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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

裸足の大学

2012-12-03 08:30:08 | 日記
 デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)は地図で見るとインド北部の左側斜面の地域一帯に日本の支援を中心にする先進技術の粋を集めた産業インフラ拠点を作ろうという試みである。日本の大企業が揃って参入を決めている。というのは先日の本稿に書いた話題だ。今日の話題は、またしてもインド。日本が官民あげて期待を寄せるこのDMICと同じ地域に広がるDMICとは真っ向からぶつかる概念を基にした『裸足の大学』という草の根の活動について話題にしたい。
 
 『裸足の大学』では文字も書けない人が先生になり生徒になり、学生自治を行い、日本で言うところの村おこしや町おこしを行なって地域の活性化を実現している。権威ある大学や外部の偉い人に頼らなくても、本当に生活に必要な大切な知識を持っているプロフェッショナルはどの村にも町にもいる。彼らに教えてもらった知識を基に、さらに工夫して自分たちの生活にぴったり合ったものを自分たちの手で創りあげよう。自分たちの強みを生かし「外に頼る必要はない」そう考える活動こそ『裸足の大学』である。
 
 日本では言葉でならソーラーパネルや太陽電池を知らない主婦は少ないだろうが実際に据え付けて生活の中で利用出来るだけの技術を持っている主婦がいったい何人いるだろうか。ところがインドのこの地域には文字を読むことができなくても太陽電池の設置と利用に関する技術を持っている主婦が大勢いる。しかもその主婦たちの姿を見て学びたいと立ち上がったアフリカの主婦達に技術を伝授することまでしている。言葉が通じない主婦たちが集まって工夫しながら助けあい教えあっている。
 
 電気が来ない村でも夜子どもたちは電気ランプの灯りで勉強をすることができる。日中太陽電池で蓄電した電気を使う。『裸足の大学』校内では調理のためにソーラークッカーを使っている。ソーラークッカーとはパラボラ型の大鏡のことである。これで太陽光を鍋に集中させて加熱する。太陽電池利用のランプやソーラークッカーは皆、女性たちの作品だ。ランプに電気を供給する『裸足の大学』校内の太陽発電設備は8年間の初等教育を受けただけのヒンズー教の僧侶が作ったものだという。
 
 水の少ない地域なので雨水の再生利用について長年工夫してきた地域の知識を生かし、昼間は動物の世話など仕事をしなければならない子どもたちのために夜学校を開くなど、世界の常識に合わせるのではなく地域の特性に合わせた、その地域が必要とする活動を行なっている。
 
 地域の長老や知恵者、技術者を大事にしながら先進の技術をミックスさせて発展しようと考える『裸足の大学』の考え方は、そもそも日本人が持っていた気風に近いようにも思える。そのような気風を持つ地域に日本の企業が今、かつての黒船のように大挙して押しかけようとしている。押し付けるのではなく彼らと一緒に考え、必要な技術を支援する形で共に発展できるといいと思う。
 
 どこにいても共通しているのは「お客様第一」という考え方だろう。本当に必要な物は何なのか。不必要だとわかっていて、売り手の勝手で物を売りつけるのは押し売りである。今は無駄に思えても近い将来には必ず役に立つはずだと信じられるものを薦めて行きたい。
 
 『裸足の大学』については創始者のバンカー・ロイが語っているTED『「裸足の大学」から学べること』http://www.ted.com/talks/lang/ja/bunker_roy.htmlを見てもらえるとよりわかりやすい。
 
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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
  製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
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