらいはしっかり仕上げてやりたいところ。シナリオ内でもせいぜい二週間程度の時間しかないので、突貫工事で作って塗装してる暇は無いでしょう。金属の地金むき出しなのはシルバー単色で楽だと思いました。元シルバーそのままでは色調が明る過ぎたので、結局調色して塗り直し。溶剤の加減がわからず、ボディパーツが割れてしまい、もう一度作り直したり大変でした。
色配置にもこだわりがあって、基本ボディは暗めのシルバー。内部駆動機関が覗く部分はゴールド。増加装甲が間に合った部分はブラック。な具合に構造と製材の違いが見てわかる感じに色分けしました。
見た目の割に苦労したけど、完成した出来には満足しています。キレイな展示品ではなく、卓上で動かしてポーズ取らせる駒なので分かりやすさ重視です。
ここで一旦完成したつもりでした。
ゲーム直前にぱーるさんが「アニメやゲームからそのまま持ってくる二番煎じはオリジナルを超えられない」とか呟いてました。今それを言うのか。達成感が揺らぐだろ。
ゲーム本編は翌日です。
まだ足りないよね。オリジナル要素欠けてるよね。ガンダムだし。
見た目に意志が足りてない気がします。
ホロブンはずっと意識が薄いと書いてきました。しかし、言葉に表さなかっただけで、こいつには8年間終始一貫した指針がありました。徹底した損害採算度外視の超攻撃型戦法です。ラッシュ攻撃フルヒット叩き込めるなら、なりふり構わず全て犠牲にする一極集中志向。自分が倒れようが出番減ろうが大した問題ではありません。一言呟くエネルギーすら無駄遣いしたくないから喋らないのです。
台詞は皆無。人間関係も放棄。地位財産も最小限。しかし、振るう武器は世界最強。使う技は違法禁則。反動負荷が身体を蝕み、稼働維持わずか12秒。それでもなお高火力の果てに届かず、もはや肉体は能力の枷でしかありません。貧弱なW数1D12を2D10に増やすため、私はドワーフ辞めるぞ。
フィギュアの変更は身体の放棄と同時に8年間の容姿さえも捨てました。明言しなかったけどホロブンは次回の強さを得るために、これまでの想い出すら犠牲にしたとも解釈もできます。実際そのつもりです。
武器を振るう躊躇に繋がりそうなしがらみは、少なく軽い方がアタッカーに都合が良いのです。
何も拠りどころの無い希薄な人格が、何度もアイデンティティ喪失を繰り返し、最後は毎回死にかける程の自壊ダメージを負う戦闘方法でしか自己確立できなくなったら、何らかの変調きたすのは当然だと思います。何もかも捨て去って殺傷力だけが残りました。
しかしこれは狂気描写ではありません。世界最強攻撃能力は、そこまでやるだけの価値と必要があります。ホロブンは徹頭徹尾目的遂行に尽力していただけです。本気で素面でこれが平常。
そんな傍目には異様な、本人には当然な、とうの昔に肚を括りきった性格をフィギュアに表現します。奥まった顔から強固な意志が覗くように、額の装甲板を切り欠きました。目の形状も塗り直しました。元ラインより細く絞った形に変え、瞳を描き込みました。ここで失敗したら、8年間の全てが無駄になります。瞳のサイズは大きくても小さくてもいけません。0.01ミリ単位で表情が変わります。
やった、出来た。
技術よりも気負いの問題。良いサイズの目が狙い通りの視線で描けました。
どうあっても消えない曲がらない不屈の意志を込めた、標的を見据える冷静な瞳にしたつもりです。ただの三白眼とも言います。
巨大サイズのホロブンフィギュアが完成しました。
クラス「破滅の先触れ」が己を呼び水に顕現した破滅本体を迎え撃つために、僅か二週間の突貫工事で建造した強化装備です。とはいえ、民間輸送船を解体した資材を単純に組み合わせて作ったハリボテで、腕部先端の強度と重量以外は無意味なパーツの塊でしかなく、受けるダメージも操縦手に素通しです。接敵面が4倍に増えたせいで被弾リスクも上がり、巨大サイズ相応の回復力を補うために大型増加タンクを強引に背負い、使用後はそのまま廃棄するなど、武装として非効率な欠陥が多いのですが、攻撃力だけは本物です。両手に固定されたダブル・ヴォーパル・ドワーブンウォーアクスは、元武器に100倍以上の金属を喰わせて質量を上げた特別製で、おそらくD&D世界でもかなり珍しい巨大サイズ30レベル武器。その基本ダメージは10面ダイス4つ。それを両手で2回撃つ。さらにキャラクター能力により1の目は振り直し、10の目は振り足し。
つまり10面ダイス8個振り、低い目は打ち消され、高い目は増え重なります。普通の片手剣が6面ダイス1個の世界で、この数の暴力は脅威です。
