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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

お粥

2011-08-18 08:10:27 | 日記
三日前の当ブログ2011/8/15 リアクション の(三)氏の投稿 に対してレスを書いていたら内容が肥大化した。
もうすぐブログ担当回が回ってくるので面倒臭がりな私はこの内容をブログに掲載することにし、携帯端末から書き始めた文章を削除した。

(三)氏の投稿は最初の3行を見ればわかる。
今回も読み始めた時にあ、(三)さんだな!と思いながら読んだ。
未だ読んでない方はこちら
リアクション

2009年入社の私だが、ご多分に漏れず
誰かが言ったこと~十分知っている。のくだりのタイプだ。
この投稿を見るまでは上司に対して、「え?」「はい?」などと聞き返すことに違和感すら感じていなかった。
それにしても(三)氏のトレンド把握能力はすごい。
投稿を見ながら、そうそう、そうなんですよ。と言葉が出そうなくらいだ。

最近の若者の価値観がバラバラというのは本当に顕著だと思う。
終身雇用制の崩壊だとか情報の取得先が増えた(ネットの普及)だとか社会情勢(今回の震災で明らかになった電力会社の危機管理能力や、大手自動車メーカーの大規模リストラ、大手家電メーカーの世界規模の情報漏えい事故、)大手だから安心!の崩壊だとかいろいろな要因が考えられるけれども、正直、当事者の私にはよくわからない。

こんな情勢の中、社会に出てくる若者は会社の人付き合いに対して"寝食を共にする仲間を持ちなんでも話す"のではなく"仕事を一緒にやるから荒波は立てたくないけど、プライベートまでは干渉されたくない"というのが本音だと思う。
ネットを介したツールの利用も活発でメールやSNSを通じてプライベートな仲間に対してもユルイ繋がりを求める。
ゆるい友達付き合いやサークル活動で培った"荒波をたてない能力"をコミュニケーション能力と言い換えて就活に挑んでみたりするけれども
社会で求められるコミュニケーション能力はその力の10%にも満たない。
そして皆、熱しにくく冷めやすい。

こういった若者の傾向はサブカルチャーやエンターテイメントからも垣間見れる。
ピーク時は8割を越えた紅白歌合戦の視聴率も今や4割を切ることがある。
ドラマやアニメは1クール(3ヶ月)のスパンが基本。(昔は2クールとかありましたよね)
ゲームも発売日厳守でマスターアップまでに余力がないとブラッシュアップの期間がとれず、バランスの調整が未成熟で購入したプレイヤーにひんしゅくを買うことが多々ある。
前述したコンテンツを提供する者はタイムリーなキャンペーンや宣伝(他コンテンツとのタイアップなど)で賑やかしを行うという戦略にはお金を惜しまない。
結果、話題性はあるが中身はスカスカというものがほとんどである。
短い期間での回収を求めるビジネスモデルへ変化していている。

このような世代論を某小説家の中には"コンテンツのお粥化"と揶揄する人もいる。

その内容をかいつまんで書くと
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バブル崩壊以降、モノは売れなくる。
モノを提供する側は売れるようにするためには「飲み込みやすく」する。
 今までだったら、テーブルがあってご飯が並んでいる状態があればよかったが、
美味しそうな料理が並んでいるだけじゃお客さんが来ない。
「もう噛まないでもいいですよ」というくらいの,いわばエキスのようなお粥状のものを、どれからどう食べようかな? ということさえも考えさせないで、とにかく相手の口元まで持っていってしまう。

「凄い砕けた言い方をしてしまうと,“バカみたいな話”ばかりが多くなってしまったんですよ。」
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コンテンツ提供側の都合もあると思うが、そんなものを与えられてきた世代だろう。

話は少し変わるが、
私の母親は5人兄妹の真ん中に生まれ、中学生の頃から家族の食事を作るのが仕事だったそうだ。
共働きだったのにもかかわらず、大家族であったせいか家庭は貧しく、進学のための学費も奨学金制度を利用して高い成績をおさめて卒業し、教職について自分で支払ったという。それが初めて得た自由だったという。
家族的、資金的制約が多い中、我慢をして頑張ったという話である。

適度に潤った社会の中、核家族化、少子化が進み、中流家庭の二人兄妹の長男に生まれた"おぼっちゃん"にはこの手の大人たちの語る苦労話が退屈で仕方なかった。
そんなことよりミニ四駆のセッティングやゲームの攻略法を考えるのに夢中だった。
祖父母の語る戦争の話も、受け取れるものは「戦争は恐ろしいもの、いけいなこと」に留まりこれら実感の伴わない昔話を、まるでフィクションであるかのように受け止めている。

先人たちの苦労によって築きあげられた財産の上にあぐらをかくような所業である。
自由で、選択肢にあふれ、ゆとりがある。
ゆとり世代という言葉があるが私は厳密にはゆとり世代の定義から外れる歳である。
しかし先人たちから見ればそう変わらないだろう。

そんな私でも社会に出てから、自分で稼いだお金でご飯を食べる内に先人たちの苦労がどんなことなのかをゆるやかに感じとれはじめた気がする。
"気がする"程度で実感の伴わない理解は先人たちが語る苦労とはかけ離れている。

お粥を口元に運ばれ続け、咀嚼する力を持たない私たちが、本当の意味で先人たちと同じような苦労に直面した時、それらの問題を噛み砕くことは出来るのだろうか。

きっとびっくりして、「えっ?」なんて聞き返すに違いない。
(KS)


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コメント
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