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トイレットペーパー“品薄はデマ” も不安に歯止めかからず

2020年03月03日 12時18分11秒 | いろいろな出来事

トイレットペーパー“品薄はデマ” も不安に歯止めかからず


新型コロナウイルスの感染が広がる中、品不足になるという不安から買いだめの動きが出ているトイレットペーパーをめぐり、業界団体などが誤った情報だとして注意喚起を行って以降も、ツイッター上では品薄を訴える投稿が急増していて、人々の不安に歯止めがかかっていない状況がみてとれます。

新型コロナウイルスの感染が世界各地で広がる中、香港やシンガポールなどでは先月上旬からトイレットペーパーが品薄になっているという報道があり、日本国内でも「原材料が中国から輸入できなくなる」といった内容の投稿がSNSに寄せられていました。

これについては、熊本市の市長が先月27日にデマに注意してほしいと呼びかけたのをはじめ、翌28日には業界団体や経済産業省などが「供給に不足はない」などと冷静な行動を呼びかけています。

これに関連して「トイレットペーパー」ということばを含むツイッターの投稿を調べたところ、先月26日までは1日当たり2000件程度でしたが、翌27日には前日の10倍程度、28日にはさらにその10倍に急増しています。

このうち、「品切れ」や「不足」といった内容を含む投稿も先月27日から急増していて、28日と29日にも数万件もの投稿が寄せられています。

デマを訂正する投稿がある一方、「みんなトイレットペーパー買っててだめだなぁとか思っていても、品薄になって逆に自分が困るから買わなくちゃいけなくなる」とか、「トイレットペーパー不足は誤りっていう情報が出てるけどその前の情報のせいで買い占めが起きてるから結果的に不足している」など誤った情報と理解しながらも、購入したという投稿も多くみられ、冷静な行動が呼びかけられる中でも人々の不安に歯止めがかかっていない状況が見て取れます。

2020年3月2日 15時34分



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新型肺炎で飲食店のキャンセル急増!

2020年03月03日 12時06分45秒 | 食のこと
新型肺炎で飲食店のキャンセル急増!知られざる「窮状と対策」事情


銀座を歩く人は、半分に減った。こんな銀座、見たことがない」

 こう語るのは、銀座2丁目にある高級日本料理店「銀座 瀬里奈」の田坂信介支配人。一変した街に驚きを隠せない様子だ。もちろん、このように新型コロナウイルス(新型肺炎)の影響を受けているのは、銀座だけではない。さまざまな街の多くの飲食店が、大きな打撃を受けている。

【飲食店が行っている「新型肺炎対策」の様子はこちら】

 飲食・フード産業に特化した求人サイト「クックビズ」を運営するクックビズは、飲食企業を対象に、新型コロナウイルスの影響についての調査を実施。「新型コロナウイルス感染者が発生後、店舗の売り上げに影響はありましたか?」という質問をしたところ、「大きな影響が出ている」31.0%、「多少の影響が出ている」20.0%と、半数以上が「影響が出ている」と回答。

 さらに、「今は影響が出ていないが、今後、多少は影響が出そうだ」(20.0%)という回答を含めれば、7割以上の飲食店に影響が出る可能性があることがわかる。しかも同調査は、2月6日~13日に実施されたもの。半月以上たった現在は、さらに影響が出ている飲食店が増えている可能性も高い。

 飲食店向けの予約・顧客管理サービスを展開するTableCheckの仁木有花氏も、現状をこう語る。

 「(同社クライアント飲食店での)2020年2月の飲食店向けの予約数は、昨年比で約2割の減少となる見込みです(27日時点での実績を基に試算)。原因はすべて明らかにはなっていませんが、弊社でも新型コロナウイルスによるキャンセルなどが大きな割合を占めると考えています」