そんな脅威は普通シナリオだと許されないのだけれど、カイジュウ・タラスクを殴り倒すためだけに特別製な鉄の狩人を作りました。この世界で最初のイェーガー、名付けて「武鉄塊・滅」なんで漢字名なの、カッコイイからだよ。「武(勇の)鉄塊(を着た)滅(ぶン)」という意味だよ。
どうせ1回の出撃で使い潰す消耗品なのに、設定は盛りに盛りました。先程またパシフィック・リム観てたからな。機体名「ハービン・ドゥーム」の方がイェーガーらしかったかな。
最後の仕上げはキャラクターシートのデータ再検証。
攻撃力ダイス数が跳ね上がったので、操作感覚も変わります。D&Dでは1度にD10を10個以上振ることなどそうそうありません。今までの経験では一度も見たこと無い場面ですが、次回は頻発すると予想できます。そこで周囲から「それはおかしい」と指摘されても動揺せず続行するために、操作手順書を用意しました。
基本攻撃:4D10の2回攻撃(ダイス8個だがこれが普通だ)
クリティカルが出たら18D10を足す(重要なことはダイス量にビビらない)
2回でたら36D10、3回出たら54D10。つまり一度にダイス50個以上振る場面が有り得ます。結果から言えばそういう場面になりました。50個どころではないダイス数、1を振り直し、10は振り足し、膨大な数値に動揺して手が震えましたが、この手順書のおかげで混乱せずに済みました。大量のダイスを飛び散らさないよう、A4クリアファイルの蓋枠内で囲んで振る工夫もしました。
30レベル分の能力値と特技とパワーと装備も全部ルールブックと突き合わせて、数値の過不足や能力効果を確認しました。
能力値計算OK。
防御用スキルOK。
ブースト用スキルOK。
非常用機能各種OK。
前回拾った新アイテム「力のルーン」の性能確認。専用パワー「大腕力」STR判定にダイス目20として使える……覚えとこ。
長かったホロブン強化作戦も終了しました。まだ一つ小技が残ってるけど、それはゲーム当日に仕込みます。積めるだけの数値は全て積み込みました。
これが8年かけた成果です。思い返せば上手く行ったり行かなかったり紆余曲折しまくり、期待と落胆の繰り返しでしたが、手持ちの中でホロブンは最多回数使用キャラになっていました。使っててこれほど痛めつけたキャラクターも他にいませんが、まだ終わりじゃありません。
攻撃力増強のために違法改造2回もしやがって、こいつ絶対まともな死に方させないからな。
その前に、ホロブンの意匠の取捨選択をします。今回巨大ロボ化するにあたり、そのまま縮尺率変更したような姿にはしません。一応ゲームシナリオという物語の登場人物であり、周囲の他プレイヤーも一緒に行動するので、動機の整合性は取りたいところ。ホロブンはなぜ巨大化を望み、どこから巨大化していき、どこの機能を省くのか、をキャラクター内面を鑑みて決めていきました。巨大ボディに移植するにあたって、ホロブンが成立する条件と、その境界線を探します。
・緑色の服と、右のレッドショルダー
・一本角兜(ドワーフ兜は二本角が多い)
・鼻筋の通った彫りの深い顔
・2丁の戦斧
・揃いに束ねられたヒゲ
外見的特徴はこのくらい。ここから個人を特定しやすい要素を引きます。顔や服は戦闘能力に無関係なので削除。するとただの斧ガンダムになったので、角とヒゲを足します。角はドワーフ少数派の一本角記号。ヒゲは逆に、それさえあればなんでもドワーフに見えるくらいの一般記号。
これで「ホロブン個人由来要素は無いけど、能力装備要素は再現された」シルエットの似た別物になりました。
なぜ、敢えて基本デザインを変えるのかというと、ホロブンの内面的特徴が「火力追求以外はどうでもいい」だからです。強くなるために自分の省ける部分を躊躇なく削れる人なのです。生命・財産・感情など個人に帰属するものは真っ先に捨てました。ならば巨大ロボ化で強さに影響ない色と顔は不要です。
二週間という僅かな時間で、ぼんやりと4倍サイズに拡大するなら、手っ取り早く身体構造はそのままに、質量を増していく形になるだろうと考えました。これが二千年とかの長期間かけて自己進化などの話なら、武器と動力が直結した単純な形状になってるでしょう。モーター(動力)とプロペラ(刃物)だけ付いた子供の夏休み工作みたいな奴。
そもそもホロブン自身のオリジナルはシナリオ本編途中で消滅しており、今動いてるのは複製品です。何を持ってしてホロブンと呼ぶかは攻撃性能に依ります。
