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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

思い出ダイバー 七 (後編)

2012-09-10 04:01:44 | 日記
前回(2012年7月23日)の続き

社会人になって何年か経ったとき、両親から「仙台に引っ越すから」と言われた。

最初は何を言っているのか良く分からなかったが、どうやら父親が仙台市の会社で働くために、両親とも仙台に引っ越すということだった。最初は父親が単身赴任で行くのかと思っていたが、前にも長野へ単身赴任したことがあり、それを踏まえての引越しという選択だったようだ。

じゃあこの実家であるマンションどうするよ?ってコトになってくる。両親は「売却」することで話を進めていた。ずーっと過ごしてきた実家が知らない人の生活の場所になることに、私は軽い嫌悪感を抱いた。ただ、「売却」することにはしたが、相手は既に決まっていた。

私の弟だった。

弟が実家のマンションを購入することで、知らない人の生活拠点になることは避けられたが、これはこれでひとつ大きな問題になった。自分勝手な話だが、「自由に遊びにいけない」ことになったのだ。当然といえば当然だが、弟にも生活がある。今までのようにちょっと寄るとか、車を借りに行くとかも出来なくなったのだ。

仙台の新しい家はマンションだった。

子供二人のことを考えず、自分たちだけの間取りを考えることは楽しかったようだ。完成前の物件だったため、いろいろ注文をして好みの間取りに変えたようで、和室を取っ払ってリビングとつなげていた。随分広いリビングには、マッサージチェアが置かれていた。念願だったのか、えらく自慢されたことを覚えている。何の縁もない土地なだけに、遊びに行ったときに行うことといえば観光だ。青葉城址で伊達政宗騎馬像を見たり、松島へ行って牡蠣を食べたり。仙台の家では「くつろぐ」ことよりも「行動の拠点」として機能していたと思う。ただ、この家には2回しか行ったことがないからかもしれないが。

程なくして、両親から「引っ越すから」と言われた。

え?また?仙台は?と色々言いたいことがあったが、父親が日本橋の会社で働くために、引っ越すことに決めたようだ。最初は元実家の近くを考えていたようだったが、色々な都合で、千葉県松戸市になった。この家もマンションだ。新興住宅街?のようで、周りにはたくさんの売地が並んでいた。マンションの敷地には無いが、歩いて5分ほどの距離に大きな公園もあった。なかなかいい所だが、仙台のマンションと比べると若干狭い間取りだ。ま、私にはあまり関係ない話だが。

今年の6月末で定年退職した父親のお疲れ様会を弟の家で行うことになった。久しぶりに行ったが、そこにはかつての実家の姿は当然無い。実家としてよりも、弟の家としての時が流れている。家具や照明、電化製品など殆ど弟の家のものであった。当然ダイニングテーブルもだ。ただ、姿は違えど、この場所で大学の合格通知を受け取ったし、食事もしていたのだ。両親、弟、私。四人がそろって食事をすることは随分久しぶりだった。何よりも元実家で出来たことは、とても嬉しかった。


私の中での実家はもう「弟の家」だし、松戸の家は「両親が住んでいる家」だ。ただ不思議なことに、実家の面影はどちらの家にもあるのだ。

(照)


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