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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

脳ネットワーク

2013-09-24 09:20:51 | 日記
先日このようなニュースを目にした。
『人間の脳を「ネットで繋ぐ」インターフェース実験がついに成功』
脳波を用いて送信者Aの脳の活動を検出し、その活動を受信者Bの脳で再現する、というものだ。

「残念。まだ思い浮かべるだけで調べ物が出来たり、車を操縦出来たりはしないのか」なんて思うのはSFの観すぎだろうか。

それはともかく、非常に興味深い実験結果である。
実験では「右手の指を動かす」という、簡単なのだか難しいのだかよくわからない指示を出していたが、これが発展していけば高度で精密な情報共有が可能となるのであろう。
それに合わせて電子機器やいろいろなものが、より人間にとって直観的なように変わっていく。
頭の中に電卓や辞書を置いておくような、あるいは手を動かすのと同じようにパソコンを操作するような、人と外部装置がシームレスに繋がる時代が来るのだ。

そんな未来は便利そうでとてもワクワクするが、同時に恐ろしいものとも思う。
人は環境を作りかえて発展したように、自分たち人間のあり方さえも変えてきた。

知りたいことがあれば本を読む。人に教えを乞う。時には自分で試して体得する。
そうやって、人は能動的に学習を繰り返してきたはずだ。

しかし今は違う。
世界は情報で溢れ、人は知らず知らずのうちにそれらを見るようになった。
自ら調べなくとも、検索すれば纏められた情報を入手できる。
より簡単に、的確で客観的な情報を入手できるようになったのだ。
情報の入手方法はこれが全てではないが、大きな比重を持つことは明らかだろう。


ところで、皆さんは「交換記憶」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

「これはどういう意味だっけ?あの人が知っていた気がする。」
自分は「誰がそれを知っているか」を覚え、それそのものの意味を覚えていない、そういう記憶だ。これは交換記憶の典型である。社会において当たり前のように存在する、自然な記憶形態である。

しかし、近年ではこの「交換記憶」が、人とインターネットとの間で発生することが多くなった。
検索エンジンは進化し、いくつかの検索ワードを入力するだけで的確な情報へと導いてくれる。人はその検索ワードのみを記憶し、詳細な情報はインターネット任せなのである。

時代の流れでもある。技術の進歩の証でもある。しかし、これがもたらす弊害は非常に大きなものであろう。

何しろ、少し調べればすぐに的確な情報が手に入るのだ。人は検索ワードのみを考えることに夢中になり、情報の真偽を問わなくなり、最後には自身で情報を編み出すことをやめてしまう。思考をやめてしまう。
なんと恐ろしい世界であろうか。


先の「脳をネットワークで繋ぐ」話と併せて考えれば、もっと恐ろしいことも予想される。
思考をする一部の人間と、それに縋る、もしくはそれを補助する大多数の人間。そんな2極化が起きてしまうのだ。


寝不足の頭でそんなネガティブなことを考えながら、それでもそんな困難を乗り越えた明るい未来を見てみたいと思う次第である。

(つ)


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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
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