goo

牛乳

 最近、牛乳が好きだ。どんなきっかけだったかよく覚えていないが、ここ10日ほど、塾が終わって帰宅すると、冷蔵庫から牛乳を取り出してコップ1杯ぐっと飲み干す。おいしい、本当においしい。どうして今まで、飲まずにいられたんだろうと不思議に思うほどおいしい。これまで牛乳を飲むと言ったら、たまに旅行してホテルでの朝食がバイキングのときにコップ1杯を飲んだくらいでほとんど飲んだことはなかった。何故だろう。
 と言っても、理由ははっきりしている。私は牛乳を飲むとかなりの確率でお腹が痛くなる。冷たく冷やしてあるからなのかもしれないが、ギンギンに冷えたビールをいくら飲んでもお腹が痛くなることはないから、お腹が冷えて痛くなると言うのとは少し違うように思う。なら、成分なのだろうか。そう思って思い返してみると、濃い牛乳を飲んだときに腹痛になる可能性が高いようだ。昔は、起きてすぐに、濃い牛乳をグィッと飲むと、5分もしないうちにお腹が痛くなった。お腹が痛いのは辛いけれど、あまりに決まってそうなるものだから、食べ過ぎてお腹が苦しい朝などはワザと牛乳を一本ぐい飲みしたことさえある。すると、効果覿面すっきりできたから、不思議だ。
 腹痛は私には切っても切れない関係がある。中学高校のときは、朝ごはんに玉子を食べると通学途中の電車の中で、よくお腹が痛くなった。朝の満員電車の中では降りるに降りられず、自分の駅までただひたすら我慢するしかなかった。その時の地獄の苦しみは今思い出しても身震いがする。もうだめだ、と思ったことが何度かあったが、幸いなことに人に迷惑をかけることも、自分が恥をかくこともなくすんだのは奇跡のようなものだ。時々、塾生にそうした苦しみを味わったことがないかとたずねてみるのだが、今まで一度も共感してくれた者はいないから、私の特異な体験なのかもしれない。
 
 こんな私だから、腹痛のための薬は常備してある。即効性を期待するなら正露丸、少し余裕があるときには百草丸と飲む薬は決めてある。子供のときから胃腸の弱かった私は、ちょっとお腹の調子が悪くなると、百草丸を飲まされたものだから、いつの間にか慣れてあの苦い薬を飲み込まずに飴のようになめていることができるようになった。その話をすると誰も信じてくれないが、実演して見せると驚くのが面白くて、よく人前でやってみた。さすがに今はできない気がするが、あの味は今も嫌いではない。
 もう一つ、我が家には腹痛のための秘伝の薬がある。「梅エキス」というものだ。これは、青梅の絞り汁を長時間煮詰めて濃縮したものであるが、1kgの青梅から20~25g しか取れないと言われている。梅の有効成分を濃縮したものとして市販のものもあるようだが、我が家では母方の伯母が毎年作ってくれたものをもらっている。薬ではないだろうが、お腹が痛くてどうしようもなくなったときに、最後に出てくるのがこれだ。酸っぱいと言うか、苦いと言うか、一口なめただけで、全身に震えが来るほどだが、我慢してスプーン一杯ほどをなめると不思議に腹痛が治まる。どういう効能があるか知らないが、とにかく私の腹痛を治すための最終兵器だ。


 今年はいつももらう青梅のなりが悪くて、梅エキスを作ることができなかったと伯母は嘆いていたが、まだまだ去年、一昨年にもらったものがあるから大丈夫だ。だけど、暴飲暴食をしないように注意することが何よりも大事だろうな。当たり前か。。。



コメント ( 13 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする