ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

ヴァチカンを訪ねて

2005-07-30 22:52:15 | ヨーロッパ旅行記
ローマに着いた翌日、まずヴァチカン博物館に行く。
時間前に着くが、すでに長い行列が出来ていた。ゆるやかな坂で開館を待つ。
時間が来て、中に入る。
まず、ピオ・クレメンティーノ美術館では八角形の間の彫刻群が美しい。多くのギャラリーが、彫刻の前で写真を撮ったりしている。
システィーナ礼拝堂ではみんなごったがえしている。ミケランジェロの天井画を、首が痛くなるくらい一生懸命見る。
博物館を出て、サン・ピエトロ大聖堂に行く。中の豪華さに圧倒される。フランスの大聖堂の内部に比べて、キンキラキンと輝いている。ピエタ像は生き生きと表現されている。
オレンジと紺のストライプの閲兵のそばを通り、サン・ピエトロ広場に出てくる。総本山の重みを感じる。宗教とは一つの権力だということを実感する。もちろん権力自体が悪いとは思わない。それを人々がどう使うかが肝心なのだ。
過去のヴァチカンの法王でも、いろいろな人がいたようだ。権力が腐敗してた時代もあったようだ。まあそのおかげで、今その豪勢な宴の跡のすばらしい芸術作品を見ることができるのだが。
ぼくはクリスチャンではないが、先ごろ亡くなられたヨハネ・パウロ二世はやはり偉大だと思う。保守的で現代社会にそぐわない面もあったかもしれない。しかし異なる宗教の融和をはかるため、特に晩年、お体が不調にもかかわらず、活動された姿は尊いと思う。
広場を出て、サンタンジェロ城に行く。内部に入り、ぐるりと建物を登っていく。テラスからヴァチカン、またテヴェレ河向こうのローマの街並みが見える。頂上の聖天子像はポーズがきまっておりカッコイイ。
橋を渡り、ローマの街中を歩き、パンテオンまでたどり着く。どっしりとした古代ローマ建築に加え、天井の穴から光が差し込む構造にありがたみを強く感じる。
そのすぐそばのサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会に入る。ここの「十字架を持つキリスト像」はたくましく表現されており、新鮮に感じる。
ドーリア・パンフィーリ美術館に入る。内部の装飾と、ずらりと並ぶ彫刻が豪華だった。



ケルトの残存カンペール

2005-07-24 10:50:47 | フランス物語
ゴーギャンで知られるポンタヴェンからバスに乗り、さいはての地、カンペールに向かう。
途中、海のそばに要塞がある街があった。コンカルノーだろうか。立ち寄りたかったが、別のバスがあるかわからず、時間もないのでそのまま通り過ぎる。
カンペールに着く。予約していたホテルにチェックインする。一休みの後、夕食の時間になったので、フルール・ド・セルというビストロに行く。中に入り食事をするが、同行者の内、女性はそこのギャルソンがかわいーと感激していた。
翌日出発の時間まで街をうろつく。ここはゴシック様式のサン・コランタン大聖堂が有名である。大きさに目を見張る。二本の尖塔が鋭く天に突き出ている。シャルトルとは違い二本の形は同じである。
近くの小山に上り、そこからも大聖堂や街並みを眺める。
小山を降りた後、川沿いや旧市街を散策する。
大西洋にほど近いところだけあってブリュターニュ色がかなり強い。言葉ではブルトン語を積極的に使用している。たとえばオフィス・ド・ツーリズムも左側にフランス語、右側にブルトン語で同じ大きさで書いてある。また街のあちこちにある名所の解説用パネルでもフランスとブルトンの2言語である。英語の方が外国からの観光客には便利だと思うが、自分のルーツやふるさとを大事にする気持ちといえるだろう。
ブルトン語はケルト語系の言葉である。大学でケルト系のゼミにいたせいもあり、興味もあったので、ブルトン語と仏・英語の単語を対比した挿絵入りの解説書を買う。またブルターニュのフランス語の歴史書も買う、といえばかっこいいが、実のところ子供向けのマンガ入りの本であって、たいしたことない。
そうこうしている内TGVの時間が来たので駅に向かう。パリまでの直行便である。
ブルターニュの地の果て、フィニステール県のカンペールからパリに戻る。

ゴーギャンの黄色いキリスト(モンサンミッシェル~ポンタヴェンへ)

2005-07-23 22:02:13 | フランス物語
モンサンミッシェルを遠くに眺めるホテルをチェックアウトする。
ホテルから、バスに乗るため、歩いてモンサンミッシェルに向かう。
島まで戻らなくても、そのバスがホテルの前を通る時、手をあげれば乗せてくれるのでは、との意見もあったが、世の中そんなに甘いものではない、もし乗れなかったらタクシー代がかかる、とのことで却下された。
ぼく個人としては、のんびり歩いていく方が、巡礼者みたいでいいと思っていた。
途中で写真を撮りつつ、一直線の道を歩いていく。だんだん巨大な要塞が近づいていく。
到着し、バスに乗る。ここからまたレンヌの駅に戻る。
TGVの時間まで少しあったので、レンヌの美術館に入る。印象派の絵では、カイユボットのカヌー漕ぎの絵があった。モデルの丸い背中が彼独特である。
美術館を出、駅前でひるごはんのサンドイッチを買っていたりすると時間ぎりぎりになってしまう。慌てているとサンドイッチを落としそうになった。
無事にTGVに乗り込む。更にブルターニュを西に向かう。
カンペルレという駅で降りる。ここからポン・タヴェンに向かう。駅前からバスが出ているはずだが、残念ながら本数が少なく、かなり待たねばならない。仕方なくタクシーに乗る。
ポンタヴェンに着く。町中は後で見ることにし、とりあえずタクシーでトレマロ礼拝堂に向かう。ゴーギャンの「黄色いキリスト」があるところだ。森の中の道を通る。
小さい礼拝堂に入り、キリストを見る。その周りはのんびりしたブルターニュの田舎が広がっている。森の合間から黒い屋根の家々が見える。
森の中の道を歩き、町中に向かう。途中小川沿いのカフェで休む。
美術館で、ポンタヴェン派の絵画を見る。ゴーギャンの絵はほとんどない。彼の伝記などを読むと、傲慢不遜なところがあり、性格はあまりよくなかったようだ。あるゴッホ好きの方が書いた南仏の旅行記には「彼の陰鬱な絵に性格が反映されている」とまで書いていた。坊主憎けりゃ袈裟まで・・という感じだ。
個人的には、少なくともポンタヴェン時代の風景画は好きである、とゴーギャンファンの皆様のためにフォローしておこう。
バスの時間が来たのでポンタヴェンとおさらばする。前もって案内所で時間を確認しておいた。
最後の目的地、カンペールへと向かう。



