こんにちは、有限会社人事・労務の西田です。
今日は賃金制度について少しお話させていただきます。
賃金制度とは、その名の通り、社員にどのように賃金を支払っていくのかを定めたルールです。
社員の貢献度合い、能力、生活水準や仕事の市場価値など、様々な要素を考慮しながら決めていきます。そこには、評価制度と同様、それぞれの会社独自の考え方が反映されて、「賃金を決める要素は何か」といったこと考えながら制度に落とし込んでいきます。
これまでは、会社の多くが、「正社員中心」で自社で長く働いてもらいたいという考えのもと、賃金も年齢とともに安定的に上昇カーブを描いていく「職能給」制度が主流でした。しかし、「多様な働き方」が増えている最近では、長期的な雇用や年功的な考えよりも、キャリアに関わらず、公平に同じ仕事や同じ役割をであれば同じ賃金という同一労働同一賃金のもと賃金額を決定する「職務給」や「役割給」が増えてきています。
労務行政研究所の「人事労務諸制度実施状況調査」を見ると、今や職能給に応じた職能資格制度は50%まで少なくなり、職務等級制度や役割等級制度が増えてきていることが読み取れます。
職能資格制度は、自社での様々な業務や経験を通して、能力を着実に身に着けていき、等級や賃金が上がっていきます。職務の配置転換をしても給与に変動がなく、社員が安心してキャリアや人生設計を描くことができるのですが、その分、年功的な賃金となりがちです。若手社員や限定的に働く社員に高い給与を支給しづらく、減給も基本的にはあまりないため、賃金原資が将来に渡って膨張する可能性があります。
一方、職務給や役割給は、年齢や経験等に関わらず、従事している仕事や担っている役割によって、給与が決まります。若手でも社歴が浅くても、また限定的な働き方であっても仕事や役割の価値が高ければ給与も高くなります。そのため、時代にあった給与制度として、職能給から職務給や役割給に変えたいという相談も数年前からすごく増えてきています。
しかし、職務給や役割給は、給与が紐づいているため、職務の異動、役割の変更がしづらく、専門的な能力を持つ人材に偏りがちになってしまったり、職務や役割に直結する合理的な評価になりすぎてしまうという場合もあります。
ゼネラリストとして会社の将来の幹部候補を育て上げたり、仕事や役割だけでなく、人間性や取組姿勢、会社の理念に対する行動等を評価するためには、職能等級制度の方が良いという会社もあります。そういったことが、職能資格制度が50%の会社で導入されている理由かと思います。
時代を無視することは絶対にできません。しかし、自社に合わないものを取り入れても無理が出てきます。
「職能給、職務給、役割給のどれが良いの?」と聞かれることも良くありますが、それは会社によって異なります。また、若手社員はしっかり育てて、幹部には、仕事や役割で貢献してもらうといったように、一般職は職能給、管理職は役割給といった運用も可能です。
賃金は、当然会社にとっても社員にとって重要なもの。
「何に対して給与を支給するのか」ということをしっかり考えていくことが必要です。
今日は賃金制度について少しお話させていただきます。
賃金制度とは、その名の通り、社員にどのように賃金を支払っていくのかを定めたルールです。
社員の貢献度合い、能力、生活水準や仕事の市場価値など、様々な要素を考慮しながら決めていきます。そこには、評価制度と同様、それぞれの会社独自の考え方が反映されて、「賃金を決める要素は何か」といったこと考えながら制度に落とし込んでいきます。
これまでは、会社の多くが、「正社員中心」で自社で長く働いてもらいたいという考えのもと、賃金も年齢とともに安定的に上昇カーブを描いていく「職能給」制度が主流でした。しかし、「多様な働き方」が増えている最近では、長期的な雇用や年功的な考えよりも、キャリアに関わらず、公平に同じ仕事や同じ役割をであれば同じ賃金という同一労働同一賃金のもと賃金額を決定する「職務給」や「役割給」が増えてきています。
労務行政研究所の「人事労務諸制度実施状況調査」を見ると、今や職能給に応じた職能資格制度は50%まで少なくなり、職務等級制度や役割等級制度が増えてきていることが読み取れます。
職能資格制度は、自社での様々な業務や経験を通して、能力を着実に身に着けていき、等級や賃金が上がっていきます。職務の配置転換をしても給与に変動がなく、社員が安心してキャリアや人生設計を描くことができるのですが、その分、年功的な賃金となりがちです。若手社員や限定的に働く社員に高い給与を支給しづらく、減給も基本的にはあまりないため、賃金原資が将来に渡って膨張する可能性があります。
一方、職務給や役割給は、年齢や経験等に関わらず、従事している仕事や担っている役割によって、給与が決まります。若手でも社歴が浅くても、また限定的な働き方であっても仕事や役割の価値が高ければ給与も高くなります。そのため、時代にあった給与制度として、職能給から職務給や役割給に変えたいという相談も数年前からすごく増えてきています。
しかし、職務給や役割給は、給与が紐づいているため、職務の異動、役割の変更がしづらく、専門的な能力を持つ人材に偏りがちになってしまったり、職務や役割に直結する合理的な評価になりすぎてしまうという場合もあります。
ゼネラリストとして会社の将来の幹部候補を育て上げたり、仕事や役割だけでなく、人間性や取組姿勢、会社の理念に対する行動等を評価するためには、職能等級制度の方が良いという会社もあります。そういったことが、職能資格制度が50%の会社で導入されている理由かと思います。
時代を無視することは絶対にできません。しかし、自社に合わないものを取り入れても無理が出てきます。
「職能給、職務給、役割給のどれが良いの?」と聞かれることも良くありますが、それは会社によって異なります。また、若手社員はしっかり育てて、幹部には、仕事や役割で貢献してもらうといったように、一般職は職能給、管理職は役割給といった運用も可能です。
賃金は、当然会社にとっても社員にとって重要なもの。
「何に対して給与を支給するのか」ということをしっかり考えていくことが必要です。
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