わが社は中途採用を活発に行っている。と言うと中途採用社員が多いようだが、そうでもない。採用活動は活発だが結果は、年に2~3人採用できればラッキー!という状態だ。
応募総数は決して少なくはない。多いか?と言うと人気企業に比べたら微々たるものだろうと思うが、毎週コンスタントに3~4人の方に応募頂いている。ような気がしているが、実態はもっと多いかもしれない。7名程度の審査員が、送られて来た履歴書や経歴書を審査し、書類面でOKとなれば、1次面接、面接後審査、2次面接、面接後審査、最終面接、最終審査と経てようやく内定となる。大半の応募者は1次面接までで振り落とされてしまう。小さな会社な割に、かなり厳正な審査プロセスを用意しているような気がしている。倍率はおそらく15倍ぐらいだろう。
これほど厳正な審査プロセスを実施しているにもかかわらず、そして理念としては「中途採用は即戦力だ」と審査員の誰もが理解しているにもかかわらず、面接を通過するのは「即戦力」というより、「長い目で見て将来会社の役に立ってくれそうだ」という人である場合が多い。最近中途採用した社員もまさにズブの「素人」、将来頼む、という人材だった。
私を含め、面接官は「物語」に弱い。面接に来た方々に人生を語られてしまうと、コロッと逝ってしまう。瞬殺である。に反して「評論」には滅法アレルギー反応を示す。以前の職場や上司に関する辛口な「評論」を語られると面接官はゲンナリしてしまう。そういう場合は、いきなり「何か質問はありますか?」と応募者の方に質問してもらって面接を切り上げてしまう。普通の3分の1ぐらいの時間で面接が終わる人などもいる。困ったことにそういう方の多くが「即戦力」ホルダーであったりする。ああまた即戦力保持者を遠ざけてしまった、と反省することも、ままある。
転職活動中の方々は、すでに離職されている場合が多いというのが最近の傾向だが、今でもまだ就業中で、密かに、あるいはきっちり会社に断りを入れて、転職先探しをしているという方々もいる。そういう就業中の方々は日中面接に来ることが出来ず、夜遅くなって面接をする、と言うことになる場合が多い。先週も1件、そんなケースに遭遇した。たまたま急な仕事も無い日だったので、夜7時半まで本でも読んで過ごそうと思って会社近くのベローチェに飛び込んだ。
私は今、ちょっとした事で左手首を怪我して包帯をしている。ベローチェで席に着くや否や、その包帯を話題に隣に座った年配の女性が話しかけて来た。こういう会話を無視できない性分である。失礼にならないように受け答えをしているうちに、彼女が今生きがいにしている山歩きの話や、その山歩きで左腕の無い登山家に出会い、転びそうになった彼女のリュックを後ろから引っ張って救ってくれた話や、これから行きたいと思っている四国のお遍路の話など延々と聞くことになった。ノンストップに繰り出される「物語」は、オチがあるわけではないが、つまらなくはない。もう70近いと思われる彼女が前に前に向かって頑張っている姿がよくわかるものばかりだ。
30分40分して私の携帯が鳴った。面接に来た人が予定より30分早く駅に着いてしまったが、これからすぐ行っていいか?という。「もちろん」と応じて隣を見ると、まだ話が途中という顔をしている。仕方が無いので、今途中の話だけ区切りのいいところまで聞いて店を出ることにした。私がコーヒーも飲まずに話を聞いていたことを知っている女性は「あらやだ、ごめんなさい。飲んでって下さいな」と言ってくれていたが、結局一口飲んだだけでトレーごと店のお姉さんに返した。
その夜、面接に来た方はついていなかった。すでに「物語」でお腹いっぱいの私に、疲れた声で今の仕事場の「評論」を始めてしまっては取り返しがつかない。面接を始めてそんなに時間が経っていたわけではなかったが、躊躇なく「何か質問は?」と切り出してしまった。月がきれいな晩だった。
ベローチェの女性は9月に入ったら時間をかけて四国を回りたいと話していた。手持ち無沙汰になった菅さんと出会うことになるかもしれない。いずれまたベローチェで会ったら菅さんがどんな話をしていたか聞いてみたい。(三)
monipet
動物病院の犬猫の見守りをサポート
病院を離れる夜間でも安心
ASSE/CORPA
センサー、IoT、ビッグデータを活用して新たな価値を創造
「できたらいいな」を「できる」に
OSGi対応 ECHONET Lite ミドルウェア
短納期HEMS開発をサポート!