モンサンミッシェルに沈む夕陽

2005-07-22 23:29:04 | フランス物語
パリからブリュターニュ方面に行く。
まず目指すはかの奇跡の島、モンサンミッシェルだ。
TGVでレンヌまで行く。駅前でバス乗り場を探す。少し迷うが無事見つけ、バスに乗り込む。
バスから見たレンヌの街は緑が多く、こぎれいな街である。街を抜けバスはひたすら北に向かう。
ついにモンサンミッシェルの威容が見えてきた。島への細長い道を進んでいく。海の中に浮かぶ巨大な砦である。
島の駐車場で下車する。観光案内所でバスの時間を確認した後、名物のオムレツを食べようということになる。レストランに入り注文する。ここではオムレツを作っているところを見せてくれる。おいしそうな卵をカシャカシャしていた。
小さい島だがこの中には通りもあればホテルもある。予約していたホテルにチェックインし身軽になる。
修道院に向かう。天に向かう尖塔がまぶしい。中に入りがらんとしており、天井も高い。回廊をめぐったり、守護聖人聖ミッシェルのご加護のもと、のんびり歩いていく。
外を見ると遠浅で、砂浜が続く。近くの小さな島まで歩いている人もいる。
修道院内を巡った後、土産物屋をひやかす。
少し休み、通りの粗末なレストランで食事をとる。その後、修道院に向かって上っていく。夕陽が巨大な建物を照らす。
海を見るとかなり潮が満ちている。昼間砂浜だったところが普通の海になっている。
高台に登る。観光客が集まっている。ちょうど日の入りの時間だった。
水平線のかなたに、太陽が沈んでいく。感動的な日の入りだ。
日が沈み、暗くなると、修道院がライトアップされていた。ライトアップといっても、光は弱く地味なので、闇にぼやっと浮かんでいる状態になっている。
波のざわめきを聞きつつ、夕闇の中を、ホテルに戻る。

欧州の首都にて(ベルギー・ブリュッセル)

2005-07-21 22:29:20 | ヨーロッパ旅行記
パリ北駅からタリスにのりブリュッセルに行く。
最初は天気のいい中、快調に進んでいたのだが、途中何度か速度が遅くなり、ついには駅でもないところで停止してしまった。となりがたまたまブルージュに向かう日本人観光客の方で、「どうしたんでしょうね」などと話し合う。
結局2時間くらいのロスがあったのではないか。ブリュッセル南駅到着は昼前になってしまった。
おなかも減ったが、まだこの当時はユーロが流通しておらず、現地通貨がないと店にも入れない。現金引出機を見つけ、クレジットカードでベルギーフランを引き出す。
駅のカフェで軽食で一息つく。レジの黒人の女の子に「どこからきたの」といわれ、「パリから来た」と答えたら「なんだ、ポルトガルの人かと思った」と言われた。どういうことなのだろうか?
駅の周りを歩いてみたが、周りは少しさびれた感じのマンション・アパート街だった。
結局駅からプレメトロに乗る。駅からしばらくは地下なのだが、しばらくすると路上に出てくる。
街の中心地に着く。大広場グランプラスに行く。そしてお約束の小便小僧を見に行く。
きれいなギャルりーを通る。またゴシック様式の聖ミッシュエル・エ・ギュデュル大聖堂を訪れる。白い壁がまぶしい。ここで王子の結婚式が行われた。
王立美術館に入る。ここでは当然のことながらルネ・マグリットやポールデルヴォーのコレクションが充実している。大広間ではルーベンスの大作が展示されている。他では教科書で見た「マラーの死」が印象的だった。風呂で倒れている絵である。湯あたりしているわけでない(当たり前だ)。シャルロット・コルデーといううら若き女性に殺されたのである。彼女はその後パリのコンシェルジェリーに送られ、断頭台の露と消える。
その他印象派の絵などもあり、かなり楽しめたが、その分時間も食ってしまった。
公園を散策し、カフェでベルギービールを飲む。日本に帰ってから結構ベルギービールを飲んでいるのだが、このころはまだ慣れておらず、少し酔う。一杯気分で、グランプラスに戻る。舞台が設置されており「ブリュッセル・ジャズ・マラソン」ど題するコンサートが開かれていた。こりゃラッキーとばかり聞き込む。結局帰りのタリスの時間までそこにいた。
夕焼けの中、パリ北駅に戻る。