 政府がイベントの中止やリモートワーク、公立学校の休校など「自粛」を要請したことで外出を控える人が増えた中、飲食店の状況と対策は、どうなっているのか。

● 中国人と高齢者が相次ぎキャンセル 「従業員のマスク着用」に悩みも

 「1月下旬以降にキャンセルが相次ぎ、2月3日頃から急激にお客様が減少した。昨年の同じ時期より、(客は)2割ほど減っている」(銀座 瀬里奈・田坂支配人)

  銀座 瀬里奈は、しゃぶしゃぶや炭火焼きステーキなどを食せる日本料理店。しかも銀座の中央通りに面している場所柄、多くの外国人が訪れる。今回の騒動が起こるまでは、海外からの顧客が30%を占めており、そのうち80%が中国人だったという。しかも中国人の観光客は、神戸牛を求めて来店する人も多く、客単価も高いそうだ。
しかし、中国人をはじめとした外国人観光客の減少に伴い、現在では海外からの顧客の割合は10%程度にまで減少している。

 減ったのは海外からの顧客だけではない。田坂支配人が「70歳以上のお客様やそのご家族からのキャンセルも相次いでいる」というように、高齢者の顧客まで減少しており、“ダブルパンチ”の状態だ。

 「20年以上この仕事をしているが、こうした状態に陥ったのはリーマンショックや狂牛病のとき以来かもしれない」(田坂支配人)

 現在、来店する顧客に安心してもらうための対策として、従業員へは手洗い・うがいの徹底と、接客を一度するごとにアルコールなどの消毒剤で消毒を行うように指導している。さらに、店の入り口やトイレにも消毒剤を見えやすい場所に置くことで、消毒を促しているという。

 しかし、田坂さんが対応に悩んでいるのが「従業員のマスク着用」だ。会社からは「マスクを着用しての接客」への許可が出ているものの、まだ実際には行っていないという。

 「私たちのお店では、海外からのお客様も多く、着物を着て接客するのも一つの“おもてなし”になっている。その姿にマスクをすることで、非日常を味わいたいと来店するお客様をがっかりさせる印象になったり、お客様への敬意が欠けたりしないかと考えて、まだマスクをすることに踏み込めていない」(田坂支配人)

● 「海外客はオールキャンセル」 ミシュラン名店は1日3組限定営業へ

 このように対策に悩む飲食店が少なくない一方、大きな決断を2月中旬に下した飲食店がある。

 麻布十番にある3年連続でミシュランの星を獲得している「石垣吉田」。大きな鉄板のあるカウンター席で、鉄板焼きなどの革新的な料理を楽しめる高級店だ。

  実は同店、2月17日から新型コロナウイルス終息宣言が出るまで「1日3組限定の貸し切り営業」を行う決断をした。昼12時~15時、17時~18時、19時半~21時の間でスタートできる3部制にして、他の顧客と同席することなく食事ができるようにしたのだ。1日3組限定の貸し切り営業を決断した理由を、石垣吉田の吉田七奈子さんはこう語る。

新型コロナウイルスの影響で、1月後半から2月、3月の海外からの予約はオールキャンセルになった。

 さらに1月下旬、香港人のお客様の隣に座っていた日本人のお客様から(中国人と思い込んで)『大丈夫?』と聞かれたことがあった。確かに100%大丈夫とは言い切れない部分はあるが、中国人の方もとても大事なお客様。鉄板焼きでお出しするというスタイルで、カウンターにほかのお客様同士が並んで座られるため、このままではお客様同士のストレスになると思った」

 同店では海外からの顧客と日本人客の割合がほぼ半々。そのうち、中国人が2~3割を占めており、リピーターが多く、新たな顧客の紹介も多いという。現在は日本人同士の感染も懸念される状態になっているため、「中国人、日本人のどちらのお客様も安心して過ごせるように、ストレスのない環境をつくりたい」(吉田さん)と、貸し切り営業だけでなく、対策を徹底させている。

 まず、店のある3階にエレベーターで到着すると、上着やマフラーをクロークに預け、アルコール消毒をしてもらう。また、消毒液が用意されており、手指だけでなく、マスクもアルコール消毒をしてから入店する。