・ヴォーパルドワーブンウォーアクス2丁
・旧式フォローアップブロウ
・フルパワー攻撃負荷を1回立て直すリカバリ
これら条件を満たしたキャラクターシートの数値を、私はホロブンと呼びます。
では、これら条件を巨大サイズに再構成します。
ガンダムタイタスを素体に若干パーツを切り貼りし、可動範囲を広げたり、ガンダム意匠を消したりします。
両手にデカイ斧を装備。戦う以外の行動しないのでがっちり接着します。死んでも武器は外れません。むしろこれが本体。
意外と重要なのがヒゲ。下顎と胸にかけてギザギザしたものが並んでいますが、これはノコギリの刃です。ホロブン無意識下でボディを再構成したら、獰猛な本性がそのまま反映されて、以前と似て異なる姿に変わった象徴部分にしました。もはやドワーフなど辞めました。額と顎の増加装甲で顔の表情が見えないのも、他者とコミュニケーションをとる必要が無いためです。
そのまま取ってつけた一角を頭に装備。これで、斧、角、ヒゲが揃ったので生前ホロブンの60%は再現できました。これだけ意匠あれば十分でしょう。
足首周りの装甲をノコで切り離して、可動域確保して付け直し。これで深く腰を落とした踏ん張り姿勢が取りやすくなりました。背中にはデカイ背負い物着けたいのですが、ガンダムの背中は平坦面が小さいうえ、斜め形状でどうにも活用しにくい。元々ホロブンは瞬間的に80%程の体力回復が可能で、その能力も見た目に反映したいと考えていました。具体的にはドラム缶2本背中に背負って、回復後にガランガランと切り離して廃棄する感じ。その体力タンクがどうしても2本並べて背中に付けられない、ガンダムの背中では小さいのです。横に並べないなら、縦に並べようと強引にアームで接続しました。タンクからチューブを胸部装甲内に伸ばして、外付け補修材らしき外見も整いました。
次は塗装。私は元来塗料使いが下手糞で塗装は敬遠するのですが、最終決戦用キャラくらいはしっかり仕上げてやりたいところ。シナリオ内でもせいぜい二週間程度の時間しかないので、突貫工事で作って塗装してる暇は無いでしょう。金属の地金むき出しなのはシルバー単色で楽だと思いました。元シルバーそのままでは色調が明る過ぎたので、結局調色して塗り直し。溶剤の加減がわからず、ボディパーツが割れてしまい、もう一度作り直したり大変でした。
色配置にもこだわりがあって、基本ボディは暗めのシルバー。内部駆動機関が覗く部分はゴールド。増加装甲が間に合った部分はブラック。な具合に構造と製材の違いが見てわかる感じに色分けしました。
見た目の割に苦労したけど、完成した出来には満足しています。キレイな展示品ではなく、卓上で動かしてポーズ取らせる駒なので分かりやすさ重視です。
ここで一旦完成したつもりでした。
ゲーム直前にぱーるさんが「アニメやゲームからそのまま持ってくる二番煎じはオリジナルを超えられない」とか呟いてました。今それを言うのか。達成感が揺らぐだろ。
ゲーム本編は翌日です。
まだ足りないよね。オリジナル要素欠けてるよね。ガンダムだし。
見た目に意志が足りてない気がします。
ホロブンはずっと意識が薄いと書いてきました。しかし、言葉に表さなかっただけで、こいつには8年間終始一貫した指針がありました。徹底した損害採算度外視の超攻撃型戦法です。ラッシュ攻撃フルヒット叩き込めるなら、なりふり構わず全て犠牲にする一極集中志向。自分が倒れようが出番減ろうが大した問題ではありません。一言呟くエネルギーすら無駄遣いしたくないから喋らないのです。
台詞は皆無。人間関係も放棄。地位財産も最小限。しかし、振るう武器は世界最強。使う技は違法禁則。反動負荷が身体を蝕み、稼働維持わずか12秒。それでもなお高火力の果てに届かず、もはや肉体は能力の枷でしかありません。貧弱なW数1D12を2D10に増やすため、私はドワーフ辞めるぞ。
フィギュアの変更は身体の放棄と同時に8年間の容姿さえも捨てました。明言しなかったけどホロブンは次回の強さを得るために、これまでの想い出すら犠牲にしたとも解釈もできます。実際そのつもりです。
武器を振るう躊躇に繋がりそうなしがらみは、少なく軽い方がアタッカーに都合が良いのです。
何も拠りどころの無い希薄な人格が、何度もアイデンティティ喪失を繰り返し、最後は毎回死にかける程の自壊ダメージを負う戦闘方法でしか自己確立できなくなったら、何らかの変調きたすのは当然だと思います。何もかも捨て去って殺傷力だけが残りました。
