ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

わたしの外国語学習法(後半)

2021-11-28 07:38:58 | ヨーロッパあれこれ
ある外国語の表現やことばが、形態操作のルールに収まりきらない時、正確に言えばその国語のルールとの意味的あるいは形式的類推が成立しない時、我々はそれを慣用句(イディオム)と呼ぶ。p137

ラテン文字ではない文字で書かれる言語に難しいというレッテルを貼っている。そういう言語の学習の進度は、困難な導入部の後に、確実に滑らかな上昇がやってくる。
一方英語、スペイン語、イタリア語のような《易しい》言語は、最初は進歩が速いが、進むほどに、多くの単語やルールをまだ知らずにいることが明らかになってくる。p139-140

日本語や中国語では、たった1日勉強した者でも、漢字を一見しただけで、その木偏やさんずいや言偏やしたごころのおかげで、意味を類推することができる。p142

なぜ人間は人の名前を記憶するのが苦手なのだろうか?
名前とその持ち主との間には、《文脈を成す》ような結びつきがないからでは?p149

単語とか名前を、すでに知っている表現とか概念と連結させる。
イタリア語の《少年》はBIMBO(日本語で貧乏の発音と同じ)p150

どんな言語を母国語とする者も、外国語を学習する際には、自分と同国の人によって書かれた教科書を用いるべき。
同じ言語を学習するにしても、異なる国の人は、学習に際して異なる点で難しさを感じるもの。p178

外国語学習に際しての母国語からの言語不干渉という現象については、よく知られている。ところが、誤った外挿の最も多くのものが、実は母国語の干渉ではなく、第一(あるいはもっともよく身についた)外国語の干渉によるものだと、教育学者たちはほとんど指摘していない。p186
(自分なんかも、フランス語を思い出すとき、英語に助けられている時もあるが、邪魔されている時もある)

誤りこそ、この世に数えきれないほどの価値あるものを産み出してきた源泉。
様々な国の言語だってそう。
フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、プロヴァンス語、ルーマニア語などの言語は、習得しそこなったラテン語から出来上がった。p189-190

語彙の岸なき海洋につかった経験のある人なら、不思議と思いつつも言語の中には、非常の多くの安定した単語のペアがあるのに気づく。
そういう組み合わせを探し出し、揃えていくことが第一級の課題となる。
自分が物覚えが悪いと主張するすべての人に、こういう方法をお勧めしたい。p195

語学も家を造るのと同じく、まず土台を造ることからはじまる。そしてそれには大変な時間もかかる。
土台にこそ、最大限のエネルギーが消耗されることを理解すべき。
それ無しに、できないことを嘆くのはおかしい。p217

外国語の学習が上手くいくかどうかは
消費された時間+関心度=結果
語学的才能と関心度は異なるものp225-226
更には、羞恥心がない方が、語学には良い結果が出る。p230

通訳という仕事を最初に生業にした人の記録は、プリニウス(23-79)によるもので、すでにディオスクリアス(現ロシアのスフミ市)で常時130人もの通訳者が働いていたと記している。p244

仕事中の同時通訳者の脈拍は、一分間に160にまで達する。これは重量上げ選手がバーベルを持ち上げる一瞬の脈拍を20上回るもの p250
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わたしの外国語学習法(前半)

2021-11-27 21:10:41 | ヨーロッパあれこれ


わたしの外国語学習法
ロンブ・カトー 著
米原万里 訳
1981年9月20日 創樹社より刊行
ちくま学芸文庫より
2000年3月8日 第一刷発行
2020年4月5日 第二十七刷発行

1930年頃から、16ヵ国語を身につけたハンガリー人の著者の体験記です。
学習法という点では、現在とは環境がかなり異なりますので、全てが参考になるかはともかく、かえって更に興味深い内容となっています。
また訳者はかの米原万里さんです。まだ彼女が若くて無名の時に喰っていくために翻訳したとのことです。そして結局この書が米原さんの唯一の翻訳書という点でも貴重です。
結局金にはならなかったものの、内容的にはその後の自分の人生に多大な影響を与えた本になった、と書いていました。

文法とは、体系
全身全霊を打ち込んである言語の文法を身につけた者、文法事項の暗記という難行を通過した者は、体系化され得る知識のあらゆる分野において体系化する能力を身につけたことになる。p18

著者はポーランド語に取りかかる時、自分の実際の能力より高いレベルのコースを選んだ。
何も知らない者こそ、一番努力しなければならない。p27

外国語学習者の道程は、ちょうど登山家の場合と同じように、常に上向きで、標高を更新するたびに地平線はますます広がり、美しくなっていく。p37

睡眠学習法は、1916年にはモールス信号で試されていた。
外国語学習用の睡眠教材セット18回分で、800~900の語彙単位が習得されることを、さまざまな実験の結果は裏付けている。p69-70
(そういえば昔、よく睡眠学習の広告を見かけたが、どうなってしまったのだろう)

外国語でコミュニケートする時、相手が、我々の外国語の知識を判断する最初の基準は、まず第一に発音。
ちょうど女性における容姿のような役割を演ずる。美人は初めに姿を見せた時は、《常に正しい》。後で色々な欠点がわかってくるかもしれないが。p109

