ヨーロッパの限りない大地

ヨーロッパの色々な都市を訪問した思い出をつづっていきたいです。

役所で結婚式(ストラスブール市庁舎)

2006-10-14 22:25:25 | フランス物語
みんな行く行く
ストラスブール市庁舎
長細いブロイエー広場の並木の下から
邸宅のような建物を見上げる
今日はここの豪華な応接間で
ささやかな歓迎セレモニー
アルザスのお菓子
クグロフと
シャンパンが
みんなを迎えてくれる

仕事の多くは
郊外の都市共同体の建物で行っているけれども
小さな市庁舎に、今もちゃんと残っている
結婚の間
日本では
役所と結婚といえば
婚姻届を出すだけだけの関係
でもここヨーロッパでは
お役所でちょっとした祝典を行ない
市長さんが
わざわざ祝ってくれる

さるフランス大統領候補
自分が市長だった時
立ち会った結婚式
その時他人の花嫁を見初め
なぜか今では自分の奥さんに
そんな男に言ってやろう
「いよっ、この、大統領」と

婚外婚が普通のフランス
それが本当に幸せか
はっきりわからないけれども
でも、なんとなく粋で
そしてやっぱり羨ましい
フランスの
男たちと、女たち
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オルセー美術館展(ピサロ)

2006-10-08 22:54:00 | フランス物語
シスレーの次は、カミーユ・ピサロの作品「赤い屋根、村のはずれの冬の印象」である。
他の画家たちはそれぞれ独自の道を進んでしまったが、シスレーとピサロ、この二人は最後まで本当の印象派の画家足りえた気がする。
ただ、シスレーは寂しく、弱々しく感じる作品(悪い意味ではなく)もあるが、ピサロはしっかりと描きこんでいる印象を受ける。
ピサロにはスーラばりの点描の作品も結構あり、緻密な面も持っているのだ。

写真はこの作品の現代の情景である。
小山の間の普通の住宅街という感じだが、バックの山の稜線に作品の面影が見える。
ポントワーズ市は、日本語も入った、絵のモデルになった場所を紹介してくれている看板を作っていた。
この街には美術館もあるが、小山の上の公園の中にある、本当に小さな美術館だった。
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オルセー美術館展(シスレー)

2006-10-07 22:55:37 | フランス物語
続いてはアルフレッド・シスレーの「洪水と小舟」の絵を鑑賞する。
河はセーヌで、パリより下流になる、ポール・マルリーという町での出来事だ。

この建物及び並木は上記の写真のように現在でも残っており、右端には絵画紹介のパネルが見える。
たまたまパリで読んだ週刊ポストの連載で、伊集院静氏が紹介しておられたので、行ってみようという気になった。

日本で洪水といえば、台風などで急激に水かさが増えるという感じだが、フランスの場合は、ゆっくりと増水していき、水が引くときもやっぱりゆっくり、という調子だ。
この洪水の原因も、雪解け水の増水だったらしく、もちろんたいへんな災害だったとは思うが、まだのんびりとした雰囲気も見て取れる。

シスレーはこのときの洪水関連の絵を6枚残しているという。
少なくとも6枚もの絵を描ける余裕はあったわけだ。
また、普段とは違う、家屋とそれを反射する水面という、珍しいモチーフが画家の創作意欲を駆り立て、洪水という時にもかかわらず描きあげたんだろうなと思う。
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オルセー美術館展(マネとモリゾ)

2006-10-07 10:49:56 | ヨーロッパあれこれ
講演会の整理券を胸ポケットに入れ、1階に戻り、展覧会場に入る。
まず右手に、ベルト・モリゾの「ゆりかご」が見える。
眠る子供を見つめる、優しい母親の姿である。
第1回印象派展で他の作品が散々けなされる中、この作品は割と高評価だったのもうなずける。

今回の展覧会、ポスターはマネの描いたモリゾの姿だった。
神戸市博物館に行く途中、駅などでも、チラシも含めて、あちらこちらに彼女の姿が見られた。
これを描いたマネの、モリゾに対する気持ちはどんなんだったんだろうなと詮索してしまう。
この他にも、マネはモリゾを描いていている。
自分が一番好きなのは「バルコニー」という、他の二人のモデルと一緒に描かれた作品だ。
他の二人(男女)が、ほんわかしている雰囲気なのに対し、モリゾは大きな瞳で、鋭く何処かを見つめている。
彼女が見ているものはなんだろうか。
画家としての野望か、それとも全く違ったものか。
一方マネから見た彼女の視線はどこに行っていたのか。
マネの思いはどうだったのか。
いろいろ複雑だったような気もする。

その後、モリゾはマネの弟と結婚する。
そのあいだに生れた娘は母のモデルとして、多くの絵に登場する。
今回の展覧会では、ルノワールが描いた娘の肖像が展示されていた。

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オルセー美術館展③(ブーダン・モネ)

2006-10-04 22:59:48 | ヨーロッパあれこれ
1階の人物画を鑑賞した後、床に在る順路に沿い上の階にあがる。
その階のフロアは、「特別な場所」と題されている。
絵を見ていくと、ブーダン・モネ・シスレー・ピサロとほぼ並んでおり、自分のような印象派の風景画好きにとってはヨダレが出そうになる。
まずブーダンの「トゥルーヴィルの海岸」であった。
彼らしい、浜辺の人たちと、遠い曇り空、という感じであった。
この辺りは、冬の寒い時に、みんなにドライブに行ったものだった。
山の上から寒々とした曇り空と寂しい海辺を見たり、カジノに入って他人の遊んでいるのを眺めていたりしたものだった。
近くのオンフルールにも立ち寄り、昼ごはんを食べたりしたが、そこのブーダン美術館は昼休みで(日本では考えにくい)見れなかった悔しい思い出があった。

その次に、モネの「アルジャントイユの船着場」を鑑賞する。
そういえば、フランス語の教室で、この絵画を題材に方向の前置詞の勉強をした覚えがある。
河に浮かぶヨット、橋、左側には並木道が伸びており、風景と混ざった人たちがのんびり歩いている。
並木の陰、そして広く広がる青空と雲、がなんとも言えず、いとおしい。
改めて見ても、自分にとっては、モネの最高傑作の一つだと感じる。
アルジャントイユは、わざわざRERで遠回りして行った思い出があるが、(帰りはサンラザール駅まですっとパリに帰れた)いわゆるただの郊外の町という感じで、自動車道のため結局河のそばにもよれず、すごすご帰ってきた思い出が残っている。
まあ時代が過ぎたからしょうがないが、それだからこそ絵画という形でしっかりと後世に残してくれているのは、本当にありがたいことだなあ、と思う。
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