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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

スレ

2011-10-13 14:34:32 | 日記
 2文字の言葉だけで会話を終わらせてしまう若い人が増えていると言う。曰く「ヤバ」「マジ」「ウザ」。その昔、団塊の世代の男性が結婚すると家に帰って「フロ」「メシ」「お茶」ぐらいしか言葉を発しなかったそうであるから世の中あまり進歩がない。
 
 2文字と言えば、クリーニングから返って来るスーツのズボンには決まって2文字「スレ」と書かれたタグが付いている。「スレ」とは何か?スレチガイ、スレッカラシ、アバズレ、いろいろな「スレ」があるが、クリーニング屋から帰ってきたズボンのタグは、クリーニングする前からあなたのズボンは擦り切れていましたよ、と言う釈明なのであった。「スレ」ているのは左のポケットの口の部分。左のポケットに手を突っ込むのが癖である私のズボンはそのたびに腕時計の攻撃を受けてコスレ、新品のスーツであってもすぐにささくれだってしまうのである。
 
 服が擦れる等、物がスレると表現するより、人が世間に「スレ」る、という言い方をする方が「スレ」という言葉の使い方としては多いかもしれない。ピカピカの新人だったわが社の新人も入社式から早6ヶ月が過ぎ、今や堂々としたものだ。初々しいという感じでは無くなって来た。4月頃は、街を歩く新入社員は、どこの新入社員も皆一様に「新人」然として、すでに世間擦れしまくった先輩社会人とは明らかに異なる緊張した光を放っていた。わが社の新人だけでなく周囲を見ても、秋の声と共にそのピカピカさも失われつつあるようだ。「スレ」て来た、ということだろう。
 
 スレとは漢字では「擦れ」と書く。物と物がこすり合うことである。ガツンガツンぶつかるということでなく、さっと表面を押し付ける感じだ。たったそれだけのことなのに、長く痛みが消えず、いつまでも癒えない傷が付くこともある。社会に出て味わう様々な小さな痛みはまさにこの「擦れ」そのものだ。しかし不思議なことに、かさぶたが落ちて痛みが消えるころには、社会人経験も長くなって自分が何に緊張したり悩んだりしていたのかさえ、すっかり忘れてしまっている。忘れてしまうと傷つきやすい新人を気遣うということができない。
 
 スレた先輩ほど、つい強烈な「擦れ」を新人に対しザリッとやってしまうのである。回復力が弱い新人は「スレ」るどころか傷だらけになって、やがて傷口が膿んで来てしまったりする。こういう傷はなかなか完治しづらい。治ったと思っても完全でなく、ある時ふっとぶり返したりする。本当に回復するには相当長い年月、周囲の理解ある対応が必要になるだろう。心の傷は見えないだけに放射能同様やっかいこの上ない。新人には深手を負わせないように少しずつ抵抗力をつけさせなければならないのである。全く「スレ」ていない真面目一方の新人はこの辺が難しい。
 
 そんなことを考えると、多少「スレ」ているぐらいがちょうどいいかもしれない。傷つけないように気を遣うより、適当に安心して接することができる。私のズボンがまさにそれだ。もう「スレ」てしまっている。気を遣うこともない。(三)
 
 
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株式会社ジェイエスピー
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コメント (1)
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