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卓越性の探究者、波田野が皆さんに販売戦略・営業手法についてや、コミュニケーションについて思う事をお届けします。

マーケティング研究 他社事例 452 「カメラ映像の録画・監視サービス1」 ~目指すは映像監視のプラットフォーマー~

2019-11-25 08:49:55 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 452 「カメラ映像の録画・監視サービス1」 ~目指すは映像監視のプラットフォーマー~


ある架空のお店がここにあるとします。

店舗に監視カメラがあります。

場所はレジスペース上部に設置しています。

店内には録画機器が置かれていないのに、店舗のオーナーはスマートフォンやパソコンで現在や過去の映像を確認できます。

カメラが捉えた映像を常時録画しているのは、インターネット経由で接続したクラウドサービスで実現します。

録画した映像を再生できるだけでなく、人の動きのあった時刻も把握できます。

店舗の防犯や現金トラブル抑止につながります。

これら一連のサービスを販売しているのがセーフィー(品川区)です。

録画の保存期間に応じた毎月の定額制サービスとして提供しています。

カメラは19,800円で購入でき、サービス使用料は30日分保存の場合で月に2,000円となります。

飲食店や小売店のほか建設現場の防犯、製造や物流の現場の可視化などの用途で広がり、対応カメラの累計出荷台数は2019年5月に4万台を超えました。

「カメラメーカーになるつもりはない。映像から価値を生むプラットフォームの提供者を目指してきた」とセーフィーの佐渡島社長は話します。

2017年9月にはオリックス、関西電力など大手5社から9億7000万円の出資を受け業務提携し、飛躍への足掛かりも確保しました。

セーフィーの源流はソニーで画像処理の研究開発を手掛けてきた木原研究所にあります。

2007年にソネットエンターテインメントが顔写真から3D(3次元)映像を生成する木原研究所生まれの技術を商用化する企業である、モーションポートレートを設立しました。

そこに2010年から加わったのが、2002年にソネットに入社した佐渡島氏でした。

マーケティング担当として、モーションポートレートの技術を応用したスマホアプリの事業展開に奔走する中で、2013年頃から新規事業の開発にも乗り出したのです。

そのとき新規事業のアイデアを出し合っていたのが、後にセーフィーを共同で立ち上げる森本数馬氏と下崎守郎朗氏だったのです。

ソニー出身の森本氏と木原研究所出身の下崎氏はそれぞれ別の会社を経て入社し、技術者として活躍していました。

「防犯カメラをクラウド化するというコンセプトはどうか」

佐渡島氏のアイデアに森本氏と下崎氏も乗り、「置くだけでつながる簡単なカメラがどんどん賢くなっていくプラットフォームを提供する」という方向性が見えてきたのです。

2014年夏には転機が訪れました。

もともと佐渡島氏は、モーションポートレートやソネットの事業として展開するつもりでした。

新事業立ち上げの経験が豊富なメンバーが多いうえ、規模が大きくなったときに人を増やしやすいというメリットがあったからでした。

ソネットの親会社であるソニーの監視カメラ事業と協力できるとの期待もありました。

(続く)



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