 そのほか、トイレは顧客が使用するごとにスタッフが清掃を行う。トイレの扉、ボトル、タップパネルとペーパーホルダー、便座、床などのアルコール消毒を行うため、「お化粧室は余裕をもってご利用ください、と伝えている」(吉田さん)という。

 懸念されるのは、1日3組限定にしてしまうことでの売り上げへの影響だ。

 「私たちのお店は1人でいらっしゃるお客様も少なくなく、今回ももちろんお1人のお客様もOKにしています。通常であれば、貸し切り料金を最小でも40万円いただいているものの今回はこうした事態ですので、もちろんいただきません。売り上げへの影響は大きいですが、無理をしても次につながらないと思っています」(吉田さん)

 政府がスポーツ・イベントなどの自粛や、企業へのテレワーク実施の呼びかけ、全国の公立小・中・高校の休校を要請するなど、世の中全体が外出を避けなければならない雰囲気になっている。今はまだ耐えられる体力のある飲食店でも、この状況が長期化すれば、影響は大きなものになり、閉店、倒産に追い込まれる店が続々と出てくるだろう。

 飲食店は「おもてなし」を大事にしなければならないと同時に、「顧客の安心・安全」をどう守るか。そのはざまで揺れているのが現状のようだ。



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3月末の終息困難、感染はさらに拡大の恐れ」東北医科薬科大・賀来特任教授

2020年03月03日 11時48分34秒 | 医療のこと
3月末の終息困難、感染はさらに拡大の恐れ」東北医科薬科大・賀来特任教授


東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染制御学)は2日、新型コロナウイルスの感染拡大に関し「3月中に終息する可能性は低い」との見方を示した。仙台市議会自民党会派で講演後に報道陣の取材に答えた。

【図】宮城県の新型コロナウイルス感染疑いがある患者の対応の流れ

 賀来特任教授は講演で、2日に愛媛県で初の感染が確認されたことに触れ「まだ感染者が出ていない地域でも、今後発生する可能性がある」と解説。「集団感染が連鎖的に起きると、感染はさらに拡大する恐れがある」と注意を促した。

  子どもが重症化する割合は低いとしながらも「インフルエンザの感染は家庭の次に学校が多い」と指摘。全国の小中学校で始まった一斉休校を「大人にうつすリスクを下げる意味で必要な対応だ」と評価した上で「子どもと高齢者ができる限り、接点を持たないことが望ましい」と提言した。     
河北新報





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新型コロナ感染予防めぐりデマ拡散「ネットの噂」の真偽は

2020年03月03日 11時41分02秒 | 日々の出来事
新型コロナ感染予防めぐりデマ拡散「ネットの噂」の真偽は


コラム【人生100年時代の歩き方】

 新型コロナウイルスの感染予防対策をめぐる「チェーンメール」がフェイスブックなどのSNSを中心に出回っている。日刊ゲンダイ記者のLINEにも、〈私の友人二人からの新型肺炎に対してのアドバイス〉が届いた。医療機関に勤める方からの情報だそうだ。どれも怪しい話だが“善意”で拡散されてしまうから恐ろしい。

 複数のチェーンメールを読んでいくと、共通した対策法がある。実際に効果はあるのか。専門家に解説してもらおう。

  ◇  ◇  ◇

【噂】今回のコロナウイルスは非常に熱に弱い。耐熱性に乏しく、26~27度の温度で死滅する

「ありえません。ヒトの平均体温は36度後半から37度。ウイルスはタンパク質からできており、体温よりも低い温度では不活性化は起きません。つまりコロナウイルスは低温で死なないのです」(ウイルス学が専門の中原英臣氏=医学博士)

 一般的には新型コロナやSARSなどの「エンベロープウイルス」の場合、消毒効果には“80度以上の熱湯による10分以上の処理”が必要だという。

 メールには〈体温より熱いお風呂も有効〉とあったが、いわゆる滅菌効果が期待できる熱湯に入るなら、命の危険がある。ちなみにダチョウ倶楽部が入っていた熱湯風呂でさえムリだ。

