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卓越性の探究者、波田野が皆さんに販売戦略・営業手法についてや、コミュニケーションについて思う事をお届けします。

マーケティング研究 他社事例 その106 がんを無くす!?最先端の研究③

2017-11-04 07:40:02 | ビジネス
こんにちは、彩りプロジェクトです。

このブログでは、中小企業支援を目的に様々な情報提供を行っております。

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彩りプロジェクトは経済産業省・内閣府 経営革新等認定支援機関(関財金1第492号)です。



がんを無くす!?最先端の研究③

識別制度と臓器特異性の両方を満たす腫瘍マーカーがあれば、解決に向かうのかというとそれだけではありません。

早期発見に向けて、診断の手軽さを満たす事も重要です。

そこで、プロジェクトチームが着目としたのが、血液中に流れる「マイクロRNA」と呼ばれる物質でした。

マイクロRNAは遺伝子の調整役として、細胞の発生や増殖などに深く関わっているとされています。

人間には2500種類以上のマイクロRNAを持っており、これが血液などの体液中を流れています。

実は、母乳にもマイクロRNAが存在し、これが赤ちゃんの免疫機能を高める役割を果たしています。

母乳は人体にとってプラスに働くマイクロRNAの事例ですが、一方でがん細胞のマイクロRNAが、がんの増殖や転移に関係していることが最近の研究で明らかになって来ています。

もう一つの特徴として、マイクロRNAは分泌するがんによって種類が異なることもわかってきました。

「種類が違うなら、がんの発生部位を特定するのに使えるのではないか」

プロジェクトチームは、逆転の発想で、がんがばらまいているマイクロRNAを利用しようと考えたのです。

マイクロRNAは、エクソソームという脂質でできたカプセル状の物質の中に入った状態で体内を移動しています。

エクソソームの直径はナノメートル(10億分の1)サイズと非常に小さいのが特徴です。

実はこれまでも存在は認識されていましたが、細胞が排出するごみ程度としか考えられていませんでした。

マイクロRNAがエクソソームに守られ、分解されずに血液中に長期間にわたって存在できることも研究には好都合でした。

理由は、微量の血液さえ採取出来れば、ほぼ確実にマイクロRNAを検出できるからでした。

こんなにも可能性を秘めているマイクロRNAです。

世界中の研究機関が黙っている訳がありません。

世界の臨床検査薬市場は5兆円規模とも言われています。

その中で欧米が8割を占め、なかでもがんの体外診断検査の市場は、世界的な需要の高まりを受けて拡大が見込まれています。

海外ではすでに、マイクロRNAに関する特許取得や技術の囲い込みが加速しています。

一方で、日本では学術的な研究は進んでいるものの、産業・ビジネス化までを見据えた取り組みはこれまでには無かったと言えます。

ですから、日本としても、マイクロRNAプロジェクトを立ち上げて、日本の医療機関の存在感を増す試みを始めたのでした。

(続く)



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