ブラックホールが星を破壊する瞬間を捉えた最新の激レア映像がヤバすぎる
3・13・2022
ブラックホールが恒星を破壊する一部始終
2019年9月、地球から3億7500万光年という非常に遠く離れた世界にある「2MASX J07001137-6602251」という銀河の中心部にて、はっきりとした増光現象「ASASSN-19bt」が観測されたとの発表がありました。
増光を観測したのは超新星爆発を観測する「ASAS-SN」という20基の天体望遠鏡から成る観測システムでしたが、増光が起こった領域は偶然にも太陽系外惑星を発見する別のシステムである「TESS」も観測を行っていました。
Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center
ASASSN-19btを観測したのは2019年の1月29日でしたが、TESSは同じ空の領域を27日間も連続で観測し続けるため、その8日前の1月21日から増光の一部始終を捉え続けていました。
これだけ強い光を放つ代表的な現象としては超新星やガンマ線バーストが挙げられますが、今回はグラフのように増光のペースが穏やかだったため、それらとは異なる現象であると考えられました。
増光ペース以外にも最大光度や発生位置などの情報から、ASSASN-19btは銀河の中心にある太陽の600万倍程度の質量を持つ超大質量ブラックホールによって太陽程度の質量を持つ恒星が砕かれ、その後ブラックホールを取り巻く降着円盤となる瞬間に放たれた光であると考えられています。
このようにブラックホールに接近しすぎしまい、天体が破壊されてしまう現象は、「潮汐破壊現象(TDE)」と呼ばれています。
ブラックホールがものを飲み込む際、スパゲッティのような非常に細長い形状に変形させてしまうので、その見た目通りスパゲッティ化現象とも呼ばれています。
TDEが天の川銀河で起こるのは1万~10万年に1度程度なんだそうです。
超新星爆発が天の川銀河で起こるのが100年に1度なので、TDEは本当に珍しい現象です。
破壊された恒星のガスはブラックホールに一気に流れ込み、重力によって光速に近い速度にまで加速させられ、それらが擦れ合う事で数億単位という膨大な摩擦熱が生じ、それによってとてつもないエネルギーを放ちます。
一時的ではありますが、なんと周囲にある億単位の星々全てを合わせた銀河全体の明るさを凌駕するほどのとてつもない明るさで輝くんだそうです!
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