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沼田JC「ESで地域を元気に!」セミナーレポート

2018-11-16 13:58:00 | ES
沼田JCさんがJC全体でESの取り組みをやるという話が、今年3月ごろに弊社に相談があったのですが、
その1年間の集大成ということで、今回、例会で講演をさせていただきました。



前回の5月例会にも講師としてお話をさせていただき、
若きJCのリーダーたちに語る場をいただくのはありがたい限りです。
そもそもESを取り上げるJCさんが少なく私自身も横浜青年会議所ということもあり、
担当のJCメンバーの彼には大変なテーマを掲げて大変ですが、ぜひ頑張りましょうと4月に東京まで来ていただいたときに激励を送ったほどでした。

案の定、議題を通すのに大変な思いをしたようですが、理論、そしてメンバーへアンケート、今回の11月の例会ではESを実践している企業さんをお呼びしてのパネルディスカッションと、なかなか興味深い活動だなあと私自身勉強になりました。

さて、本題に入りますとアンケート結果からいろいろなことが見えてきました。
ESを取り組んでいる企業は15.9パーセントと、やはりまだまだESは市民権を得てなくCS重視の傾向が見て取れました。



そして、興味深いのはモチベーション施策です。

1位:従業員とのコミュニケーション
2位:給与を上げる
3位:福利厚生を充実させる
4位:残業を減らした
5位:休日を増やす
6位:社内イベントやサークル



と、ほとんどの企業のモチベーション施策は、ハーズバーグの動機付け、衛生理論の言うところの衛生要因でありモラールは高まり、離職率や会社に対しても不満をなくす施策としては有効だが、モチベーションにつながるのはコミュニケーションとイベントの開催のみということで具体的なES施策にはつながらないということが見えてきました。

そして面白いことにESの取り組みをしている企業は今回パネラーとして登壇いただいた高崎のES企業で定評のある株式会社稲荷山さんをはじめ、JCのアンケートからもイベントを頻繁に行っているという結果から見てもハーズバーグの理論を裏付けています。



ここでJCメンバーさんの今回の相談内容にもなっている自立心が高く、自ら動く社員はいかにして育っていくのか?という切実なる悩みです。

実は、衛生要因のほとんどは、外部の刺激で人が行動を起こす要因になっているのです。お金や休み、地位、そして褒める、怒られるなどの承認、非承認の経営などもすべて外部からの刺激による施策でありこれでは自律した社員は育ちません。

心理学の分野での成人発達理論で著名なケンウィルバーは人間性の高まりつまり自律した社員を以下の表のように自己規範をもったレベル4以上の社員と定義付けています。

■組織の変容段階を意識した対話のあり方


では自己規範はいかにして生まれるのでしょうか?
そこには内的動機と大きくかかわってきます。内的動機は、他人から教えられて高まるのではなく、ましてや文字や言葉では伝えることができないものであるのです。



社長である皆さんと皆さんが問題にしている受け身型の社員さんとはなにが違うのでしょうか?そこには自らの仕事、そして人生においての向き合い方、あり方というものを社長である皆さんはお持ちなのではないでしょうか?
その高貴な、ふるまいはきっと師匠との出会いや尊敬する先輩、社会のなかでの経験を通して意識、無意識にかかわらず身に付けてきたのではないでしょうか?

つまりそこには言語を超えた、共感、共振、共鳴などがともなって初めて本人の気付きへと昇華され自らをマネジメントする自己規範となった行動へと高まっていくのです。

さてここでもう一つの質問、ダイバーシティ時代バラバラの価値観の社員はいかにまとめるのか?そして、いかに地域貢献と結び付けるのかという相談についてお話したいと思います。

再度ケンウィルバーの表を見ていただきましょう。ケンウィルバーは、人間性の発達段階によって意識構造の認知の枠組みが大きく変化すると述べています。

1から3のレベルの段階は認知の枠組みが自己中心的なのがわかりますね。しかし、レベル4以上からは私たち、大いなるものへと認知の枠組みが変化していきます。

そうです!実はESが高まり人間性が向上していくと実はまとめようと思わなくても自然とメンバーはまとまるのです。レベル4以上のメンバーは自然とチームの為、地域の為の行動をとろうと自らが動くのです。
チームの為にとか地域の為にとか言葉でいうよりも個人の人間力の向上をはかる試みをしていくことにより自然と組織はまとまっていくのですね。

マズローは実は欲求5段階の自己実現レベルの上に6番目として自己超越があるのだと晩年残しているのです。



自己超越とは、大いなるものに貢献したい意識です。

いまエコシステム、オープンイノベーションの試みを経営の柱に置こうと企業は躍起になっています。そこには、ES=人間性尊重経営の試みを抜きには実現が不可能なのです。

逆に言えば、イノベーティブな経営をおこなっている組織には必ず、強い個人の存在がそこにはあるといえるでしょう。


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