しかしこれは狂気描写ではありません。世界最強攻撃能力は、そこまでやるだけの価値と必要があります。ホロブンは徹頭徹尾目的遂行に尽力していただけです。本気で素面でこれが平常。
そんな傍目には異様な、本人には当然な、とうの昔に肚を括りきった性格をフィギュアに表現します。奥まった顔から強固な意志が覗くように、額の装甲板を切り欠きました。目の形状も塗り直しました。元ラインより細く絞った形に変え、瞳を描き込みました。ここで失敗したら、8年間の全てが無駄になります。瞳のサイズは大きくても小さくてもいけません。0.01ミリ単位で表情が変わります。
やった、出来た。
技術よりも気負いの問題。良いサイズの目が狙い通りの視線で描けました。
どうあっても消えない曲がらない不屈の意志を込めた、標的を見据える冷静な瞳にしたつもりです。ただの三白眼とも言います。
巨大サイズのホロブンフィギュアが完成しました。
クラス「破滅の先触れ」が己を呼び水に顕現した破滅本体を迎え撃つために、僅か二週間の突貫工事で建造した強化装備です。とはいえ、民間輸送船を解体した資材を単純に組み合わせて作ったハリボテで、腕部先端の強度と重量以外は無意味なパーツの塊でしかなく、受けるダメージも操縦手に素通しです。接敵面が4倍に増えたせいで被弾リスクも上がり、巨大サイズ相応の回復力を補うために大型増加タンクを強引に背負い、使用後はそのまま廃棄するなど、武装として非効率な欠陥が多いのですが、攻撃力だけは本物です。両手に固定されたダブル・ヴォーパル・ドワーブンウォーアクスは、元武器に100倍以上の金属を喰わせて質量を上げた特別製で、おそらくD&D世界でもかなり珍しい巨大サイズ30レベル武器。その基本ダメージは10面ダイス4つ。それを両手で2回撃つ。さらにキャラクター能力により1の目は振り直し、10の目は振り足し。
つまり10面ダイス8個振り、低い目は打ち消され、高い目は増え重なります。普通の片手剣が6面ダイス1個の世界で、この数の暴力は脅威です。
そんな脅威は普通シナリオだと許されないのだけれど、カイジュウ・タラスクを殴り倒すためだけに特別製な鉄の狩人を作りました。この世界で最初のイェーガー、名付けて「武鉄塊・滅」なんで漢字名なの、カッコイイからだよ。「武(勇の)鉄塊(を着た)滅(ぶン)」という意味だよ。
どうせ1回の出撃で使い潰す消耗品なのに、設定は盛りに盛りました。先程またパシフィック・リム観てたからな。機体名「ハービン・ドゥーム」の方がイェーガーらしかったかな。
最後の仕上げはキャラクターシートのデータ再検証。
攻撃力ダイス数が跳ね上がったので、操作感覚も変わります。D&Dでは1度にD10を10個以上振ることなどそうそうありません。今までの経験では一度も見たこと無い場面ですが、次回は頻発すると予想できます。そこで周囲から「それはおかしい」と指摘されても動揺せず続行するために、操作手順書を用意しました。
基本攻撃:4D10の2回攻撃(ダイス8個だがこれが普通だ)
クリティカルが出たら18D10を足す(重要なことはダイス量にビビらない)
2回でたら36D10、3回出たら54D10。つまり一度にダイス50個以上振る場面が有り得ます。結果から言えばそういう場面になりました。50個どころではないダイス数、1を振り直し、10は振り足し、膨大な数値に動揺して手が震えましたが、この手順書のおかげで混乱せずに済みました。大量のダイスを飛び散らさないよう、A4クリアファイルの蓋枠内で囲んで振る工夫もしました。
30レベル分の能力値と特技とパワーと装備も全部ルールブックと突き合わせて、数値の過不足や能力効果を確認しました。
能力値計算OK。
防御用スキルOK。
ブースト用スキルOK。
非常用機能各種OK。
前回拾った新アイテム「力のルーン」の性能確認。専用パワー「大腕力」STR判定にダイス目20として使える……覚えとこ。
長かったホロブン強化作戦も終了しました。まだ一つ小技が残ってるけど、それはゲーム当日に仕込みます。積めるだけの数値は全て積み込みました。
これが8年かけた成果です。思い返せば上手く行ったり行かなかったり紆余曲折しまくり、期待と落胆の繰り返しでしたが、手持ちの中でホロブンは最多回数使用キャラになっていました。使っててこれほど痛めつけたキャラクターも他にいませんが、まだ終わりじゃありません。
攻撃力増強のために違法改造2回もしやがって、こいつ絶対まともな死に方させないからな。