エンデュアランス号 大漂流
エリザベス・ゴーディー・キメル 著
千葉茂樹 訳
あすなろ書房 発行
2017年12月25日 18刷発行
1914年から1916年にかけての、南極大陸沿岸での遭難と奇跡の生還について述べられています。
1874年、アイルランドに生まれたアーネスト・シャクルトン。
10歳の時に家族とともにイギリスにわたる。
南極点には1911年12月アムンゼンのノルウェーの探検隊が初めて達した。
その一か月後、スコットが南極点にたどり着くが、生きて戻ることはできなかった。
アザラシは肉が食用となるだけでなく、分厚い脂肪が燃料にもなる。
アザラシのステーキやペンギンのシチューが主な食糧だった。
肉は船乗りや探検家にとって最も恐ろしい病気、壊血病を防いでくれる。
壊血病はビタミンCの不足によって起こる。
南極大陸と南アメリカ大陸の間に横たわる海域では、西から東に向かう激しい風が吹く。
地球の自転が原因で生じるこの風は卓越偏西風と呼ばれ、海の流れさえも西から東へと押し流す。
シャクルトンは次々と事業を起こすのだが、不思議と失敗してしまう。結局彼には南極探検が一番向いた仕事だったのだろう。
シャクルトンがリーダーとして優れていたことは、誰もが認めるところだが、彼のこの偉大さは南極大陸と結びついてのものだった。
この時、奇跡の生還を果たした隊員たちは、そのほとんどは、その後すぐに第一次世界大戦の戦場へと駆り立てられることになる。
そして戦場であっけなく命を落とした人たちがいるのは、なんとも皮肉でむごいことである。
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