小学校に入学した頃、私の住む地域ではまだ都市化の波が押し寄せて来る前だったので、田園風景の中の広大なエリアをカバーする小さな小学校と小さな中学校が小さくまとまって一つポツンと田んぼの中に建っていた。
中学校と小学校は各学年1クラス。私たちの学年から2クラスになった。中学生が大事なテストの期間は小学生は休み時間も静かにしていましょうね、と先生に言われて子供ながらに気を使ったりしたものだった。私の場合、学校までは約2キロ半ほどの距離を通った。野山やあぜ道を抜けて歩く通学は毎日楽しい発見の連続だった。おそらく、3キロ以上の距離を通っていた子供もいたような気がする。
今地方では似たような風景が広がっているらしい。いや似ているとは言えないか。子供の数が減って、もともと多くの子供達を収容していた大きな校舎にわずかな生徒が通っている。生徒数が少なくなりすぎて維持できず廃校せざるを得ないと判断した地域もあるらしい。残った生徒はかなり遠い学校まで通わなければならない。
これから何年かの間に地方の小中学校はどんどん統廃合されて行く。多くの子供達の中で競争して育った方が良いと文部科学省は言っているらしい。その通りではある。しかしもちろん、それが理由で統廃合しているわけでないことは誰でもわかる。生徒数より先生の数の方が多いような学校をいくつも抱えていては自治体の財政はたちまち破綻する。
地方をコンパクトシティ化しようという計画がある。行政サービスから医療機関、学校、その他生活に必要な様々な機能をコンパクトにまとめた地方都市を新しく作ってそこに人を集めようという試みだ。あちこちに維持費のかかるインフラを持つ必要がない点で悪くない考えだ。もともと日本の村は皆、コンパクトシティだった。
とはいえ、太平洋戦争の前後から急速に開墾された土地が広がり、それが戦争中の疎開地にもなってさらに拡充された後、高度経済成長と列島改造の波によって無造作に造成地、すなわち今となっては上下水道や電力設備の維持、舗装された道路や橋の維持を必要とする地域を拡大して行った。人口が減少しているとは言っても一旦広がってしまった地域には今も生活している人がいて、そこが故郷だ。コンパクトシティ化が進めばそのエリアから外れた方々の不便や疎外感は大きなものになるだろう。
故郷を捨ててでも新しい街作りに協力しようという地域の方々の納得がなければコンパクトシティの計画もうまくいかない。そこで暮らす人たちの姿も見ずに計画された施策は結果的に長く続かない。ある日いきなりダムを作ると言ってみたり、作り出したダムを無駄だから止めようと言ってみたり、そこを故郷として懸命に生きて来た人の心を無視した政策がずっと続いて来た。今後も同じならそれがうまくいくわけがない。
未来を見据えて考えた時、いかに高齢者の数が増えようとも、高齢者の生活の質を高める諸施策以上に、子供の教育環境の改善にこそ力を注ぐべきだろう。そのことはおそらく高齢者自身を含む多くの皆さんが理解しているはずだ。子供達に愛情をたっぷり注ぎ、しっかりと育てる環境をみんなで作る政策が本気で議論されれば、自ずと国民の多くが納得できるアイデアが生まれてくるに違いない。(三)
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中学校と小学校は各学年1クラス。私たちの学年から2クラスになった。中学生が大事なテストの期間は小学生は休み時間も静かにしていましょうね、と先生に言われて子供ながらに気を使ったりしたものだった。私の場合、学校までは約2キロ半ほどの距離を通った。野山やあぜ道を抜けて歩く通学は毎日楽しい発見の連続だった。おそらく、3キロ以上の距離を通っていた子供もいたような気がする。
今地方では似たような風景が広がっているらしい。いや似ているとは言えないか。子供の数が減って、もともと多くの子供達を収容していた大きな校舎にわずかな生徒が通っている。生徒数が少なくなりすぎて維持できず廃校せざるを得ないと判断した地域もあるらしい。残った生徒はかなり遠い学校まで通わなければならない。
これから何年かの間に地方の小中学校はどんどん統廃合されて行く。多くの子供達の中で競争して育った方が良いと文部科学省は言っているらしい。その通りではある。しかしもちろん、それが理由で統廃合しているわけでないことは誰でもわかる。生徒数より先生の数の方が多いような学校をいくつも抱えていては自治体の財政はたちまち破綻する。
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とはいえ、太平洋戦争の前後から急速に開墾された土地が広がり、それが戦争中の疎開地にもなってさらに拡充された後、高度経済成長と列島改造の波によって無造作に造成地、すなわち今となっては上下水道や電力設備の維持、舗装された道路や橋の維持を必要とする地域を拡大して行った。人口が減少しているとは言っても一旦広がってしまった地域には今も生活している人がいて、そこが故郷だ。コンパクトシティ化が進めばそのエリアから外れた方々の不便や疎外感は大きなものになるだろう。
故郷を捨ててでも新しい街作りに協力しようという地域の方々の納得がなければコンパクトシティの計画もうまくいかない。そこで暮らす人たちの姿も見ずに計画された施策は結果的に長く続かない。ある日いきなりダムを作ると言ってみたり、作り出したダムを無駄だから止めようと言ってみたり、そこを故郷として懸命に生きて来た人の心を無視した政策がずっと続いて来た。今後も同じならそれがうまくいくわけがない。
未来を見据えて考えた時、いかに高齢者の数が増えようとも、高齢者の生活の質を高める諸施策以上に、子供の教育環境の改善にこそ力を注ぐべきだろう。そのことはおそらく高齢者自身を含む多くの皆さんが理解しているはずだ。子供達に愛情をたっぷり注ぎ、しっかりと育てる環境をみんなで作る政策が本気で議論されれば、自ずと国民の多くが納得できるアイデアが生まれてくるに違いない。(三)
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