結論=ウソ

     ◇

【噂】白湯(さゆ)を飲むことはコロナウイルスに効果的だ

 先の結果から考えれば、ウイルスを殺菌できるほどの超熱湯を“白湯”として飲むことは不可能だろう。飲んだところで、日本感染症学会も「科学的に証明されたデータはありません」(担当者)という。

結論=ウソ

     ◇

【噂】民間の研究機関(医科大学)及び海外(アメリカ)からの情報によると、潜伏期間は27日

 そもそも、世界保健機関(WHO)によれば、現時点の潜伏期間は最大12・5日。感染者は2週間の経過観察が求められている。一方、中国政府の専門グループの研究発表では、新型コロナウイルスへの感染が確認された患者1099人を分析した結果、潜伏期間が最長24日間に及んだという報告もあるからややこしい。

 日本感染症学会は「27日は聞いたことがない」(担当者)という。

 中原英臣氏も「中国のデータですから……」と懐疑的だ。

「中国の話に限らず、世界的に認められた潜伏期間の検証は出てきていません。生物現象にはバラツキがあって、陽性でも無症状の人もいれば重症化する人もいます。潜伏期間も同じ。何日発症しなければ安全とは断定できないでしょう」

  温度にしろ潜伏期間にしろやたら「27」という数字が出てくるが、新約聖書「マタイ伝」の27章は「イエスを十字架にかける」までが書かれている。まっ、関係ないと思うが……。

【噂】鼻水と痰が出る場合は新型コロナウイルスではない

 これはツイッターでも拡散されていた。肺炎の研究で武漢の大学に行かされているという博士号を持った人物の知人からのまた聞きだそうだが……。

「一般的に喉に炎症を起こすことで肺炎を発症しやすくなります。新型コロナウイルスによる肺炎も同じ。喉に炎症を起こせば熱も出るし、痰も鼻水も出ます。このツイッターの情報は全く根拠がありません」(中原英臣氏)

 厚労省HPによれば、国内13例目の20代女性は鼻水が続くため医療機関を受診して発覚したという。風邪の諸症状だからと思わずに異変を感じたら、保健所などに相談しよう。

結論=ウソ

     ◇

【噂】高熱がある場合は、体を温めて、しょうがスープを飲んで体内の熱エネルギーを増やすことで、ワクチン接種をしなくてもよい

 メールにはより多くのしょうが、ニンニク、唐辛子、こしょうを取ることを勧めていたが、食べるだけで予防できるという食品はない。

「これらの食材には多少の殺菌効果はあります。ただし、新型コロナウイルスに効果があるわけではありません。予防できるなら、すでに研究機関が成分を取り出して新薬の開発をはじめていますよ」(中原英臣氏)

 ワクチン接種と食事療法は別物だ。そもそも、日常的にキムチを食べている韓国人でも、すでに数千人規模の感染者を出しているから唐辛子やニンニクは関係なさそうだ。

 ほかにもネットでは、〈コロナにはカレーが効く〉なんて噂も拡散されている。武漢から帰国した600人以上のインド人の新型コロナウイルス検疫結果が全て陰性だったり、国内での感染者数が少ないという報道から、〈カレーのスパイスが関係しているのか〉と話題に。カレーといえども、タイ人は数多く感染が報告されている。スパイスの違いとでもいうのか。いずれにしても科学的根拠はない。

結論=ウソ

     ◇

【噂】甘いものや、酸味の多いもの、塩分の摂取は少なめにする

 これはもはや一般論だ。糖尿病や高血圧、がんなどを予防するには気を付けなければならない。前出の中原氏も「論外ですね」と呆れ気味だ。こうした噂は2002~03年に大流行したSARSのときも飛び交ったという。

「当時は、お酢が予防に効くといわれましたが、一般的に食事で摂取できる量に殺菌作用はありません」(中原英臣氏)

