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ジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

雨靴

2015-06-08 08:27:19 | 日記
 今は男女どちらもおしゃれな人が多いが、私が幼い頃には一般の男性はあまりファッションに気を使わなかった。そのために衣類や小物の名前も大雑把に区別できれば良いという程度の用語しか使ってこなかった。関心が無いので細分化されていなかったのだ。
 
 例えば靴の種類などがそうだ。私は未だに細かな靴の種類を名前で分類することが出来ない。下駄やセッタやゾウリは昔はよく見かけたが最近ではあまり見ない。そういえばハナオがある履物を最近履かない。サンダルだって昔はハナオが付いているものが主流だった。
 
 幼稚園の頃までは雨が降れば長靴と決まっていた。当時は長靴とは言わず雨靴と呼んでいたように思う。傘も持たされたが雨ガッパも着た。そして雨靴だ。雨靴は水たまりに入っても叱られない靴だと思っていたので、水たまりがあれば必ず走り込んだ。当時は今のようにどの道路も舗装されているという状況ではなく、砂利道も多かった。雨が降れば車の轍に水がたまり、泥の池のようになっている所も随所にあった。だから雨靴は本当に役に立ったのだと思う。
 
 小学校に入ってからはなぜか長靴を履かなくなってしまった。当時はスニーカーなどという言葉を使っている人はいなかっただろうと思う。履いていたのはズックとか運動靴とか呼ばれていた耐久性の高い靴だ。小学校に入りたての頃は長靴も用意してもらっていたのに、いつの間にかほとんど使わなくなった。雨だろうが雪だろうが、いつでもズックだ。もちろん雨の日には靴の中までびしょびしょだったはずだが、そんなことよりも走り回れる機動性を失うことのほうが惜しかったのだろう。
 
 梅雨時の野山は1日で様相が変わるほど植物が伸びる。そんな活力ある緑に覆われた丘や畑や水田を越えて、小学生だった私は毎日学校に通っていた。長靴で水たまりに入るより動きやすいズックで草ぼうぼうの崖を登ったり小川を飛び越えたりするほうが楽しくなっていたのだ。
 
 梅雨時になるとアマガエルが大合唱を始めた。アマガエルの次はトノサマガエルだ。夏に入るとたまにガマガエルや場所によってウシガエルの声も聞いた。いつからか聞かなくなってしまったそんな声が今は懐かしい。
 
 カエルが鳴いている時期は、ヤゴやタガメ、マツモムシなどの水生昆虫やオタマジャクシやザリガニなどの水生生物たちが活発に活動する時期でもあり、子供たちには楽しくて仕方がない時期だった。
 
 日が長くなって遅くまで遊べるようになることもこの時期の特典だったろう。泥だらけになって帰ってきて風呂に入ってさっぱりした後、暗くなった庭を見るとぼんやりと小さな黄色い点滅が揺れているのを見つけることがあった。ねえねえホタルホタルと妹が大騒ぎして父や母を引っ張って来たものだ。母が部屋の灯りを消すと家の前の畑やその向こうの林などを覆っていた夏の闇がふと家の中まで入って来て、なんだか大きな声を出してはいけない感じがして、あっちにもこっちにもと見つけたホタルを指差す声が小さくなった。(三)
 

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株式会社ジェイエスピー
  横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
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