日本は科学技術先進国である。小惑星イトカワに向けてハヤブサを飛ばし、その砂粒を持ち帰ったり、スーパーコンピューター京が世界最速の計算速度を実現したり、iPS細胞の研究がノーベル賞を取ったりしている。それなのに、だ。トンネルの天井板が崩落した後の緊急検査のニュースには肩透かしを喰らったような感じがあった。ハンマーでボルトを一つずつカンカン叩いて回るという。腐食や緩みがあると、異音が聞こえてくるらしい。検査対象のトンネルは3000箇所もあるという。そこに検査対象のボルトが何本あるのかわからないが、ひたすらカンカンカンカン叩きまくって調べるしかないそうだ。
高架やら橋やらビルやら、かなり昔に作られた建造物がどこにでもある。風雨にさらされたり海水や地下水に長い間浸かったりすれば腐食しないほうがおかしい。毎日重い列車の運行を支え、行き交うトラックの振動を受けていれば固く締めたはずのボルトが緩むのはあたりまえだ。つまり極端な言い方をしてしまえば、壊れて多くの人命に危害を加えるのは時間の問題であるということを、誰しも知らないはずは無かったのである。にもかかわらず、その予防的手段として実践されているのが極めて古風な検査方法だけであるというのは科学技術先進国としてどうなのだろ、という疑問がある。
おそらく人命に関わるリスクや生活に密着したリスクなど本当に大きな打撃となるようなリスクについては、できるだけおおごとにならないように、そのことについてあらましを知っている当事者だけで話を済ませてしまう隠蔽気質がこの国には存在する。第二次大戦中の戦況などがいい例だが、その後もずっと変わっていないように感じているのは私だけではなかろう。原発の事故が起きてそのことを実感している人も多いに違いない。危機感を煽るという流れに向かうのではなく、リスクを認識し対抗する手段を皆で考えて実践するための情報公開の方法を編み出さなければならない。情報をクローズする方向性ではなくオープンにする方向性にこそ未来があるということを国民の誰もが気質として持っている感覚に変わって行かなければ、本質的な情報公開は難しいだろう。
ただし、日本は科学技術先進国だ。例えば今回のような建造物の耐久性に関するリスクが公開されれば、遠からずおもしろい解決策を考える人が出てくるに違いない。リスクに対抗するアイデアが出てきたら、今度はそれをうまく活用して地域の活性化につなげていくアイデアを求め、前向きなシステムとして創りあげていくのが政治の力だと思う。マネージメント力と言い換えてもいい。将来を見通した広い視野が必要なこの力も残念ながら今の日本には欠けていると言われ続けて来た。
天井板崩落事故から見えてくるのは、結局われわれ自身の脆弱性そのものだ。危機的リスクに際し、危機回避のために必要なアイデアを求めるならより多くの脳で考えたほうが可能性が高くなる。そのためには情報をクローズしてはいけない。長くクローズして来た結果がこの事故に繋がっている。また、太古から自然が取ってきた進化のメカニズムを人間の営みに投影したような実験と選択のメカニズムを推進するマネージメント力が必要だ。安価で迅速な解決策を小さな範囲で各種試してみて最も適していると思われるアイデアを広く適用する。小さな範囲でお試しすることで適用するエリアの活性化を図る。そんなマネージメント力が育って来なかった結果が、緊急検査のために昔から続く打音検査の実施となっているように思う。
省みてわが身を律しなければと思う次第でもある。(三)
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株式会社ジェイエスピー
横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
高架やら橋やらビルやら、かなり昔に作られた建造物がどこにでもある。風雨にさらされたり海水や地下水に長い間浸かったりすれば腐食しないほうがおかしい。毎日重い列車の運行を支え、行き交うトラックの振動を受けていれば固く締めたはずのボルトが緩むのはあたりまえだ。つまり極端な言い方をしてしまえば、壊れて多くの人命に危害を加えるのは時間の問題であるということを、誰しも知らないはずは無かったのである。にもかかわらず、その予防的手段として実践されているのが極めて古風な検査方法だけであるというのは科学技術先進国としてどうなのだろ、という疑問がある。
おそらく人命に関わるリスクや生活に密着したリスクなど本当に大きな打撃となるようなリスクについては、できるだけおおごとにならないように、そのことについてあらましを知っている当事者だけで話を済ませてしまう隠蔽気質がこの国には存在する。第二次大戦中の戦況などがいい例だが、その後もずっと変わっていないように感じているのは私だけではなかろう。原発の事故が起きてそのことを実感している人も多いに違いない。危機感を煽るという流れに向かうのではなく、リスクを認識し対抗する手段を皆で考えて実践するための情報公開の方法を編み出さなければならない。情報をクローズする方向性ではなくオープンにする方向性にこそ未来があるということを国民の誰もが気質として持っている感覚に変わって行かなければ、本質的な情報公開は難しいだろう。
ただし、日本は科学技術先進国だ。例えば今回のような建造物の耐久性に関するリスクが公開されれば、遠からずおもしろい解決策を考える人が出てくるに違いない。リスクに対抗するアイデアが出てきたら、今度はそれをうまく活用して地域の活性化につなげていくアイデアを求め、前向きなシステムとして創りあげていくのが政治の力だと思う。マネージメント力と言い換えてもいい。将来を見通した広い視野が必要なこの力も残念ながら今の日本には欠けていると言われ続けて来た。
天井板崩落事故から見えてくるのは、結局われわれ自身の脆弱性そのものだ。危機的リスクに際し、危機回避のために必要なアイデアを求めるならより多くの脳で考えたほうが可能性が高くなる。そのためには情報をクローズしてはいけない。長くクローズして来た結果がこの事故に繋がっている。また、太古から自然が取ってきた進化のメカニズムを人間の営みに投影したような実験と選択のメカニズムを推進するマネージメント力が必要だ。安価で迅速な解決策を小さな範囲で各種試してみて最も適していると思われるアイデアを広く適用する。小さな範囲でお試しすることで適用するエリアの活性化を図る。そんなマネージメント力が育って来なかった結果が、緊急検査のために昔から続く打音検査の実施となっているように思う。
省みてわが身を律しなければと思う次第でもある。(三)
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