 外務省海外安全HPにも〈酢に含まれる酢酸には消毒効果があるが、これは濃度が高い場合である。……基本的には無効〉と記載されている。
惑わされてはダメだ。

結論=ウソ

     ◇

【噂】ウイルスは太陽にさらされると完全に消えます

「確かに太陽の紫外線は殺菌効果があります。空気の入れ替えと一緒に布団を干すことはいいと思いますが、日光浴=ウイルス除去にはなりません。免疫力アップにも関係ないし、浴びすぎれば皮膚がんのリスクが上がりますから日光浴はオススメしません」(中原英臣氏)

 日光浴によって「ビタミンD」が生成されて、免疫力が上がるなどともツイッターで出回っているが、国立健康・栄養研究所は「ビタミンDの新型コロナウイルスに対する効果は確認されていません」と注意喚起をしている。

結論=ウソ

     ◇

 デマ情報に踊らされてトイレットペーパーを買い占める困ったちゃんも出ている。ネット情報を信じるのはほどほどに。



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北海道全域に感染者点在」「接触を最大限避けることが必須」新型コロナ専門家会議見解全文

2020年03月03日 10時21分38秒 | 医療のこと
北海道全域に感染者点在」「接触を最大限避けることが必須」新型コロナ専門家会議見解全文

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が2日に公表した見解は以下の通り。



【ノーカット版動画】安倍首相、新型肺炎対応で記者会見

 この見解は、新型コロナウイルス厚生労働省対策本部クラスター対策班が分析した内容に基づき、専門家会議において検討した結果をまとめた見解です。

 現在までに明らかになってきた情報をもとに、我々がどのように現状を分析し、どのような考えを持っているのかについて、市民に直接お伝えすることが専門家としての責務だと考え、この見解をとりまとめました。

 なお、この内容はあくまでも現時点の見解であり、随時、変更される可能性があります。

 ◇1.この一両日で明らかになったこと

(1)症状の軽い人からの感染拡大

 これまでは症状の軽い人からも感染する可能性があると考えられていましたが、この一両日中に北海道などのデータの分析から明らかになってきたことは、症状の軽い人も、気がつかないうちに、感染拡大に重要な役割を果たしてしまっていると考えられることです。なかでも、若年層は重症化する割合が非常に低く、感染拡大の状況が見えないため、結果として多くの中高年層に感染が及んでいると考えられます。

(2)一定条件を満たす場所からの感染拡大

 これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていません。

 一方で、一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。具体的には、ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘(じゃんそう=マージャン店)、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント等です。このことから、屋内の閉鎖的な空間で、人と人とが至近距離で、一定時間以上交わることによって、患者集団(クラスター)が発生する可能性が示唆されます。そして、患者集団(クラスター)が次の集団(クラスター)を生むことが、感染の急速な拡大を招くと考えられます。

(3)重症化する患者さんについて

 これまでにわかってきたデータでは、感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっています。しかし、重症化した人も、約半数は回復しています。

 重症化する患者さんも、最初は普通の風邪症状(微熱、咽頭<いんとう>痛、咳<せき>など)から始まっており、その段階では重症化するかどうかの区別がつきにくいです。

 重症化する患者さんは、普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急速に悪化し、肺炎に至っています。

 ◇2.現在の北海道の感染状況

 推定される発症者数は、日ごとに急速に増加していると考えられます。しかし、この1-2週間の間に、人と人との接触を可能な限り控えるなど、積極的な対応を行えば、感染拡大を急速に収束させることが可能です。しかし、そうした対策を実施しないと、急速に北海道全体に感染者が拡大する恐れがあります。

 ◇3.なぜこのような感染状況に至っているか

(1)北海道における地域的特徴

 都市部には、人口が多く、社会・経済活動の活発な若年層が集中していますが、他の圏域には重症化のおそれのある高齢者が多く住んでいるという特徴があります。また、北海道の6圏域間の人の移動は、都市部と他の圏域との間での流動が多い状況です。

