【70歳代】みんな年金だけで生活できている?貯蓄や年金の平均額を「一覧」でチェック!
12/7(土) 18:02配信
12/7(土) 18:02配信
49
コメント49件
LIMO
metamorworks/shutterstock.com
昨今の不安定な経済状況を踏まえ、老後の収入源となる「公的年金制度」が今後も維持できるのか、不安視する声が多く聞かれます。
◆【円グラフ】70歳代:貯蓄額ごとの世帯割合を見る!「厚生年金・国民年金」の平均月額グラフもチェック
現役世代(働き手)がいて日本経済が続く限り、年金制度はなくならないと言われるものの、受給見込み額としては今後減少していく可能性があるでしょう。
少子高齢化が進む中、自分たちの老後を安心して迎えるためには、それなりの準備が必要となります。
ファイナンシャルアドバイザーである筆者は、「年金のプラスαをどれくらい確保するべきか」、また「そのために何をすれば良いのか」といった相談が増えたように感じています。
そこで今回は、70歳代の現役シニア世帯の貯蓄額や年金受給額について各種データを元に紐解いていきます。
将来の年金暮らしに向けた対策を検討する際の参考にしてみてください。
※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【70歳代】二人以上世帯の平均貯蓄額はいくらなのか
老後の収入の柱として、公的年金に頼るのが一般的である日本。
しかし、一時期話題となった「老後2000万円問題」を考えると、年金だけでは安心した老後生活を送ることが難しいかもしれません。
安定した老後生活を確保するためには、働き続ける・不労所得を得る・十分な貯蓄を少しずつ取り崩す、などが鍵となるでしょう。
中でも貯蓄は重要な要素です。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円となりました。
しかし、平均は一部の大きな値に引っ張られやすい性質があります。より実態に近い貯蓄額とされる中央値で見てみると、700万円でした。
※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。
※上記、金融資産には預貯金以外の株式や投資信託、債券などの金融商品残高が含まれます。
●70歳代二人以上世帯の貯蓄平均値と中央値
・平均:1757万円
・中央値:700万円
平均値と中央値でもわかりにくい実態を知るには、貯蓄額ごとの世帯割合が参考になります。
●70歳代二人以上世帯における、貯蓄額ごとの世帯割合
・金融資産非保有:19.2%
・100万円未満:5.6%
・100~200万円未満:5.1%
・200~300万円未満:4.3%
・300~400万円未満:4.7%
・400~500万円未満:2.5%
・500~700万円未満:6.2%
・700~1000万円未満:5.8%
・1000~1500万円未満:10.2%
・1500~2000万円未満:6.6%
・2000~3000万円未満:7.4%
・3000万円以上:19.7%
金融資産非保有、つまり貯蓄がゼロという世帯が全体の約2割を占めています。
もし貯蓄がないという場合では、毎月の生活費をカバーできるだけの収入が必要不可欠であるといえます。
一方、貯蓄が3000万円以上という世帯も約2割になりました。
貯蓄がある世帯・ない世帯の二極化が垣間見えます。
老後の収入源として、勤労所得や家賃収入などを得ている人もいますが、一般的には公的年金となるでしょう。貯蓄が十分でない人が頼りになる年金について、次章で確認していきましょう。
公的年金の平均月額はいくらなのか(厚生年金・国民年金)
シニアにとって生活の柱となるのが公的年金です。
障害年金や遺族年金などもありますが、ここでは老齢年金にフォーカスをあて、70歳代の平均額を見ていきましょう。
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にします。
●70歳~79歳「国民年金」の平均月額
・70歳:国民年金5万7320円
・71歳:国民年金5万7294円
・72歳:国民年金5万7092円
・73歳:国民年金5万6945円
・74歳:国民年金5万6852円
・75歳:国民年金5万6659円
・76歳:国民年金5万6453円
・77歳:国民年金5万6017円
・78歳:国民年金5万5981円
・79歳:国民年金5万5652円
●70歳~79歳「厚生年金」の平均月額
・70歳:厚生年金14万1350円
・71歳:厚生年金14万212円
・72歳:厚生年金14万2013円
・73歳:厚生年金14万5203円
・74歳:厚生年金14万4865円
・75歳:厚生年金14万4523円
・76歳:厚生年金14万4407円
・77歳:厚生年金14万6518円
・78歳:厚生年金14万7166円
・79歳:厚生年金14万8877円
※国民年金を含む
国民年金だけの人の場合、平均額は月5万円台です。
公務員や会社員などで厚生年金保険料を支払っていた人は、合わせて厚生年金を受け取れます。第1号(会社員)の平均額は、国民年金との合計で14万円台でした。
あくまでも平均なので、30万円以上の人も10万円未満の人もいます。
大事なのは、その金額内でやりくりできるのかどうか。できないのであれば、老後に向けた収入源の確保や貯蓄が必要になるということです。
公的年金「厚生年金と国民年金」金額は毎年改定される
あまり知られていませんが、公的年金は毎年度改定されています。12月には2025年度の金額も公表される予定なので、注目しておきましょう。
参考までに、2024年度の年金額の例は以下のとおりです。
●2024年度「国民年金・厚生年金」のモデル年金月額
・国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
・厚生年金(国民年金を含む):23万483円(+6001円)
注意したい点として、上記の厚生年金額は「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」となっています。
つまり、厚生労働省が公表している厚生年金のモデル年金額は会社員の夫と専業主婦の妻で構成される「夫婦世帯」の年金額となっているため、留意しておきましょう。
シニアにとって生活の柱となるのが公的年金です。
障害年金や遺族年金などもありますが、ここでは老齢年金にフォーカスをあて、70歳代の平均額を見ていきましょう。
