ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

ロワールの真珠 アゼ・ル・リドー城

2005-09-29 23:05:21 | フランス物語
トゥール3日目の朝、今日は観光バスで城を目指す。
この日も、放射冷却で寒いことは寒いが、雲ひとつない晴天だ。11月のフランス北部で3日連続快晴に恵まれたのはラッキーだった。
8時過ぎにオフィスドツーリズムの前に行く。ここで待ち合わせだ。
しばらくしてバスが来た。午前中はACCODISPOという会社のバスだ。
運転手はパスカルさんという愛想の良い青年だった。簡単な自己紹介をする。
自分以外のお客さんはボリヴィア人の真面目そうな若夫婦だけだった。奥さんは英語もフランス語もできるようだったが、旦那さんはフランス語は分からないようだった。
車はトゥールの街中を抜け、ロワール川を渡り、フランスの大地の中を進んでいく。木々の朝露がまぶしい。パスカルさんの解説を聞きながらバスは走っていく。

バスは小さな街に入っていく。第一の目的地、アゼ・ル・リドー城だ。
堀に囲まれた、小さな城だ。周りは木々の多い庭園になっており、うっそうとした中、品のある美しさを漂わせている。いかにも「森の中のお城」という感じだ。
まず城の中に入る。さまざまな調度品があるが、結構盗まれているらしい。警備するのも大変だろうなと思う。
内部を出て、城の周りをゆったり歩く。
フランス北部の緯度は日本より遙に高い。斜めからの太陽光線が、黒い屋根と白い壁を照らす。そして堀の水面に城を映し出していた。
美しさになごりを惜しみながら、バスに戻る。
次はロワール河沿いのヴィランドリー城だ。

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城とジャンヌとワインのシノン

2005-09-27 23:15:58 | フランス物語
シノン城内を散策する。
まず、ジャンヌが初めてシャルル7世に会った大広間跡に入る。
いまや、ほとんど廃墟となっているが、ここが出会いの場だと思うと感慨深いものがあった。
この出会いは、ジャンヌダルクを扱った映画やドラマでも一つの山場である。性悪そうなシャルル7世は、ほかの者に自分が座るべきところに座らせ、ジャンヌをだまそうとするが、彼女はそれをはっきりと見破るのであった。
城内のいろいろな搭を見学する。このうち、ル・クードレ搭に、ジャンヌダルクが滞在したそうだ。ここは地下にも降りていける階段もあった。

一通り歩きまくり、城を離れ、川沿いに下り、橋を渡る。
観光パンフレットに、ここからの城の眺めが一番いいですよ、とあった場所で写真を撮る。橋の少し西側だった。
また少し東に動き、橋も入れて写真を撮った。
川があり、並木があり、その上に長細い、廃墟に近い城がある。ちょうど夕陽に照らされ、なかなか味のある風景だった。
いい城及び城下町の条件は、登って下を眺めてよし、下から城を眺めてよし、の両方がそろっていなければならないと常々思う。シノンはまさに合致する。
再び橋を渡り街中に戻る。
ワイン博物館もあったが、シーズンオフということもあり、残念ながら開いていなかった。
また他の土産物屋などの店も夕方だったこともあり、開いてなかったので、少し早めに駅方面に戻る。

駅前におっさんカフェ(タバコ屋なども兼ねているカフェ。パリの同僚女性が命名)があったので入る。
ここでシノンのワインを頼み、せめてもの感慨に浸る。
時間が来たので駅構内に行く。背広姿で人を待っていた兄ちゃんがいたが、なぜかこの駅構内には場違いだった。
電車はトゥールに戻っていく。外はすっかり暗くなっていた。
トゥールのバイキング式のレストランで夕食を取る。ここでもワインをたくさん飲み、一日を思い出しつつ、疲れを癒すのであった。
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ジャンヌダルクを探して(シノン)