(2)北海道における感染の特徴

 北海道には中国からの旅行者が多く、そうした人々から感染が広がったと考えられます。北海道全体をすべて覆うほどの感染状況にはなっていませんが、北海道全域に感染者が点在している状況です。また、人口比率で考えると、圧倒的に遠隔地で感染者の報告数が多い状況です。

(3)現状に至った理由

 都市部においては、社会・経済活動が活発な人々が、感染のリスクが高い場所に多く集まりやすく、気づかないうちに感染していたと考えられます。なかでも、若年層に、症状の軽い人が多いと考えられ、そうした人々の一部の人が他の圏域に移動することで、北海道の複数の地域に感染が拡大し、感染した高齢者のなかから症状が出たことが報告されたことによって、感染の拡大状況がはじめて把握できたと考えられます。

 ◇4.北海道で実施すべき対策

 感染を急速に収束の方向に向かわせるためには、人と人との接触を最大限に避けることが必須です。これを、いま集中して実施すべきです。もし、こうした対策が行われず、人々が何も行動を変化させない場合、感染者数が急増し(赤い上昇線)、一定の潜伏期間後に発症者数も急増することが予想されます(青い上昇線)。その一部の方々は、重症化する可能性があります。こうした事態に至ると、多くの人々に健康被害をもたらすほか、医療提供体制に甚大な悪影響を及ぼす事態を招きます。

 しかし、現時点で、人々が急速な感染拡大を抑制するために適切な行動へ切り替えれば、新規の感染者数は急速に減少していくと見込まれます(赤い点線)。これがうまくいけば、今後、患者数が急激に増えることはありません(青い点線)。ただし、潜伏期間があるため、患者数の減少が確認できるまでにはタイムラグがありますので、人々の行動が大きく変わってから2週間ほど経過しないと、その効果を評価することはできません。

 なお、感染症のなかには、大多数の人々が感染することによって、感染の連鎖が断ち切られ、感染していない人を保護する仕組みが機能できるものもあります(集団免疫の獲得)。しかし、現在の感染状況は集団免疫を期待できるレベルではありません。

 また、一度感染した人が再び感染するかどうかは、まだわかっていません。

 ◇5.北海道の皆様ができること

 武漢では、社会機能を停止させることによって感染拡大の収束に向かっていますが、現時点では、日本では社会機能を可能な限り維持しつつ、感染拡大を最大限に抑制することが求められています。そのためには、できる限り多くの人々に、次のような行動をとっていただきたいと考えています。

①軽い風邪症状(のどの痛みだけ、咳だけ、発熱だけなど)でも外出を控えること

②規模の大小に関わらず、風通しの悪い空間で人と人が至近距離で会話する場所やイベントにできるだけ行かないこと(例えば、ライブハウス、カラオケボックス、クラブ、立食パーティー、自宅での大人数での飲み会など)

 ただし、症状のない方にとって、屋外での活動や、人との接触が少ない活動をすること(例えば、散歩、ジョギング、買い物、美術鑑賞など)、手を伸ばして相手に届かない程度の距離をとって会話をすることなどは、感染のリスクが低い活動です。

 北海道の事業者の方へのお願い

 上述したように、症状が軽く、経済・社会活動が活発な人々を介して、感染が静かに拡大していることが、今回、明らかになってきました。したがって、事業所等における活動も、テレワーク、リモートワーク、オンライン会議など、人と人が接触しない形態を大いに活用してください。出張も最低限に抑制してください。

 ただし、社会機能の維持に関わる事業者や医療機関においては、事業や診療の継続が必要です。国民生活に影響を及ぼさないように、感染防御に十分注意して事業や診療を行ってください。

 ◇6.全国の若者の皆さんへのお願い

 10代、20代、30代の皆さん。若者世代は、新型コロナウイルス感染による重症化リスクは低いです。でも、このウイルスの特徴のせいで、こうした症状の軽い人が、重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。皆さんが、人が集まる風通しが悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救えます。 以上


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