ウクライナへの侵攻を続けるロシアでは6日、各地で反戦を唱える抗議活動が起こった。治安当局は厳しい取り締まりを行い、人権団体の集計では少なくとも約60都市で4500人以上が拘束された。ロシア軍が制圧したウクライナ南部の都市でもロシアに抗議するデモが相次ぎ、ロシア軍が発砲などをした結果、一部で負傷者も出た。
3・7・2022
【写真】ウクライナの侵攻に反対するデモに参加し、ロシア警察に拘束される女性=サンクトペテルブルクで2022年3月2日、AP
タス通信によると、露内務省はモスクワや第2の都市サンクトペテルブルクなどで計約5200人が抗議に参加し、このうち3500人以上を拘束したと発表した。だが、ロシアの人権団体「OVDインフォ」が確認した拘束者は6日夜時点で4500人を超え、治安部隊が中心部で厳戒態勢を敷いたモスクワでは少なくとも2000人以上が拘束された。侵攻開始以降、反戦の抗議活動で拘束されたのは計約1万3000人に上るという。
一方、ウクライナ南部ヘルソンなどの露軍の制圧地域でも、ロシア軍の撤収を求める抗議活動が相次いでいる。地元メディアによると、ソーシャルメディア上には数千人規模とみられる住民がウクライナの国旗を掲げて抗議を行う映像が出回っており、このうちヘルソン郊外のノワ・カホフカでは露軍が発砲したり、閃光(せんこう)弾を投げ込んだりするなどして、少なくとも5人が負傷したという。【ロンドン横山三加子】