GuruPlug
カードサイズ スマートサーバ
株式会社ジェイエスピー
横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
応募総数は決して少なくはない。多いか?と言うと人気企業に比べたら微々たるものだろうと思うが、毎週コンスタントに3~4人の方に応募頂いている。ような気がしているが、実態はもっと多いかもしれない。7名程度の審査員が、送られて来た履歴書や経歴書を審査し、書類面でOKとなれば、1次面接、面接後審査、2次面接、面接後審査、最終面接、最終審査と経てようやく内定となる。大半の応募者は1次面接までで振り落とされてしまう。小さな会社な割に、かなり厳正な審査プロセスを用意しているような気がしている。倍率はおそらく15倍ぐらいだろう。
これほど厳正な審査プロセスを実施しているにもかかわらず、そして理念としては「中途採用は即戦力だ」と審査員の誰もが理解しているにもかかわらず、面接を通過するのは「即戦力」というより、「長い目で見て将来会社の役に立ってくれそうだ」という人である場合が多い。最近中途採用した社員もまさにズブの「素人」、将来頼む、という人材だった。
私を含め、面接官は「物語」に弱い。面接に来た方々に人生を語られてしまうと、コロッと逝ってしまう。瞬殺である。に反して「評論」には滅法アレルギー反応を示す。以前の職場や上司に関する辛口な「評論」を語られると面接官はゲンナリしてしまう。そういう場合は、いきなり「何か質問はありますか?」と応募者の方に質問してもらって面接を切り上げてしまう。普通の3分の1ぐらいの時間で面接が終わる人などもいる。困ったことにそういう方の多くが「即戦力」ホルダーであったりする。ああまた即戦力保持者を遠ざけてしまった、と反省することも、ままある。
転職活動中の方々は、すでに離職されている場合が多いというのが最近の傾向だが、今でもまだ就業中で、密かに、あるいはきっちり会社に断りを入れて、転職先探しをしているという方々もいる。そういう就業中の方々は日中面接に来ることが出来ず、夜遅くなって面接をする、と言うことになる場合が多い。先週も1件、そんなケースに遭遇した。たまたま急な仕事も無い日だったので、夜7時半まで本でも読んで過ごそうと思って会社近くのベローチェに飛び込んだ。
私は今、ちょっとした事で左手首を怪我して包帯をしている。ベローチェで席に着くや否や、その包帯を話題に隣に座った年配の女性が話しかけて来た。こういう会話を無視できない性分である。失礼にならないように受け答えをしているうちに、彼女が今生きがいにしている山歩きの話や、その山歩きで左腕の無い登山家に出会い、転びそうになった彼女のリュックを後ろから引っ張って救ってくれた話や、これから行きたいと思っている四国のお遍路の話など延々と聞くことになった。ノンストップに繰り出される「物語」は、オチがあるわけではないが、つまらなくはない。もう70近いと思われる彼女が前に前に向かって頑張っている姿がよくわかるものばかりだ。
30分40分して私の携帯が鳴った。面接に来た人が予定より30分早く駅に着いてしまったが、これからすぐ行っていいか?という。「もちろん」と応じて隣を見ると、まだ話が途中という顔をしている。仕方が無いので、今途中の話だけ区切りのいいところまで聞いて店を出ることにした。私がコーヒーも飲まずに話を聞いていたことを知っている女性は「あらやだ、ごめんなさい。飲んでって下さいな」と言ってくれていたが、結局一口飲んだだけでトレーごと店のお姉さんに返した。
その夜、面接に来た方はついていなかった。すでに「物語」でお腹いっぱいの私に、疲れた声で今の仕事場の「評論」を始めてしまっては取り返しがつかない。面接を始めてそんなに時間が経っていたわけではなかったが、躊躇なく「何か質問は?」と切り出してしまった。月がきれいな晩だった。
ベローチェの女性は9月に入ったら時間をかけて四国を回りたいと話していた。手持ち無沙汰になった菅さんと出会うことになるかもしれない。いずれまたベローチェで会ったら菅さんがどんな話をしていたか聞いてみたい。(三)
monipet
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株式会社ジェイエスピー
横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業