外国語の新たな音声を獲得するということは、まず何よりも新たな顔の表情を習い覚えることで、俳優的とも言える修行。
新しい音声の発音には、顔の、新しい筋肉が参加するから。p114

動詞の変化が複雑すぎるといってフィンランド語に取り組むのを躊躇している向きは、世論の気まぐれで、なぜか《易しい》言語と見なされている英語の場合のように、同じ単語が、いちいち異なる意味を持つようになってしまう、語の組み合わせヴァリエーションの気の遠くなるような複雑さについて考えてみるべき。p133


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見返り美にゃんこ

2021-11-21 07:50:37 | 小説


浮世絵のモチーフで、なおかつ記念切手としても知られている「見返り美人」というのがありましたが、こちらは見返り美にゃんこです。
カメラ目線で、頑張ってモデルをつとめてくれています。



ふにゃん
サービスで、右からも見返りしてあげるのにゃ
あまり見返りしきれていないようですが(笑)

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サン・トゥトロップの丘公園とオランジュの現代史

2021-11-14 08:10:59 | フランス物語


オランジュ最後の投稿となります。
やはりサン・トゥトロップの丘からの眺めです。
少しひいて、公園らしい憩いの場所の雰囲気が出ています。
マツの木々の間に広がる、のんびりしたオランジュの街並み。
ラストはオランジュの現代史です。

Époque Contemporaine
1869 : premières représentations au Théâtre Antique sous le nom de "fêtes romaines" qui deviendront les Chorégies d’Orange.

現代
1869年:オランジュのコレジー(芸術祭)となる「ローマの祭り」の名の下に、古代劇場で初公演。

1903 : Sarah Bernhardt joue Phèdre au Théâtre Antique.

1903年:サラ・ベルナールが古代劇場でフェドルを演じます。

1915 : mort du célèbre entomologiste Henri Fabre.

1915年:有名な昆虫学者アンリ・ファーブルの死

1924 : inondation de la ville : 1,50 m d’eau dans le centre ville.

1924年:街の洪水:市内中心部で1.50メートルの水。

1940 : aménagement de la base aérienne de Caritat.

1940年:カリタ空軍基地の整備

1952 : visite de la reine Juliana de Hollande. La souveraine plante symboliquement un chêne sur la colline Saint- Eutrope.

1952年:オランダのユリアナ女王の訪問。女王は象徴的にサンユートロープの丘にオークを植えます。

1967 : installation de la Légion Étrangère. Le1er Régiment Étranger de Cavalerie prend ses quartiers sur la route d’Avignon.

1967年:外人部隊の設置。第1外人騎兵連隊はアヴィニョンへの道に宿営地を設けます。

1991 : aménagement d’un parvis devant la façade du Théâtre Antique, restauré en 1988.

1991年:1988年に復元された古代劇場のファサードの前に聖堂前広場が整備

2000 : restructuration du cours Aristide Briand.

2000年:アリスティド・ブリアン遊歩道の再開発

2001 : création de la salle des fêtes.

2001年:集会用ホールの創設。

2005 : Installation du nouveau toit de scène du Théâtre Antique spécialement réalisé par la société Eiffel en matériaux contemporains, verre et acier.

2005年:エッフェル社が現代的な素材、ガラス、スチールで特別に製作した古代劇場の新しい舞台屋根の設置。

2008 : La Municipalité engage un grand chantier de restauration de la Cathédrale Notre-Dame à l’occasion de son 8ème centenaire.

2008年:市当局は、ノートルダム大聖堂の800周年を記念して大規模な修復プロジェクトに着手しました。

2009 : Orange dépasse le seuil des 30.000 habitants pour la première fois de son histoire.

2009年:オランジュは、歴史上初めて人口が30,000人を超えました。

2009 : Lancement des études en vue en vue de la réalisation d’un complexe aquatique sur la colline.

2009年:丘の上に水生複合施設を建設することを目的とした研究の開始。

2010 : Inauguration de la nouvelle station écologique d’épuration des eaux usées.

2010年:新しい生態学的廃水処理プラントの落成

2010 : Fin de la campagne de restauration de l’Arc de Triomphe d’Orange, la plus importante depuis celle de Caristie au XIXème siècle.

2010年:19世紀のカリスティ以来最も重要なオランジュの凱旋門修復の終了。

2010 : Ouverture de la zone commerciale Orange les Vignes.

2010年:オランジュぶどう園ショッピングエリアのオープン。

2010 : Début du chantier de la rénovation de l’avenue de l’Arc de Triomphe.

2010年:凱旋門通りの改修工事が始まりました。
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にゃんこのまんまるな眼

2021-11-13 13:08:42 | 小説


うちのにゃんこです。
まんまるな眼で、じっと見つめてくれています。



こちらでは、更に丸くなり、ちょっと寄り目になって面白可愛くなっています。
水色がかっているのがキレイですね。
薄暗くなると、眼の色が変わり、妖しく光ります。
にゃんこはやっぱりミステリアスです。
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