2005-09-25 23:45:33 | フランス物語
シュノンソーからトゥールに帰る電車が、約30分遅れてしまった。
トゥールからシノン行きが少し遅れてしまう。幸い、シノン行きの本数はまずまずあるので、問題はなさそうだ。
トゥールの観光案内所で、明日の予約をする。予定通り、午前午後、別々のバス旅行になる。きれいなお姉さんは愛想よく受付してくれたが、名前のつづりが分かりにくそうで、結局紙に書く。
予定より一本遅れた電車でシノンに向かう。シュノンソーとは逆で、西に行く。
電車は森のようなところも通っていく。木漏れ日がまぶしい。
50分ほどでシノン駅に着く。ここはちゃんとした駅である。
駅からてくてく、普通の住宅街を抜け城を目指す。
広場に出る。城が見えてきた。
この広場にジャンヌダルクの像がある。ジャンヌダルクの像はフランス中あちこちにあり、それぞれに個性がある。シノンの像は馬で疾走している状態で、スピード感がある。馬は勢いよく後ろ足を跳ね上げている。
ジャンヌダルクはのけぞり、剣を前に出している。
広場を抜け、観光案内所で地図をもらう。
いよいよ城に入る。入り口には長方形の搭がある。ここは中は狭いが博物館になっており、ジャンヌダルクの時代に関する展示を見学する。
上までのぼり、シノンの街並みを眺める。家々の屋根はほぼ黒に統一されて美しい。けばけばしい看板などない。ちゃんと街の条例などで屋根の色や掲示物も規制されているのだろう。規制などというと、今の日本ではやたらめったら規制緩和で、悪いイメージがあるが、このような美しい街並み維持のためには本当に必要なことである。
街にひっつくようにヴィエンヌ川がのんびり流れ、遠くに平原が広がる。あいかわらず美しいフランスの平原である。
城の北に目を転じるとユリの紋章の旗がはためいている。
その向こうにはなだらかな山が広がっており、斜面を利用したぶどう畑がある。ここのワインも結構有名である。
搭を出て、廃墟のような城本体に向かっていく。


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シェールに浮かぶシュノンソー城

2005-09-24 23:22:29 | フランス物語
翌日、予定通りまずシュノンソー城に行く。
トゥール駅で、シュノンソーとシノンへの往復切符を買っておく。シュノンソーなどは、無人駅らしいので、買っておかないとまずい。券売機が壊れていたりする事がある。
電車に乗る。何となく旧式のぼろっちい電車を想像してたのだが、意外と新型だった。先頭車両は流線型に近い形をしている。また、床も比較的低く、座席もゆったりしてのりやすい。少し嬉しくなった。
ロワールの自然の中を、電車は走る。途中女性の乗務員が検札に来る。制服は着ているのではなく、羽織っているような感じでかわいらしい。
25分くらいでシュノンソーに着く。駅はぶどう畑に囲まれている。無人駅で建物すらない。電子表示と、簡易な席、そして機能しているかどうか怪しい券売機があるくらいだ。
駅から並木道を通り、城に向かう。
入り口から、小さなマルクの搭に行く。中は売店になっていた。
そして城本体に入る。いろいろな部屋があり、タペストリーや絵画などで装飾されている。
また広いギャラリーがあり、この時にはそこにFASSIANOSという画家の絵が展示されていた。幅が広く、切れ長の目が特徴的な人物像を描いている。小さい時によく見た思い出がある。
ここではもともと舞踏会が開かれていたようだが、世界大戦中は城主が自費で軍用病院に改造したそうだ。
城から二つの庭園、マルクの搭、シェール川を見る。時期的に花はあまり咲いていなかったが、きちんと整備されており美しい。
城を出て二つの庭園を端から端まで歩き回る。それにしても川の上に城を作っているとはユニークだ。
色々な所から城を見てみたが、カトリーヌ・ド・メディチの庭園から見た城が一番美しいと思う。後で某旅行会社のカレンダーでもそこからの構図が使われていた。
じっくり見学した後、早めに駅に戻る。駅の周りのぶどう畑が黄金色になっておりたいへん美しい。
感動して見ていると、ほかの客がなにやら騒いでいる。
駅の電子表示をみると、30分ほど電車が遅れるらしい。
おやおや。計画が狂ってしまう。
無事にシノン城に行けるだろうか?

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ロワールの城攻略作戦

2005-09-23 23:24:09 | フランス物語
夕焼けの中、アンボワーズからトゥールに戻る。
一旦ホテルに戻り、周辺で夕食の場所を探す。ホテルは中心地から南に外れたところだった。幸い手ごろな中華料理店があったのでそこで落ち着く。
ホテルに戻り、明日からの計画をたてる。ロワールの城を効果的に回らないといけない。
一番効果的なのは、小さなバスによるグループツアーを早い目に予約し、利用する事だ。しかしできれば、あまり使いたくなかった。知らない人と一緒に車に乗っているのが少し苦痛に感じるからだ。
駅で取ってきた時刻表、バスツアー会社のパンフレット、を参考に3案くらい考える。
結局、翌日は、午前中電車でシュノンソー、そして一旦トゥールに戻り、観光案内所でバスツアーの予約をした後、午後また電車でシノン城まで、というルートだ。そして、その次の日は、午前と午後、別々のバスツアーで行けば重複せずに回れそうだ。
最後の日、パリに戻る日は、午前中はまだロワールにいるつもりなので、予備日のような感じにする。
観光案内所も、シーズンにより、週末は昼が休みだったりするので注意が必要である。
電車もまたしかりで、きちんと確認しないといけない。時刻表の小さな目印で、全然違ってくる場合がある。
とりあえずきちんと計画を立てて眠りにつく。
果たして上手くいきましたでしょうか・・・。

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