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最適化社会における価値創造を目指して~デザイン思考とアート思考~

2021-10-12 17:03:03 | ES

皆さん、こんにちは。(有)人事・労務の白川と申します。

 

9月15日に、第2回の読書会が開催されました。

今回は、弊社が母体となる903シティファーム推進協議会のメンバーであり、書道活動を行われている中根彩さんを講師に迎えました。中根さんは、人のお話を聞いて漢字一字を提供する「心の一字」という活動を中心にされている方です。

今回のテーマは、国際競争力が低下していく中で、どのように価値を創造していくか、それに必要な思考についてのお話でした。また、そのような思考を持った人材を国や企業がどのように活かしていくかというものでした。

特に印象的だったのは、価値創造につながる思考の話、デザイン思考とアート思考についてです。

 

まず、デザイン思考とは、ユーザー目線に立った課題解決のためのデザインを目的とするものです。

正解のない時代に突入した中で、ロジカルシンキングとよばれる論理的思考が話題にありましたが、それによりソリューションが似通ってしまい、同質化してしまうことが問題となりました。そこで、差別化を図るための思考法としてデザイン思考に注目が集まったという経緯があります。

 

そして、これからの時代を生き抜くための新たな思考法として、アート思考があります。先行きが不透明な時代の中で、まずは自分の価値観や世界観に沿って思考を生み出し、それらをアウトプットする過程で他者にもわかるように言語化することで他者の反応や評価が生まれると言います。



意見交換の際にも、アート思考の特徴として、まずは、自分の主観と好奇心で自分のやりたいことを自由にやり、後から意味を見出していけるということに注目が集まりました。意味を見出せることで、他者からの共感を得ることができ、それが広がり持続化していくことにつながるのではないかと思います。

お話の終盤に、デザイン思考とアート思考どちらもあって成長が実現するという内容がありました。「こうしたい」というビジョンや思想を一貫して持ち続けると共に、ユーザーの声を聞きながら改善を繰り返していくことが大切であるのです。ビジョンや思想という自分の軸を持ちつつ、相手や周囲の考えを受け入れるという点では、私たちの目指す共感で繋がる社会、コミュニティのあり方とも重なる部分があるのではないかと感じました。

 

一方で、デザイン思考が顕在化されたニーズに対するものであるのに対して、まだ、ユーザーすら気付いてないニーズに対して、マーケッター側が、消費者を観察し対話を繰り返す中で、マーケッター自身の当時者意識から生まれてくるもの、それがアート思考です。

そこにはマーケッター自身の経験、哲学的な価値観が重要で、今後AIやデジタルが最適化社会の中で当たり前になっていく中で、よりアート思考が重要になってくるといえます。

 

これからの時代、優れたサービスや商品にはアート思考が背景に存在し、その上でデザイン思考とアート思考の間を行ったり来たりしながら新たな価値が生まれてくるのです。

 

私自身も現在の仕事や活動に取り組む中で、この2つの思考を頭に置きながら、自身の経験や価値観と、他者との対話を複合的に組み合わせ、共に創り上げていくということを大切にしていきたいと思います。