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にします。
●70歳~79歳「国民年金」の平均月額
・70歳:国民年金5万7320円
・71歳:国民年金5万7294円
・72歳:国民年金5万7092円
・73歳:国民年金5万6945円
・74歳:国民年金5万6852円
・75歳:国民年金5万6659円
・76歳:国民年金5万6453円
・77歳:国民年金5万6017円
・78歳:国民年金5万5981円
・79歳:国民年金5万5652円
●70歳~79歳「厚生年金」の平均月額
・70歳:厚生年金14万1350円
・71歳:厚生年金14万212円
・72歳:厚生年金14万2013円
・73歳:厚生年金14万5203円
・74歳:厚生年金14万4865円
・75歳:厚生年金14万4523円
・76歳:厚生年金14万4407円
・77歳:厚生年金14万6518円
・78歳:厚生年金14万7166円
・79歳:厚生年金14万8877円
※国民年金を含む
国民年金だけの人の場合、平均額は月5万円台です。
公務員や会社員などで厚生年金保険料を支払っていた人は、合わせて厚生年金を受け取れます。第1号(会社員)の平均額は、国民年金との合計で14万円台でした。
あくまでも平均なので、30万円以上の人も10万円未満の人もいます。
大事なのは、その金額内でやりくりできるのかどうか。できないのであれば、老後に向けた収入源の確保や貯蓄が必要になるということです。
公的年金「厚生年金と国民年金」金額は毎年改定される
あまり知られていませんが、公的年金は毎年度改定されています。12月には2025年度の金額も公表される予定なので、注目しておきましょう。
参考までに、2024年度の年金額の例は以下のとおりです。
●2024年度「国民年金・厚生年金」のモデル年金月額
・国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
・厚生年金(国民年金を含む):23万483円(+6001円)
注意したい点として、上記の厚生年金額は「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」となっています。
つまり、厚生労働省が公表している厚生年金のモデル年金額は会社員の夫と専業主婦の妻で構成される「夫婦世帯」の年金額となっているため、留意しておきましょう。
公的年金だけで生活できる高齢者は半数以下に
実際、年金だけで生活できる人はどれほどいるのでしょうか。
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」という統計調査によると、100%年金だけで生活できている高齢者世帯は41.7%でした。
つまり、老齢年金世代の約6割が、年金だけで生活していないのです。
それ以外に貯蓄を取り崩したり、労働収入を得たり、または子世帯から仕送りを受けたりしていることがうかがえます。
年金収入だけで生活できる高齢者世帯の方が少ない現状を鑑みると、公的年金をベースとした老後の生活設計はリスクが大きいといえるでしょう。
現役世代の人たちは、年金以外の何らかの収入源や、老後資金の確保が必須となります。
まとめにかえて
70歳代・二人以上世帯のシニアのお金事情「貯蓄額・年金額」の平均額を確認しました。実際の金額が分かったことでより具体的に老後生活をイメージできたのではないでしょうか。
将来の「お金」のことを考えるうえで最も大切なことは、必要金額を明確にすることです。
必要な金額がわかれば不足額がわかります。将来まで時間がある現役世代はコツコツと計画的に準備していきましょう。
「銀行預金」が最も簡単な方法で流動性も高いですが、低金利が続く日本では時間をかけたとしてもなかなか思うようには増えていきません。そこで、一部「資産運用」を取り入れてみるのもいいかと思います。
最近では、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった国の制度が整ってきています。
ご自身の目的や意向にあったものを活用しましょう。しかし、「資産運用」は基本的には元本保証はありません。
そこで大事なのはどんな「リスク」があり、どこまで自分は許容できるのかを理解してから始めることです。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
実際、年金だけで生活できる人はどれほどいるのでしょうか。
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」という統計調査によると、100%年金だけで生活できている高齢者世帯は41.7%でした。
つまり、老齢年金世代の約6割が、年金だけで生活していないのです。
それ以外に貯蓄を取り崩したり、労働収入を得たり、または子世帯から仕送りを受けたりしていることがうかがえます。
年金収入だけで生活できる高齢者世帯の方が少ない現状を鑑みると、公的年金をベースとした老後の生活設計はリスクが大きいといえるでしょう。
現役世代の人たちは、年金以外の何らかの収入源や、老後資金の確保が必須となります。
まとめにかえて
70歳代・二人以上世帯のシニアのお金事情「貯蓄額・年金額」の平均額を確認しました。実際の金額が分かったことでより具体的に老後生活をイメージできたのではないでしょうか。
将来の「お金」のことを考えるうえで最も大切なことは、必要金額を明確にすることです。
必要な金額がわかれば不足額がわかります。将来まで時間がある現役世代はコツコツと計画的に準備していきましょう。
「銀行預金」が最も簡単な方法で流動性も高いですが、低金利が続く日本では時間をかけたとしてもなかなか思うようには増えていきません。そこで、一部「資産運用」を取り入れてみるのもいいかと思います。
最近では、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった国の制度が整ってきています。
ご自身の目的や意向にあったものを活用しましょう。しかし、「資産運用」は基本的には元本保証はありません。
そこで大事なのはどんな「リスク」があり、どこまで自分は許容できるのかを理解してから始めることです。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」