旅の民俗学
宮本常一 著
河出書房新社 発行
2006年8月30日 初版発行
宮本常一を中心とする対談・鼎談集です。
旅と民俗学
土と生活と応用の視点
日本人の旅と文化の交流
悪人はいない日本の常民文化
with 筑波常治
柳田先生がよく言われたことで、私(宮本)もそういう体験があるのですが、商売というのは貧しい者への同情から成り立っているのではないか。
持てるものが持たざるものを救う、逆にいえば、持たざる者が、持てるものから救ってもらうのが当然であるという人と人のつながりが商売みたいな格好になっている。
歩く得 歩かぬ損 with 秋元松代
日本人で一番よく歩いた人は一遍だと思うのですが、あれほど歩いて、あれほど自分を虚しくした人はいない。
「人生は旅」の思想 with 丸谷才一・紀野一義
西行は歌も上手だったが、戦術とか戦略にも相当深かった人らしい。だから西行はスパイという説がある。
日本人とは
その起源にさかのぼって
with 江上波夫・國分直一
縄文時代の言語は何らかの形で残っていないか。その残っている可能性が一番あるのは地名だと思う。
日本人は二つの、全くある意味では性格や伝統の異なる人間が、ごちゃごちゃにならずに、しかも日本民族ということで統一されていた。
フランスやドイツに行ってみても、何とも一つのものと感じる。
日本の原点 with 水上勉
旅の伝説に魅せられて with 松谷みよ子・松永伍一
高野聖と平家部落
日本人は悲劇的英雄がお好き with 杉本苑子
道の文化史 with 中西睦
馬と牛の運搬
昔の馬は小さく、運搬させるのは牛の方がよかった。
また馬は立ったままだが、牛は夜になると横になって寝る。それで野宿するとき、牛を二頭寝かせてその間に寝た。
新志摩風土記
大浦と小浦
漁村と港町 with 河野通博
「泊」という字がつく地名のところは、必ず遠浅で、そういうところが最初の漁港になり、それが古い時代の日本の船を平底にした。
シナの造船技術を採り入れて船底に水切りがつくのは平清盛の頃からのことで、それから「津」という字のつく水深の深い港が発達し始める。
漁村部では末子相続が多い。播磨の家島など、一本釣りの漁村ではだいたいそうです。
瀬戸内海の港町を発達させたものというと、江戸時代の参勤交代が大きい。
日本に稲が入ってきたのは二つの流れ
・朝鮮半島(山東半島経由といってもいい)経由の実蒔
・南からの田植えを伴う稲
海と日本人 with 山崎朋子・茂在寅男
山口県の見島の漁師の話
船の帆を巻いて西南に向かって走ると、中国の浙江省の先にある舟山列島までわずか二日で行ける。
萩あたりから東南の風に乗ると、同じように二日間でウラジオストックまで行ける。
貴重な観光資源を保護する態度 with 荒垣秀雄
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